勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね？

1章

6

「お待たせしました…ってあれ？お客様…」

料理を持ってきてくれた店員は、ソレイユたちが急に席を立ち、出口に向かって歩き始める様子に、困惑した表情を浮かべた。何か問題があったのか、と店員たちは内心不安に思っているのだろう。
ソレイユに向かって「すみません。料理が遅くなって…怒ってしまいましたか？」と聞いてきた。
どうやら、お腹がすいて怒っていると勘違いしているらしい。
そうだったらどれほどいいか。
しかし、そうであったら、ずいぶんと子どもっぽいな。と思ってしまい。ぶふっと吹き出してしまった。
ソレイユは、私の顔に思いっきり眉をしかめると、「私たちのぶんはいらない。捨てといてくれないか」と吐き捨てるように言うと、出て行ってしまった。

「そんなもったいないことできるわけないじゃない」
「店員さん。ビールと私の分の料理だけおいて置いて、この人達の分は隣の人たちにあげてちょうだい」
「おいおいお嬢ちゃん。俺達はこんなの頼んでないぜ。お嬢ちゃんの頼んだ料理の代金を払うのもごめんだぜ？」
「おごりよ、おごり」

男たちは最初は不審そうな表情だったが、私が料理をおごったと知ると、「そいつはいい！」と笑い、豪快に食べ始めた。

料理を食べながら「ついでにそっちのビールももらってやってもいいぜ」と言ってきたので、無視して、「このビールは全部飲む」と叫び、ビールを飲みほした。
こんな時に酒も飲まずにやっていけるわけがない。