本当に怖いのは、、

星川雫

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本当に怖いのは

壱日目

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小鳥のさえずりで目を覚ますと
枕元にはあの本が落ちていた
棚から落ちてしまったのだろうか
本を棚に戻し僕は会社へ向かった
何もないいつもの日常
パソコンとにらめっこし今日も残業だ
何気に外に目を向けた
大きな木がただ一本
普段と何も変わらない景色
だがー
違和感
ゾッとした
大きな木の下に白い服を着た髪の長い女が
立っていたのだ
女はこちらに気づきニヤリと笑った
僕は怖くなり目を背けた
なんなんだアレは
幽霊、、、本当に存在するっていうのか?
オカルト好きの僕だが流石に本物に出会った
ことはない。
再び外に目を向けるがもうその女の姿は
なかった。
夜に似合わぬ白を纏った女は僕の記憶に
鮮明に植え付けられた

ブルーな気持ちと疲れを感じながら
仕事を終え帰路につく布団を敷き
横になって天井を見上げる
アレは一体なんだったのだろうか、、、
もう寝てしまおうと電気を消そうとした
、、、あの本が
枕元に落ちていた
今朝もだ棚にしまっていたはずの本が
気付けば僕のそばにある
僕はなぜかその本に手を伸ばしパラパラと
ページをめくった
すると
「壱日目」
今日アノ人に出会ッタ
見ツケタ
と書かれていた
嘘だこんなのは嘘だ
昨日は何も書かれていなかったじゃないか
どういうことだ
明らかにこの本はおかしい
疲れているはずなのに目は冴えていて
今夜は一睡も眠れないと悟った
眠ることなんてできない
じっと震えをこらえ朝になるのを待った
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