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あれから、一週間。
相変わらず、常に使用人や兵士の誰かしらが、そばにいるという状況に慣れない。

「聖女様。国民が、恵みの雨を降らせてほしいとの声が上がっています」
「…今、降らせましょうか?」

どうせ、暇だし。
そう思って、提示するも、大臣が、首を振って「そんなに簡単に降らせてはなりません」と言った。

「来週の日曜日にいたしましょう」
「…別に今でもいいのに」
「ありがたみがなくなってしまいます」
「そういうものですかねぇ」

ごろりと、ベッドに横になる。
大臣を押しのけるようにして、無理やり部屋に入って来た男がいた。

「ソニアッ」
「……」

布団をかぶって、声を無視する。

「王子。聖女様にあまり無理やり迫ってはなりませぬ」
「ソニア。今日は、素晴らしい朝だぞ。どうだ。散歩でもしないか」
「しません。王子とは絶対に」

隙あらば、手を握ったりなんなりしてくるのである。
スキンシップに慣れていない私としては、困る。

「ならば、お茶をしよう。おい、俺の分も用意しろ」
「はっ」
「……」
「今日も素晴らしいな。国の外は、安定している。兵士たちも魔物が減って、けがをすることは、稀になったし、瘴気もなくなったおかげで、農作物の被害も少なくなった。ソニア…君が来てくれて、この国は、とても平和になった。まさに君は、救世主。我が国の聖女だ」
「…どうも」
「今日も俺に顔を見せてくれないのかい?」
「迫ってこない。安易に手を握らない、触らない、を約束してくれるのであれば」
「わかった」
「……」

布団をかぶっていたせいで、髪の毛がぼさぼさなのだが、そんな姿を見ても「愛らしい!」と叫んでくるから、やりづらくて仕方ない。
王子の前に出る姿として、これほどひどい姿もないだろう。
しかし、私がこの国に来た当初、寝ている私のそばで、じっと王子が待っていたことがあった。その時以来、もう何も隠すものはないと、開き直ってしまったのである。

この国においても、聖女の階級は、王族と同等だそうだ。
私は、客人であるが、一応王子と、同じくらい、偉い立場にあると聞いた。
なので、私が王子と会いたくない、と布団の中に引きこもっても、誰も無理やり布団から剥がそうとしないし、その不作法を非難したりするものは、いない。

私が、ボスを倒すときに使った大魔法もあるらしい。
私に対して恐れを抱いている人間も少なからずいるようで、なにか言って、機嫌を損ねて、この国を出ていかれても困ると、腫物扱いをされている。
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