病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで

あだち

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第六章 サルヴァンテの魔術師

72 【六十年前】忠誠のゆくえ

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 国を守るのが魔術師ならば、彼らを守るのが騎士だった。
 中でも“カヴァリエリの騎士”と言えば、最も勇敢で忠誠心の篤い騎士と同義。主従の結びつきは、危機にも安寧にも揺るがなかった。

 騎士の頭目に、魔力の兆候が現れるときまでは。

 主は騎士に魔術を捨てさせようとした。
 結果、騎士は忠義を捨てた。数百年に及んだ主従関係は、あっけなく瓦解した。
 以来、三代に渡って、ペルラとカヴァリエリは互いにうとんじ合っている。


 ***


「お呼びでございますか、ベルナード様」

 紫煙が立ち上る執務室に、護衛騎士が現れる。
 若干二十二歳のぺルラ伯爵は座ったまま、その男を薄桃色の前髪のはざまから睨みあげた。煙草を持たない方の指でとんとん、と神経質そうに机を叩く。

「グレゴリオ、お前は俺に見せるべきものがあるだろう」

 殺気立った気配に怯むこともなく、黒髪の護衛騎士は、黙って懐に手を入れ、出したものをそこに置いた。
 置かれたそれを一瞥し、ベルナードの眉間のしわが深くなる。

「……おい、なんだこれは」

「最近あつらえたものです」

「知るか! こんなもん誰が見せろと言った!! 俺はレリカリオを出せと言ったんだ!!」

 ベルナードが拳を机に叩きつける。机上の書類が揺れ、置かれた懐中時計の鎖がチャリ、と金属音を立てた。

「白を切れると思うなよ、火事を消したときのお前の魔術、あれは魔力があるだけの素人ができる技じゃなかった! どう考えても魔術師のそれだ、分かるか、魔術師とは“レリカリオを持ち”、“魔術の教えを師から受けたもの”だ!! この際師なんて誰でもいいっ、問題はお前、どこで、誰からレリカリオを手に入れた!! よもや盗んだんではなかろうな!?」

 鉄砲水のような言葉に、グレゴリオ・カヴァリエリは眉一つ動かさず「いいえ」と返した。

「盗みなど。この剣に誓って、断じて」

 騎士が腰に提げた剣を一瞥したあと、ベルナードはまずそうに煙草を咥え、横に向かって煙を吐いた。

「お見せできるものはそちらのみ。大切な方から頂きましたゆえ、お返し願えますでしょうか」

 ガシャン、と床で音が鳴る。

「女の機嫌を取るのだけは一丁前なようで、俺も鼻が高いよ」

 ベルナードが荒々しく払い落とした懐中時計を、グレゴリオは黙って拾い上げ、もと仕舞ってあった内ポケットに戻した。

「魔術残滓は煙だか、霧だったか。後に残らないのは陰湿なバディーノ魔術の系統だな」

「……」

「これで真珠のひとつでも落としていたら、まだかわいげがあったものを」

「……あなた様が許さない以上、ぺルラ一族のどなたも教えを授けてはくれませぬ」

 低く這うような応えに、足を高く組んで椅子に深く掛けた伯爵の怒りが、じわじわと再燃し始めた。

「当たり前だよ。俺はお前を魔術師だなんて認めちゃいない」
 
「排水路の犠牲者のこと、お疑いですか」

 煙草を押し付けられた机がジュッと音を立てる。

「そうであれば論外だが、お前の場合はそれ以前の話だ。お前たちに求められる働きは護衛騎士のそれであって、ほかの何でもないだろうが」

 言うと、机を叩くように手をつき、ベルナードは立ち上がった。護衛騎士よりも頭一つ低い身長ながら、その全身からみなぎる激情は他者を圧倒し、屈服させるに足る力を持っていた。

「もちろん生まれに関わらず魔力が発現するのはありうることだ。それに対して主のすべきことは、無意識魔術を抑え込む精神訓練に付き合ってやることだけだ。それだって俺本人が手を煩わしてやったのは長い忠義に報いてやっての厚意だというのに、今度は実践的な魔術を教えろだと!? 思いあがるのも大概にしろ!!」

 苛烈な言葉と鋭い眼光を真正面から受けながら、それでもグレゴリオは表情を変えなかった。
 慣れていた。幼い頃から仕えた主の性格の激しさにも、――それに悠然と言葉を返すことにも。 

「何を恐れておいでですか、ベルナード様」

「なに?」

「生贄の力で得た“宮廷付き魔術師”の地位では、あなた様の自信にはなりえませぬか」

 そう言った騎士は、わずかに片頬さえ上げていた。
 主人の顔が青くなる。手の甲の血管が浮き上がり、指がこわばった。不気味な静けさの中で、ぴき、と窓にひびが入る音がした。

 従者の挑発ともいえる反応に、怒りが最高潮に達し――それが爆発する寸前で、ゆっくりと息を吐いた。彼もまた、騎士が時折する不遜な物言いに、望まずとも慣れていた。

「……記憶が飛んだか? あの骸が置かれた夜、俺はこの島にいなかった。留守を預かっていたお前ならわかると思ったが」

「あの哀れな被害者のことではありません」

 片眉を上げたベルナードに、グレゴリオが目を細める。
 冷静さで隠された瞳の奥に、冷ややかな怒りが根付いていた。

「魔術のことがわかるようになると、わからなかった頃とは見え方も変わって参ります。すべてを、あなたの言うとおりに信じることは、もうできませぬ」

 言い切る言葉尻に何かを察したのか、初めてベルナードの目に一筋の動揺が走った。騎士はそれを見逃さなかったというように、確信を持って言葉を続ける。

「あの骸ではなくとも。あなたは通常の、私やバディーノ侯が使うような魔力とは異なるものから、力を得ていらっしゃる」

 冷たい沈黙が部屋に落ちた。何百年と続く一族の、その頂点に立つ者たちが使ってきた執務室に。

「伯爵。ペルラ家とは、常に苛烈にして残酷でした。同胞から、憧憬と憎悪を同じだけ集めていらっしゃった。でもそれを補って余りある気高さが、ペルラ家の真髄でいらっしゃった。死をも恐れず、身を盾に戦うお方こそ、私たちの守る主でございました。それにひきかえ、今のあなた様はいかがです。誇り高きご先祖様方と、どのように相対するおつもりですか。“宮廷付きである”という上辺だけで、それがおできになりますか」

 ベルナードはそこでようやく、鼻で笑うことができた。嘲笑すら美しいと支持者からもてはやされた男にしては、いささかいびつな笑みだった。

「……先立った者からどう思われるかは、俺が死の床についてから考える。下らんことをとやかく言うな」

「いいえ申し上げます。たとえ今代を凌いでも、いずれどこかで報いを受けます。それがあなたとは限らない。まだ見ぬお子様やそのお子様かも――」

「黙れ!!」

 大きな音がして、執務机の椅子が蹴倒され、床から飛び出した黒い縄がグレゴリオの首へと巻き付いた。
 縄に強い力で下に引っ張られ、グレゴリオが膝をつく。俯いた顔を、机を乗り越えたベルナードが前髪を掴んで上げさせ、その苦悶の顔に指を突き付けて叫んだ。

「俺が先祖に顔向けできないことがあるとすれば、それはお前を調子づかせたことだ! 少し前まで諾々と俺に従っていたくせに、これだから魔術師になどしたくなかったんだ! 俺のやり方に意見するな、お前は俺の言うとおりに動いていればいいのだ、どちらかが死ぬまでずっとな!!」

 窓のひびが大きくなり、机の上の薬瓶が触れてもいないのにカタカタと震えた。
 獣のような荒い息遣いのベルナードと、険しい表情で奥歯を噛み締めたグレゴリオ。両者の視線が交錯してから、数秒。

 ベルナードが、ふ、と表情をやわらげ。

「お前が心配することなど――」

 その口から出た言葉を、グレゴリオの頑なな声が遮った。

「今のお言葉で、おいとまさせていただく決心が付きました」

 三度目の沈黙。
 ベルナードは、嵐の過ぎた後の庭のように、しばし呆けて騎士の顔を見つめた。
 その間に、グレゴリオの首に巻きついていた縄が、弾ける泡のように消える。
 二人の間に黒い靄が流れた。

「長きにわたる我らの忠義、今この時を持って終いとさせていただく」

 ぱん、と乾いた音を立てて、前髪を掴んでいた手が払われる。
 立ち上がるにつれて高い位置に上っていく騎士の顔を、ベルナードの目が追う。まだ何も言わない相手を前に、グレゴリオは淡々と言葉を紡いだ。

「すべてを打ち明けていただけるかと期待しました。改悛し、二度と過ちを繰り返さないと誓っていただけたなら、すべて元の通りに戻すつもりでした。魔術を忘れ、バディーノ侯爵に礼と別れの手紙を送り、あなたに生涯付き従うことができたら、それこそ騎士の本望でした」

 けれど、と続く声も眼差しも、迷いはない。

「そうでないなら、おそばに侍るのはもうこれまでです。真珠はくすみ、鯨は沈んだ。この剣は、もう誰のためにも振るわれない」

 剣がベルトごと床に落とされる。
 沈黙と、視線の交差は、先ほどとは全く異なる様相を呈していた。
 跪いていた者は見下ろす側となり、主“だった者”が言葉の意味を咀嚼するのを、ただじっと、冷ややかに、待っていた。

「……そうか」

 ぽつりと呟くベルナードの目には、怒りと憎しみが過ぎて、狂気に近づいたものが浮かんでいた。

「そういうことか、なるほど、なるほどな……。最初から、こうするつもりだったのだな。だからバディーノか、なるほど、なるほどな!!」

「ベル」

「名を呼ぶな、無礼者!!」

 投げられた灰皿を避ける。背後の扉に当たって悲劇的な音がした。

「ならばとっとと出ていくがいい、恩知らずの裏切者め! 騎士の本望? 結局、魔術師となって爵位を得るのが目的なんだろう、バディーノ候のもとで! 思いあがった素人め、身の程知らずな地位に手を伸ばして、それがいかな使命を負うかも知らないと見た!! 好きにやれ、どうとでもなれ、ただし死に場所には気をつけろよっ、俺が呪獣と間違えて踏んでしまわんとも限らんからな!!」

 まくし立てるその顔は真っ白だったが、青い目が言葉以上の強い感情をグレゴリオに突きつけていた。
 しかしグレゴリオは、何も言い返さない。

 そして、ベルナードがひとしきり怒鳴り終え、肩で息をする音だけの段階になると、そのままくるりと踵を返し、もと来た扉へと大股で戻り。

「――宮廷付き魔術師、就任の内定。おめでとうございます、ぺルラ伯爵」

「去れ!!」

 床の剣が鞘ごと投げつけられる一瞬前、扉が閉まる。出ていく者からの一礼はなかった。
 ベルナードは、その扉を睨みつけてしばらく息を整えていた。





 そうして、いつもより戻りの遅かった正常な心拍を確認すると、のろのろと机の上の薬瓶に手を伸ばす。頭痛薬だった。

「そうだ、その通りだ……。ぺルラは、死など恐れない。身を盾にしてでも戦うのだ。子も、孫も、力のある者もない者も」

 ささやき、薬を飲み、息を吐き、呼び鈴を鳴らす。

「……よくわかっているじゃないか、お前」

 執事が来るのを待つ。新たな護衛騎士を、急遽見つけて来いと命じる準備をして。



 ***



 訃報を聞いて、グレゴリオは一言「そうか」とだけ言った。

 そして、「一応お悔やみを贈るが、父上も何か言葉を添えるか」と聞いてくる息子に対し首を横に振り、かつての記憶をたどる。

『今度君たちが大げんかしたら、これが爆発するというわけ』

 優しそうな笑みで食えないことを言ったのは、当時のエルロマーニ公爵本人だった。
 グレゴリオは、手の中の懐中時計を親指で撫でる。

『もちろん今のは比喩さ。だけどそれくらいの覚悟を持って使ってくれたまえ、なにせ対ぺルラ家特攻呪具なのだから』
 
 もらったときから、磨き、手入れを続けたが、やはり年月とともに物質の衰えを帯びてきていた。
 けれど、直しには出せない。
 けして、肌身離してはいけないから。

『このレリカリオはぺルラの大魔術を取り消すことができる。時間をさかのぼるのと同じ効力だから、時計の仕組みに落とし込んでみたよ』

 なぜそんなものを欲しがるのか、と聞いてきたのは一度きりだった。
 答えられなかった自分に、公爵は『まぁいい。所詮他家の問題だし』と流した。
 自信があるのだろう。たとえベルナードがこのレリカリオに施された細工で苦境に陥っても、それをひっくり返せるだけの力が、自分たち公爵家にはあると。
 彼らの大魔術の効力をグレゴリオは知らなかった。けれど、当主の鷹揚さが、その威力の裏打ちに思えて仕方なかった。

 もしくは、いざとなったら、足手まといは切り捨てる気でいるのか。
 胸に過ぎった不安を無視する。今さらだ。かの家が、この公爵一族と本当に対等な関係でいられるのかと疑うのは、もう無駄なことだ。
 だが、公爵が肩を竦めながら続けた言葉で、グレゴリオは少し戸惑った。

『こんなの、私が君に渡したってばれたらベルナードに決闘状叩きつけられるだろうから、ほんと慎重に扱ってくれ。裏切り者なんて言われたらへこむ』

『……なぜ、そうまでして、依頼を受けてくださったのですか。しかもご当主であられるあなた本人が』

が同盟者だからだよ』

 油断ならないと思った直後に、曇りのない瞳で言い切られる。

『カヴァリエリの騎士がペルラのためにやることなら、きっと彼のためになるんだろうよ』

 当然のことのように言われて、グレゴリオは次の言葉を繰り出すのに少しの時間を要した。
 
『……確認なのですが、これは大魔術の源である魔力を術者に戻すのでしたよね。もし、大魔術が生贄によって引き起こされたのであれば』

『犠牲になったものが戻る。ただし、少しだけね。生贄からひとこと別れの挨拶を聞くくらい。だから効果的に使うなら、主人のそばを離れるべきじゃないよ』

 最後の言葉に、グレゴリオの肝が冷えた。

 もしかしてどこかですべてのぞき見されていたか、心でも読まれているのだろうか。そう相手が震撼したのも意に介さず、公爵は微笑んだ。

『別れの挨拶を遺言くらいに伸ばしたいなら、チェステ家と組むといい。“奇跡の一族”の回復術は伊達じゃないらしいから』

『……バディーノ家と組むのは』

『その事実だけでベルナードを憤死させられる』

 大真面目な顔で言われたが、さすがに憤死はしなかった。

(晩年は、ずいぶんもの静かになったと聞く)

 グレゴリオはバディーノ侯爵に庇護されてからもずっと、かつての主人の動向を見張っていた。
 あの日以来、生贄術の被害者らしき骸は出ていない。優秀な他の宮廷付き魔術師たちから、糾弾されたとも聞かない。

 自前の魔力だけでは補えるはずない魔術も成功させたと聞くのに。

 グレゴリオが目を光らせているのを、警戒していたのか。
 そうであったらいいが、もう確認するすべはない。“もしかして、生贄はあなた自身だったのか”などと、半信半疑から年々色濃くなっていった疑念を確認することはついぞできなかった。この訃報が天寿であることを祈るばかりだ。

 とにかく、老後穏やかになって、過去の過ちを正してくれたならいい。あれだけ生贄術の研究に熱心だった男が、その時間を孫の教育に振り替えたというのだから――。

(……孫?)

 そのとき、グレゴリオの胸に“まさか”という思いが去来した。

「……ロドリゴ」

 名を呼ばれ、息子が顔を上げる。

「私のレリカリオは、死後はロレンツィオに使わせなさい」 

 ロドリゴは、病の床に臥す父の言葉に目を丸くした。

「あれは自分以外には絶対使わせないと言ってたのにか」

「いいから。あの小僧には才がある。おまえより、そして私より」

 そしてグレゴリオは、病人とは思えない光を目に宿して、自分の死後のことを息子に話して託した。
 ロレンツィオを、宮廷の中枢まで上り詰められるよう育てろと。ぺルラ家から目を離させるなと。

 そのそばを、けして離れるな、と。
 
 
 ***


 数百年に及んだ主従関係は、あっけなく瓦解した。
 以来、三代に渡って、ペルラとカヴァリエリは互いに疎んじ合っている。


 守るものを、変えないまま。





 
 それから時が経ち、嵐の過ぎた運河の底で。

 金色の懐中時計が、震えた。

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