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2章

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ずいぶんと天井が高い。

そのせいだろうか。周りの声がずいぶんと反響して響いて聞こえるのは。
天井には彫刻や絵が描かれている上に、窓はすべて大きなステンドガラスがはめ込まれているから、ずいぶんと美しく華やかだ。羽の生えた女性が、花嫁のような真っ白なヴェールとドレスを着ている女性を取り囲んでいる。
その花嫁のような女性が、この国では敬われているのか、その人らしき人物の抽象画やモチーフがずいぶんと多い。

まず、日本ではお目にかかることが難しい周囲を囲むような大きなステンドガラス。それはずいぶんと圧巻的だ。それに、ステンドガラスに描かれている絵もすべて女性だ。ステンドガラスは、聖書の場面や宗教的な象徴が描かれているイメージがあるから、これもそうなんだろうか。ステンドガラスに透かされた光は、床を虹色に照らし出している。その幻想的な光景は、私にとってなじみがないものだ。

そうやって見渡して、ふと気づく。
男性の姿らしきものが見えないのだ。
神官や魔法使いらしき人間たちは、全員男なのに。
それが奇妙と思えば、奇妙だった。
絵に描かれている子どもも、服装や髪型だけで判断するなら、女の子に見える。
ここまで徹底的に男性の姿がないのは、不思議な感じだ。

私が思い浮かべられるほど有名な宗教は、みな男性モチーフだったからだ。
日本の神様だって、男性、女性どちらもいる。

この世界の神様は、男性が嫌いなのか、それともほかに理由があるのだろうか。
宗教学もない私に、それらの考察は出来ない。
ただ、きれいだとしか感想が出てこないのは、仕方ない。

「ここで、アイデアロールが出来たらいいのになぁ…」

……なんて。
昔、学生の頃に見た動画のようにサイコロを振るだけで得られる情報があればいいのだけど。

そういえば、多くの蝋燭が灯されているが、蝋燭だけで、こんなにも明るく見えるものなのだろうか。蝋燭の炎は、たしかに幻想的な雰囲気を醸し出している。しかし、天井を見渡しても電灯らしきものは見当たらない。あるのは宗教画だけだ。
室内の明かりは蝋燭だけ……とかないよね?さすがに。
この場所だけ?それとも……。
分からない。なにも。
慣れないことに頭を使っていると、ずいぶんと疲れる。

「せっかく週末は婚活パーティーに行ってみようと思ったのになぁ」

どうして、こんなところにいるんだっけ。
と、ここに飛ばされる前のことを思い返してみた。
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