4 / 20
第一章 始まり
4 ダンジョンの探索
しおりを挟むいつものように畑仕事をすませ、鶏小屋にむかった。
小屋に入ると俺の目の前に一羽の鶏がきた。こいつ、今飛んでこなかったか?
鶏が『コケー』と一鳴きすると、いままで騒がしがった鶏たちが一瞬にして鳴き止んだ。23羽いる鶏すべてが俺をみている。
なんだ、これ。怖い。
特に、目の前の一羽の鶏。
なんで、こいつ、寝床から脱走、でてるの?俺をガン見、睨んでいるの?
しばし見つめあう、俺と鶏。
先に目をそらしたのは俺のほうだった。負けた気がする。
俺は隠し持っていたコップをそっと、置いた。鶏がものすごい勢いで飲み始めた。
すると、一斉に他の鶏が鳴き始めた。
うるせー。
しかも、寝床で羽をばたつかせ暴れている。
これは、一羽だけにあげたから抗議しているのか?
結局、あまりにも騒ぐので全部の鶏にスライム水をやった。
まあ水袋いっぱいあるからいいや。ダンジョン行ってスライム倒せばまた出てくるだろうし。
でもスライム水は本当に普通の水なのか、わからない。鶏が全滅したらどうしよう。
一抹の不安はあるが、まあ目の前に昨日飲んだ鶏が、元気で俺をつついているから大丈夫だろう。
「おい、おまえ、寝床に戻れよ。」
足蹴で対応しながら俺をつつく鶏にいってみた。すると、鶏は小屋の端に置いてある餌の袋を指差し、もとい羽差した。次は餌の要求をした。
周りを見ると、すべての鶏が餌の袋を羽差してた。そうだ、餌やるの忘れてた。
漫画みたい。
スライム水、もしかして普通の水ではないかも。
だってうちの鶏らが賢くなっている!!
次に牛の世話をしに行った。いつも通りなので癒された。
朝から精神的にかなり削られた。
昨日の持ち物に今日は腕と脚、胴体用のプロテクターをつけた。
それとちょっと高かったが、法律に違反しない最大の大きさのナイフを装備した。
『アマ〇〇』で買った。なんでも売っているし翌日配達さすがネット通販。
田舎だから二日かかったけど。
さて、ダンジョン探索に行こう。
ダンジョンに入り10分くらいしてようやくスライムに出会えた。
おお、新しいスライムだ。
なんとなく、水色より薄黄色に近い色をしている。こいつも突進攻撃をしてくる。
これをかわしながら一発で黒い核を攻撃、倒すことができるようになった。
やはり俺の俊敏さと攻撃力が上がっている気がする。
ドロップアイテムは、薄黄色の水袋。新しい、アイテムだ。
それをリュックにしまい先に進む。
しばらくすると、ピンク色の大きめなスライムが出た。
これも一撃で倒すと、ピンク色の水袋が残った。
その後10分くらいしてスライムが出てきた。
今度は、今までで一番大きな水色スライムだ。
なんと、でかスライムは、水攻撃をしてきた。
突進攻撃より早いがなんとかかわすことができた。
しかも、水攻撃の後の地面が少し溶けている。
これ酸か。エイリアンか!
