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暴露大会に我慢できなくなったのか、真っ先に声を荒げたのは王子だった。

「もういいっ!うんざりだ!」
「王子!?」
「なんだ。みんなして。ソニアがせっかくお前たちに、この国の聖女としてもう一度チャンスを与えてくれると言っているのに。あいつらが悪いだの、こいつが悪いだの、お前たちは聖女としての自覚があるのかっ!?」
「ですが、王子…本当に私たちはこの人に命令されて」
「気に食わないのが、それだ。…もう終わったことだろう。ソニアが気を利かせて終わらせようとしてくれたことをずっと、ねちねち掘り起こて…何が言いたい?自分たちは、何も悪くない?だから、許せと?そして、この女だけを追い出してほしいとでも言いたいのか?」
「……」

気持ちはわかるような気がする。
この人たちが、ずっと我慢してきたのに、またもやこの人のせいで、自分たちだけが、損をしていると思っているのだろう。

「ほかの人に相談はしなかったのですか?」
「き、聞いてくださるかたが誰もいなかったのです。この方は、この国で、最年長の聖女でしたから。前任の方はみなさん辞めてしまわれましたし」
「だからといって、前任の人がこの国を出て行ったわけではないのでしょう?でしたら、相談することだって出来たはずでは?」
「そ、それが…この方とつながっておりまして…お金を渡す代わりに口出ししないと…」
「……」

うわあ…。
この国の聖女、たくさん人がいていいなぁって思ってたけど、こっちはこっちで大変みたいね。一人でやるのは、それはそれで味方がいなくて大変だったけど。

「それは本当か?」
「は、はい…」

王子も初耳だったらしい。
ずいぶんと驚いている。

「これは、きちんと話をする必要があるみたいですね。前任の方が生きているのでしたら、その方に結界を張るお手伝いとかは頼めないのでしょうか?」
「それが、…もう働きたくないとおっしゃって、…」
「悠々自適の年金生活ってわけね。そんなにご高齢の方なのかしら?」
「いえ。まだ40代くらいだったはずです」
「まだ働こうとすれば、働けるわね。子どもがいれば別だけど」
「いえ。お子様はいらっしゃりません。そう聞いております」
「王子…」
「前任の聖女は、もう彼女たちだけで回るといって自主退職したんだ。聖女を務めた人間には、国からの援助があるから、それで十分暮らしていける…」
「……ここからは、私の区分ではありませんし。私は、別にどこで働いてもかまいませんから、少しお話し合ってきたらいかがですか?彼女たちときちんと話をしたことないのでは?」
「…そうしてくる。ソニア。すまないが、少し待っていてくれるか?」
「はい」

この国を出るのは、もう少し先になりそうだな…。
まぁ、この国で暮らしてもいいかもしれないが、ほかの国も見に行きたいという気持ちはあるし…。
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