塀のうちの字余り

蕚ぎん恋

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—歌—

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 いつもの如く、裸の玲子君が、今世紀最大の勢いで俺に迫ってくる。
 これはズルい、俺の決意が、旅の決意が鈍るじゃないか。
 彼女とここで結婚したって、結局俺たちは元の世界に戻らないければいけないし、エラーノリターンを達成するという目標があるわけだから。
 
 、、、なのに、このボリューム!

 これで手を出さないなんて、もはや拷問だよ!
 シズも、本当に寝てしまったんだな、こんな状況でも何も言ってこない。

「なにを、かんがえているんですか~、もっと、わたしを、みてください」

 玲子君が俺の顔を両手で強引に正面に向ける。
 近い!、近いって、玲子君、顔が近いよ!

 、、、、でもって、急に無口になるな、そんなに真剣に、俺を見るな!
 ああ、、もう、、恥ずかしいい。
 きっと、レイプされる女性の気持ちって、こんなんかな?。
 そんなこと、言っている場合じゃない、このままじゃ、本当に、、、、っちゃうよ!

 そんな時、薄暗い部屋の中でも、彼女の表情が曇るのが解った。
 
 そして、もの凄い勢いでベッドを飛び出すと、洗面室の方へすっ飛んでいった。
 え、、何、、ご懐妊でもされましたか玲子君。
 ってか、俺、何もしてないから、まだ、ご懐妊するようなこと、してませんから!

 、、、ああ、気持ち悪かったのね、そりゃそうだ、、、、って、俺も人の事が言えないな、、気持ち悪いわ。


 
 朝が来た。

 

 清々しい、、とはいかないが、俺は彼女を守り切った、色んな意味で。
 昨晩は相当呑んだんだろう、トイレで吐いて、凄かったな、玲子君。
 いつもはあんなに真面目な女性が、こんな風に弱い所を見せると、なんだか逆に保護欲がそそられるんだよな、、、俺は変態なのか?
 俺自身も、かなり気持ち悪かったが、彼女の事を朝日が上がるまで介抱していたんだ。
 トイレで苦しそうにしている彼女にガウンを掛け、しばらく近くにいた。
 そうこうしているうちに、彼女はベッドに戻って、すっかり寝てしまった。

 もちろん俺は、、、起きてました。

 今更、同じベッドには寝られないしなあ。
 


 広間には、もうみんな集まっているのかと思いきや、誰もいない。 
 、、、さすがに今日くらい朝寝坊してもいいよな、大戦果の翌日なんて、こんなもんだろう、、、知らないけど。

 そんな時だった。
 俺に気さくに声をかけて来る女性がいた、、、、、女性?
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