何回か酸攻撃をかわしていくが、思うようにでかスライムに近づけない。
どうしたものかと考えていたら、でかスライムの酸攻撃がとまった。
よく見ると、少し縮んで、いやかなりスリムになっていた。
警戒しながらゆっくりと近づきスタンガンをあてる。
ぷるぷる震えていたが完全に止まった。
ナイフで動きの止まった黒い核を攻撃し、すかさずよけた。
ドロップしたのは、瓶と大きな青い魔石だった。
どうやら、普通のスライムは突進攻撃だが、でかスライムは回数制限がある酸攻撃をするようだ。
気をつけよう。
アイテムをしまい、また先に進む。
この先はまだ行っていない区域になる。
ほんと広いな。
さすがダンジョンどうなっているのだろう。
それから、いつもの水色スライムやたまに色違いスライムを倒しながらダンジョン探索をした。
そろそろリュックもいっぱいになったので戻ることにしたが。
いた、水色スライム。
俺はリュックから網をとりだした。
実は母親にスライムを見せるために生け取り用にと網を用意したのだ。
遊んでいるわけではなく、スライムを退治しているのを証明するために。
簡単に、水色スライムを捕獲できた。
スタンガンでおとなしくさせる。
フフフフ。これをみた母親の顔が楽しみだ。
家に戻りさすがに、スライムを見た母親は目を見開いたが・・・
世話できないのに、こんなもの拾ってきて駄目でしょう。
戻してきなさいと、また叱られた。
俺は小学生か!いや犬猫じゃなくスライムなんだけど・・・
しかたがない、核を壊して倒す。
すると、光の粒子となり消えたスライムと魔石がでてきたのには、さすがの母さんも手品みたいと驚いていた。
スライム見たときに驚いてよ、母さん。
新しいアイテムを調べよう。
薄黄色の水袋から、タッパに開けてみる。
袋が薄黄色で中身は透明だったが、臭いでわかる。
軽油だ。
次に濃ピンク色の水袋をタッパに開けてみる。
なんと、ピンク色をしていた。
これも臭いでわかる。ガソリンだ。
俺はこうして、ダンジョンを攻略し続けた。
10
お気に入りに追加
472
あなたにおすすめの小説
彼女たちの恋愛対象:シーズンⅡ
いちば なげのぶ
恋愛
シーズンⅡは2015年。
物語の構成上、東北6県の県庁所在地等が架空の名前です。
北東北3県⇒津刈(つかる)、北部(ほくぶ)、安西(あんざい)
南東北3県⇒刻文(こくぶん)、茂上(もがみ)、星那(ほしな)
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
世界樹を巡る旅
ゴロヒロ
ファンタジー
偶然にも事故に巻き込まれたハルトはその事故で勇者として転生をする者たちと共に異世界に向かう事になった
そこで会った女神から頼まれ世界樹の迷宮を攻略する事にするのだった
カクヨムでも投稿してます
英雄の息子
全幻庵
ファンタジー
帝国の圧政に苦しむ故郷・ベスルベルクを憂いたアルバンは、ゲリラを組織し、帝国との戦いに身を投じる。激しい戦いの末、彼らは帝国からの独立を果たす。アルバンは、「建国の英雄」として称えられた。
そんな独立戦争から、はや40年。戦いの日々は既に過去のものとなり、英雄たちは第一線を退いた。巧みな政治交渉で帝国との関係を修復したベスルベルクは、「トラビス」などの独自技術を背景に、「小さな大国」として大繁栄を遂げていた。
そんな「小さな大国」で、アルバンの養子として育てられたコーは、自然を愛する心優しき青年へと成長し、質素ながらも平和で幸せな日々を送っていた。しかし、とある事件をきっかけに、世界のすべてが歪み始める。
平和に見えた国に渦巻く陰謀を知ったコーは、ベスルベルクの真の姿を知り、私情と大義の間で揺れ動く。
「お前は、裏切り者を許せるか?」
※この物語は、法律・法令、倫理に反する行為を容認・推奨するものではありません。
最愛のオメガ
マツユキ
恋愛
自分の全てにコンプレックスを持っている華。そんな華はオメガだった。アルファが頂点にたつこの世界で、オメガはなにも出来ない者として認識されてきたが、それも昔の話。アルファとオメガは見目の整った者が多く、現代でオメガはアルファに次いで、羨望されている性となっていた。自分がオメガだと分かり、更にコンプレックスが刺激される華。
運命の番に憧れるアルファが、オメガであることを隠す華を溺愛し、華が受け入れるまでの物語
星の記憶
鳳聖院 雀羅
ファンタジー
宇宙の精神とは、そして星の意思とは…
日本神話 、北欧神話、ギリシャ神話、 エジプト神話、 旧新聖書創世記 など世界中の神話や伝承等を、融合させ、独特な世界観で、謎が謎を呼ぶSFファンタジーです
人類が抱える大きな課題と試練
【神】=【『人』】=【魔】 の複雑に絡み合う壮大なるギャラクシーファンタジーです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる