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第2部

プロローグ

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私たちは、上空から国を見下ろしていた。
にぎやかだった、私の知る国は、今はとても静かだ。
今日から、この国は深い眠りにつくことになった。
いつか、この国の王と国民が帰ってくるまで、封印されることになったのだ。
崩れた家や道、城が、とても寂しい。
死んでいった人々の存在は、妖精たちと協力してお墓を作ってもらい、弔ってある。

この国を建て直すと決めたはいいものの、やることもやらないといけないこともたくさんある。建物自体は、妖精たちが直してくれるからいいのだけど、問題は、王と国民だった。
この国の悪評は、ずいぶんと広まってしまい、おまけに先日の魔物の襲来もあり、すぐに誰かが来てくれるような状況ではないというのが、皆の考えだった。

だったら、この国を必要としている人たちを探す旅に出るのは、どうだろうか。
というのが、ポッドやほかの皆が出した提案だった。
広い世界を見るのは、いいことだし、きっと困っている人もいるだろう。
もし、エミリアがこの国以外で生きたいと思ったら、そこで生きてもいいし。

聖女様の国のように、最初は難しいかもしれないが、受け入れてくれる国は、多いだろう。
妖精も世界中にいるからな、とポッドが言うので、それなら最初は、私の叔母様のいる国に行きたいと言ったのだ。

「おばさま?エミリアにその宝石をくれた人か」
「そう。私、叔母様のこと、何も知らなかったから。家族は、他の親類がいるなんてこと一度も話さなかったから」

私のいないところで、話していたのかもしれないけど。
でも、お父様もお母様も、他の家族のことは嫌いなのかな、と思ったことは何度かある。
妹に「おじい様とおばあ様に会いたい!」と、しつこく言われたときは、嫌そうにしていたから。
妹には、いつも優しくて、甘い二人だったけど、自分たちの両親に会わせることは、一度もなかった。妹が話題に出すことも許さなかったくらいだったのだから、相当苦手だったんだろう。

「そういえば、私にもおじい様とおばあ様がいるのよね…。どんな人かしら」
「叔母のところに行けば何か分かるだろうさ」
「そうよね……。私にも他に家族がいるなんて、信じられないけど」

叔母様のところに行った後は、祖父や祖母の場所を聞いてみよう。
自分の問題だって、あまり解決できていない状態で、本当に国の問題なんて解決できるのか、少し不安だけど、私にはポッドがいるし、他の妖精も手伝ってくれると言っているから、心強い。

「妖精が手伝ってくれるなんて、私は幸運よね」
「今までが不運だったんだよ」

そういって、私たちは、自分たちが住んでいた国を後にして、叔母様のいる国へと向かったのだった。
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