2 / 25
1章
2
しおりを挟む
オークの体は、たくましく筋骨隆々であり、筋肉の盛り上がりから、人間よりも凄まじいパワーを持っていることがうかがえる。瞳は、凶暴さが滲み出ており、それがオークの力を象徴しているようにも見える。オークは戦うことを愛し、自分が最強であることを示すことが何よりも大切だと思っているからだ。
「中ボスっていったところかしらね」
「オバさん!援護!」
―10代の娘から見たら、20代後半の女はみんなオバさんらしい。
いつものことだが、いちいち引っかかる。
オークは力強い足取りでパーティーに近づき、巨体を振り上げた。私は、オークの動きを見逃さぬよう、位置を調整しながら、みんなに攻撃力と敏捷性を上げる補助魔法をかける。
「はいはい…風よ、足を軽やかにし、敏捷性を高めたまえ。女神の加護よ、現れよ!仲間たちの力を引き出す聖なる光を与えたまえ。この地に聖なる力を注ぎ、仲間たちの攻撃力を高めん。ホーリーエンパワー!」
ガレスとソレイユがオークにとびかかった。
オークは、無鉄砲にとびかかる二人の隙を見逃さず、巨体に見合わない敏捷さで斧を振ろうとした瞬間に、
「邪悪なる者たちに、聖なる力を授けたまえ。この地に聖なる力を注ぎ、その武器に聖なる力を授けたまえ。女神の加護よ、現れよ! ホーリー!」
魔物にとって女神の加護はデバフ効果がある。その影響で斧が重くなったのだろう。オークは勢いを失ってしまった。二人はこの隙をつき、オークを攻撃することで、ようやく倒すことができた。
オークが崩れ落ちると、パーティーのメンバーたちはほっと息をついた。私は、微笑みを浮かべながら、「これで、今日もおいしいお酒が飲めるわね」と言った。
しかし、パーティーメンバーたちは無言でいた。彼らはふてくされた表情を浮かべ、私の言葉に反応しなかった。
これもいつものことだった。
彼らが自分に対して苛立ちを感じていることは、理解していた。しかし、私は自分の楽しみを優先することにした。なんでこんなに彼らがイラついているのか分からなかった。最初は、いちいち気にして「何か変なことしちゃった?」と聞いていたが、何の反応も返事もしてくれいので、今では私も無視することにしている。
「中ボスっていったところかしらね」
「オバさん!援護!」
―10代の娘から見たら、20代後半の女はみんなオバさんらしい。
いつものことだが、いちいち引っかかる。
オークは力強い足取りでパーティーに近づき、巨体を振り上げた。私は、オークの動きを見逃さぬよう、位置を調整しながら、みんなに攻撃力と敏捷性を上げる補助魔法をかける。
「はいはい…風よ、足を軽やかにし、敏捷性を高めたまえ。女神の加護よ、現れよ!仲間たちの力を引き出す聖なる光を与えたまえ。この地に聖なる力を注ぎ、仲間たちの攻撃力を高めん。ホーリーエンパワー!」
ガレスとソレイユがオークにとびかかった。
オークは、無鉄砲にとびかかる二人の隙を見逃さず、巨体に見合わない敏捷さで斧を振ろうとした瞬間に、
「邪悪なる者たちに、聖なる力を授けたまえ。この地に聖なる力を注ぎ、その武器に聖なる力を授けたまえ。女神の加護よ、現れよ! ホーリー!」
魔物にとって女神の加護はデバフ効果がある。その影響で斧が重くなったのだろう。オークは勢いを失ってしまった。二人はこの隙をつき、オークを攻撃することで、ようやく倒すことができた。
オークが崩れ落ちると、パーティーのメンバーたちはほっと息をついた。私は、微笑みを浮かべながら、「これで、今日もおいしいお酒が飲めるわね」と言った。
しかし、パーティーメンバーたちは無言でいた。彼らはふてくされた表情を浮かべ、私の言葉に反応しなかった。
これもいつものことだった。
彼らが自分に対して苛立ちを感じていることは、理解していた。しかし、私は自分の楽しみを優先することにした。なんでこんなに彼らがイラついているのか分からなかった。最初は、いちいち気にして「何か変なことしちゃった?」と聞いていたが、何の反応も返事もしてくれいので、今では私も無視することにしている。
343
お気に入りに追加
854
あなたにおすすめの小説

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています

姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】
小平ニコ
ファンタジー
幼少期から魔法の才能に溢れ、百年に一度の天才と呼ばれたリーリエル。だが、その才能を妬んだ姉により、無実の罪を着せられ、隣国へと追放されてしまう。
しかしリーリエルはくじけなかった。持ち前の根性と、常識を遥かに超えた魔法能力で、まともな建物すら存在しなかった隣国を、たちまちのうちに強国へと成長させる。
そして、リーリエルは戻って来た。
政治の実権を握り、やりたい放題の振る舞いで国を乱す姉を打ち倒すために……

「聖女はもう用済み」と言って私を追放した国は、今や崩壊寸前です。私が戻れば危機を救えるようですが、私はもう、二度と国には戻りません【完結】
小平ニコ
ファンタジー
聖女として、ずっと国の平和を守ってきたラスティーナ。だがある日、婚約者であるウルナイト王子に、「聖女とか、そういうのもういいんで、国から出てってもらえます?」と言われ、国を追放される。
これからは、ウルナイト王子が召喚術で呼び出した『魔獣』が国の守護をするので、ラスティーナはもう用済みとのことらしい。王も、重臣たちも、国民すらも、嘲りの笑みを浮かべるばかりで、誰もラスティーナを庇ってはくれなかった。
失意の中、ラスティーナは国を去り、隣国に移り住む。
無慈悲に追放されたことで、しばらくは人間不信気味だったラスティーナだが、優しい人たちと出会い、現在は、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日のこと。
ラスティーナは新聞の記事で、自分を追放した国が崩壊寸前であることを知る。
『自分が戻れば国を救えるかもしれない』と思うラスティーナだったが、新聞に書いてあった『ある情報』を読んだことで、国を救いたいという気持ちは、一気に無くなってしまう。
そしてラスティーナは、決別の言葉を、ハッキリと口にするのだった……

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~
銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。
少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。
ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。
陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。
その結果――?

聖女らしくないと言われ続けたので、国を出ようと思います
菜花
ファンタジー
ある日、スラムに近い孤児院で育ったメリッサは自分が聖女だと知らされる。喜んで王宮に行ったものの、平民出身の聖女は珍しく、また聖女の力が顕現するのも異常に遅れ、メリッサは偽者だという疑惑が蔓延する。しばらくして聖女の力が顕現して周囲も認めてくれたが……。メリッサの心にはわだかまりが残ることになった。カクヨムにも投稿中。


私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる