勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁

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2章

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この世界に連れてこられたのが、本当に神様のせいなら、なんてことをしてくれたんだ。
この国で崇められているのが女神様なんだったら、私のこの怒りとか悔しさが分かるはずでしょ!

「私を無理やり働かせようとしている女神なんて糞くらえよ!」
「なんて罰当たりな!」

一種の賭けだった。
本当に女神様とやらがいるなら、私を連れてきたのが、本当に女神様の意志だというなら、私を選んだのには、きっと理由があるはず…とその時は思った。
でなければ、とっくに成人を迎えている女を異世界の聖女として選ぶ理由が分からない。
それにずっと、私を見守るような気配を感じるのだ。
私が、男たちに強く言えるのは、それが理由なのかもしれない。
そんな万能感が今はある。
神官たちが、私の腕をつかみ、無理やり連れて行こうとする。

「そうでしょ!?女神様!あなたも私と同じ考えでしょう!?見てたんならわかるんでしょう?無理やり働かされた聖女たちの不幸に同情するなら、私をほかの子たちみたいなことにしたくないなら、女神様の奇跡を見せてよ!」
「何を言って……」

ーゴォォォォォッ!!!

それは、まるで女神が賛同したような音だった。
大地が揺れ始める。最初は、静かに。しかし、徐々に大きくなっていく。

「じ、地震……!?」
「ひっ!お、お前があんなことを言ったから、女神様がお怒りに」

天井からは、石灰岩の粉塵が舞い上がり、聖堂内に薄い霧が立ちこめていく。信者たちは、恐怖に打ち震え、足をもつれさせながら、あわてて外に逃げようとしている。
あまりの振動に私は立っていられない。
地震大国と呼ばれている日本ですら、こんなに大きな揺れは珍しい。

私を掴んでいた神官も逃げようとしていたが、すでに出入り口は倒壊してしまっている。
信者たちも私も聖堂内に閉じ込められてしまった。壁には、大きなひび割れが入り、石柱は揺れ動いている。
このままでは、建物に押しつぶされるのも時間の問題だ。
まさか本当に女神の怒りだとでも言うのだろうか。

カァァァァ!!!

巨大な音が鳴り響き、やがて、石柱がゆっくりと崩れ始めていく。信者たちは、絶叫しながら、床から生えた柱や壁にしがみつこうとしているが、徐々に、聖堂の建物は崩れ落ちていく。

壁が崩れ、埋もれていく様子が目の前で起こる。
天井が割れ、破片が信者たちの頭上に降り注ぎます。大きな柱は、信者たちの上に倒れそうに見えたが、すれすれで倒れていく。

大きな音が響く中、信者たちの叫び声が、聖堂内に響き渡っている。
どれくらいの時間が経っただろうか。
最後には、すべてが静まり返り、聖堂はすっかり瓦礫と化している。
驚くべきは、私を含め、信者の誰も犠牲になった人間がいなかったということだ。
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