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第1部
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「話は、終わったか?」
「っ!」
反射的に体が、震えた。
「ぽ、ポッド、今の話聞いてた?」
「いや?聞かれたくない話をしているだろうとは、二人の顔を見ればわかったからな。俺は、なにも聞いてない」
「そ、そう」
ーよかった、と言おうとして、止めた。
なんだか、ポッドに対しての裏切りだと思ったからだ。
ポッドにたいして、なにか隠し事をするのは、抵抗があった。
でも、これからは、そういったことも増えていくのだろうか。
「あの、ポッド。あのね」
「ん?どうした、エミリア」
聖女様が言っていたことを聞いた方がいいのだろうか。
でも、もしも本当にポッドが、神様の側近なのだとして、私は、どうするべきなのだろうか。
ポッドと、距離を置いたほうがいいのかな。
・・・だめ、怖い。
だって、私はポッドがいたから、ここに来れたんだ。
ポッドが、いなくなったら、私は、どうすることも出来ない。
「ご、ごめん。なんでもない」
「?そうか」
「お、お祭り、楽しいね」
「エミリアは、初めてだもんな」
「うん、こうして自由で出来るのも・・・」
「・・・そうだな。今日は、存分に楽しもうな!そうだ、お給料も出たんだろう?」
「うん。私のお金なんて不思議。本当にこれ、使っていいのかな」
「当たり前だろう!エミリアが、働いて稼いだお金だ。好きに使っていいんだ」
お金なんて、はじめてもらった。
今まで、自分に必要なものなんて、何一つもらったことがないから、なんだか自分のものじゃない気が、まだして、使うのに抵抗がある。
「これで、自分が持っているお金の範囲なら、なんでも買えるんだよね」
「ああ」
「すごいね。お金って」
「ん、まぁ、便利ではあるな」
自分で稼いだお金・・・。
「ポッドが使っていいよ」
「は?なんでだ?」
「だって、ポッドが掃除のほとんどをしたようなものだったもの。私なんて、おしゃべりしてただけだし」
「いやいやいや。エミリアが使うべきだ。それに俺にお金を渡されても欲しいものなんて、なにもない。使わなきゃもったいないだろ」
「で、でも」
「エミリア。こういうときくらい、自由にしていいんだ。・・・いや、ずっと自由にしていいんだよ。もう、エミリアは何をしても怒られないんだからさ」
「でも・・・私、本当に・・・いいのかな?」
「いいんだよ」
「だって、私、楽しかっただけだよ」
「ん?」
「あの家で働くの、苦しかった。お金なんて、もらえるわけもなかったし、」
「うん」
「きちんと出来なかったら、怒られたし、殴られた」
「・・・・・・」
「でも、ここは違う。働いたら、感謝されて、ポッドとおしゃべりしながら、掃除して、楽しくて。それだけで十分なのに、お金までもらえて、なんでもすきなようにしていいって、使っていいって言われて」
ポッドは、黙っている。
「い、いいのかな?これで?」
「もちろん、いいに決まってる!当然のことだからな」
「そ、そうなの?」
「ああ」
「っ!」
反射的に体が、震えた。
「ぽ、ポッド、今の話聞いてた?」
「いや?聞かれたくない話をしているだろうとは、二人の顔を見ればわかったからな。俺は、なにも聞いてない」
「そ、そう」
ーよかった、と言おうとして、止めた。
なんだか、ポッドに対しての裏切りだと思ったからだ。
ポッドにたいして、なにか隠し事をするのは、抵抗があった。
でも、これからは、そういったことも増えていくのだろうか。
「あの、ポッド。あのね」
「ん?どうした、エミリア」
聖女様が言っていたことを聞いた方がいいのだろうか。
でも、もしも本当にポッドが、神様の側近なのだとして、私は、どうするべきなのだろうか。
ポッドと、距離を置いたほうがいいのかな。
・・・だめ、怖い。
だって、私はポッドがいたから、ここに来れたんだ。
ポッドが、いなくなったら、私は、どうすることも出来ない。
「ご、ごめん。なんでもない」
「?そうか」
「お、お祭り、楽しいね」
「エミリアは、初めてだもんな」
「うん、こうして自由で出来るのも・・・」
「・・・そうだな。今日は、存分に楽しもうな!そうだ、お給料も出たんだろう?」
「うん。私のお金なんて不思議。本当にこれ、使っていいのかな」
「当たり前だろう!エミリアが、働いて稼いだお金だ。好きに使っていいんだ」
お金なんて、はじめてもらった。
今まで、自分に必要なものなんて、何一つもらったことがないから、なんだか自分のものじゃない気が、まだして、使うのに抵抗がある。
「これで、自分が持っているお金の範囲なら、なんでも買えるんだよね」
「ああ」
「すごいね。お金って」
「ん、まぁ、便利ではあるな」
自分で稼いだお金・・・。
「ポッドが使っていいよ」
「は?なんでだ?」
「だって、ポッドが掃除のほとんどをしたようなものだったもの。私なんて、おしゃべりしてただけだし」
「いやいやいや。エミリアが使うべきだ。それに俺にお金を渡されても欲しいものなんて、なにもない。使わなきゃもったいないだろ」
「で、でも」
「エミリア。こういうときくらい、自由にしていいんだ。・・・いや、ずっと自由にしていいんだよ。もう、エミリアは何をしても怒られないんだからさ」
「でも・・・私、本当に・・・いいのかな?」
「いいんだよ」
「だって、私、楽しかっただけだよ」
「ん?」
「あの家で働くの、苦しかった。お金なんて、もらえるわけもなかったし、」
「うん」
「きちんと出来なかったら、怒られたし、殴られた」
「・・・・・・」
「でも、ここは違う。働いたら、感謝されて、ポッドとおしゃべりしながら、掃除して、楽しくて。それだけで十分なのに、お金までもらえて、なんでもすきなようにしていいって、使っていいって言われて」
ポッドは、黙っている。
「い、いいのかな?これで?」
「もちろん、いいに決まってる!当然のことだからな」
「そ、そうなの?」
「ああ」
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