31 / 41
31
しおりを挟む
「世界樹を生やせるなんて力を本当に持ってるとして、国を出てきたということは、わけありか…まぁ。それもそうか…」
「信用してくれるんですか?」
「一応、教会から神託があったというんでな。最近手紙をもらったんだ」
「そ、…神託!?」
アスランのほうを見ると、パチンとウインクをされた。
い、いつのまに…。
ってか、神託ってどうやってやったんだろう。アスランがしたのかしら。
「というわけで、実は俺はお嬢さんが来ることを知ってたんだ」
「な、なんだ…じゃあ、ここまで驚かすことないじゃないですか」
そういって、周りの男たちを見る。
みんな、こちらを見て、笑っている。
馬鹿にしたような表情や態度は、演技だった、ってわけ?
部屋は、すっかりと緊張が抜けている。
「こんな、大勢で部屋で待ち構えているから、何事かと思いましたよ」
「みんな、わくわくしながらお嬢さんのことを待っていたんだよ。我先に見たいってやつらばっかりでな」
「なんですか…それぇ…」
ぐってりと上半身の力を抜く。
いや、普通に旅のときより、疲れたんだけど。
これ、私が極度の男性恐怖症だったら、どうするつもりだったんだろう。
「俺だって、初めてのことなんだから、緊張してたんだよ。なにせ、神様自ら、きちんとするように、って言ってたらしいからな。おかげで、教会の人間がずっと殺気立って、お嬢さんを待ち構えているぜ」
「教会の人がいるんですか」
「もちろん。ここにも教会があるからな」
「ギルドの国、ですものね」
ギルドの人間は、信心深い人が多いと聞く。
だからこそ、あの国のギルドの人たちに裏切られたのは悲しかったな…。
ずっと私のお守りを使ってもらって、すっかり信用されていたと思っていたのに。
あの受付嬢の冷たい目を思い出して、胸が痛くなる。
父や祖父…それよりもっと前から、あの国でお守りを作り、みんなの幸せや健康を願ってきていたが、どうやらそれはこちらの一方通行だったらしい。
「よっぽどおかしなやつか、ごりごりの聖職者が来るかと思ったら、こんな女の子一人とおこちゃまとわんころだったんだから、こっちのほうが驚いたわ」
「まぁ。たしかに」
「しかも、どこから来るのかと思えば、裏門から来たと聞いた時は、驚いたぜ。あそこの森から飛び出してくるのは、魔物かこの国を狙う人間しかいないからな」
「それはすみませんでした。入口が分からなかったものですから。それも神託出せばよかったですね」
「…お嬢さん。神託出せるのか?もしかして、割と偉い人間だったりする?」
「あ」
普通の人間は、神託なんて出せない。
「や。冗談です。冗談」
「わっはっはっ!そうだよな。まるで、神様の知り合いみたいな口ぶりだから、一瞬、ひやっとしたぜ。そんな人間、教会にもいねぇわな!」
わっはっはっ!と笑っているギルドの人たちを見ながら、知り合いっちゃ、知り合いなんだよなぁ。まさか、神様が行き倒れていたなんて、信じてもらえるわけないけど。
「信用してくれるんですか?」
「一応、教会から神託があったというんでな。最近手紙をもらったんだ」
「そ、…神託!?」
アスランのほうを見ると、パチンとウインクをされた。
い、いつのまに…。
ってか、神託ってどうやってやったんだろう。アスランがしたのかしら。
「というわけで、実は俺はお嬢さんが来ることを知ってたんだ」
「な、なんだ…じゃあ、ここまで驚かすことないじゃないですか」
そういって、周りの男たちを見る。
みんな、こちらを見て、笑っている。
馬鹿にしたような表情や態度は、演技だった、ってわけ?
部屋は、すっかりと緊張が抜けている。
「こんな、大勢で部屋で待ち構えているから、何事かと思いましたよ」
「みんな、わくわくしながらお嬢さんのことを待っていたんだよ。我先に見たいってやつらばっかりでな」
「なんですか…それぇ…」
ぐってりと上半身の力を抜く。
いや、普通に旅のときより、疲れたんだけど。
これ、私が極度の男性恐怖症だったら、どうするつもりだったんだろう。
「俺だって、初めてのことなんだから、緊張してたんだよ。なにせ、神様自ら、きちんとするように、って言ってたらしいからな。おかげで、教会の人間がずっと殺気立って、お嬢さんを待ち構えているぜ」
「教会の人がいるんですか」
「もちろん。ここにも教会があるからな」
「ギルドの国、ですものね」
ギルドの人間は、信心深い人が多いと聞く。
だからこそ、あの国のギルドの人たちに裏切られたのは悲しかったな…。
ずっと私のお守りを使ってもらって、すっかり信用されていたと思っていたのに。
あの受付嬢の冷たい目を思い出して、胸が痛くなる。
父や祖父…それよりもっと前から、あの国でお守りを作り、みんなの幸せや健康を願ってきていたが、どうやらそれはこちらの一方通行だったらしい。
「よっぽどおかしなやつか、ごりごりの聖職者が来るかと思ったら、こんな女の子一人とおこちゃまとわんころだったんだから、こっちのほうが驚いたわ」
「まぁ。たしかに」
「しかも、どこから来るのかと思えば、裏門から来たと聞いた時は、驚いたぜ。あそこの森から飛び出してくるのは、魔物かこの国を狙う人間しかいないからな」
「それはすみませんでした。入口が分からなかったものですから。それも神託出せばよかったですね」
「…お嬢さん。神託出せるのか?もしかして、割と偉い人間だったりする?」
「あ」
普通の人間は、神託なんて出せない。
「や。冗談です。冗談」
「わっはっはっ!そうだよな。まるで、神様の知り合いみたいな口ぶりだから、一瞬、ひやっとしたぜ。そんな人間、教会にもいねぇわな!」
わっはっはっ!と笑っているギルドの人たちを見ながら、知り合いっちゃ、知り合いなんだよなぁ。まさか、神様が行き倒れていたなんて、信じてもらえるわけないけど。
52
お気に入りに追加
1,971
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??
シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。
何とかお姉様を救わなくては!
日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする!
小説家になろうで日間総合1位を取れました~
転載防止のためにこちらでも投稿します。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
王国冒険者の生活(修正版)
雪月透
ファンタジー
配達から薬草採取、はたまたモンスターの討伐と貼りだされる依頼。
雑用から戦いまでこなす冒険者業は、他の職に就けなかった、就かなかった者達の受け皿となっている。
そんな冒険者業に就き、王都での生活のため、いろんな依頼を受け、世界の流れの中を生きていく二人が中心の物語。
※以前に上げた話の誤字脱字をかなり修正し、話を追加した物になります。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる