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優しい同僚?(社会人、アダルト表現有り)
しおりを挟むこれはどう言う事態だ?
朝、見知らぬ部屋で目が覚めた。
そして、同僚と同じ布団で包まっている。
互いに一糸纏わぬ姿で。
セーフ?
アウト?
うん、腹部に残る違和感からアウトだと考えられる。
何がどうしてこうなった?
状態把握に脳が追いついて来ない中、もう一人の当事者が起床し、目があった。
「おはよ、翡翠さん」
「お、はよう、ございます、佐伯君」
同僚の佐伯君は、お寝ぼけのまま、暖を取るかの様に、私をギュッと抱きしめて来た。
何度も言うが、衣は何一つ身に付けていない。
取り敢えず冷静に話をしよう。
「あの、佐伯君、これは一体どういう状況で、ここは何処でしょうか?」
「ここは俺の部屋です。状況は見たまんまですね」
「・・・経緯を教えて」
「翡翠さん、昨日、会議時間を伝達ミスしたのは覚えてます?」
「はい、そうですね、大変ご迷惑をお掛けしました」
「いえいえ、14時と4時は間違い易いですからね」
「佐伯君、やさしい」
「そもそも内輪の会議だったので、そこまで翡翠さんが落ち込む事ないんですよ」
「私を甘やかさないで下さい、もしこれが取引先との打ち合わせやリモート時間を間違えて伝達したかもと考えると・・・そしてその二時間の差で先方の怒りを買い、今後の関係に支障が出てたかもと思うと私は。もういっその事、有給使って、冷たい滝に打たれて集中力強化して来ます」
「滝行なら、俺も是非ご一緒させて頂きたいですね。でもそういう、もしものネガティブ思考も、昨日、散々聞かせて貰いましたよ、酒の席で」
なんか、思い出して来た。
落ち込んでいる私を見かねてか、佐伯君が飲みに誘ってくれたんだっけ。
そして・・・うん、全部の記憶が復活しました。
「あの、とんだ失態をやらかしてしまった様で、出来れば、お忘れ頂ければと・・・」
「それは難しいな。俺的には、普段、仕事熱心な翡翠さんに甘えられて役得でしかないですよ。でも、これからはあんなに意識が飛んじゃう程、飲む事はしないで下さいね。俺みたいにお持ち帰りされちゃいますよ」
「そもそも、何で佐伯君は持ち帰っちゃうですか?酔っ払い相手の言行動など、聞き流して頂かないと」
「慰めてって、潤む瞳で懇願されたら『待て』なんて出来ませんよ。ご存知の通り、俺は翡翠さん大好き何ですから」
「ライクの方でしょ?」
「ラブも含みます」
「知らなかった」
「でしょうね」
それより、さっきから太腿に当たる硬い物が気になるのだが・・・。
「翡翠さん、昨夜の復習しませんか?」
「しません。それより離れて、当たってるから」
そう言えば私、昨夜、彼にトロトロに溶かされながら、本音を思いっきり暴露してしまったーーーー「愛してる」「大好き」を幾度となくと。
でも酒の勢いみたいな物だし、夜の営みで出た言葉なんて、彼も本気にはしないでしょ。
「俺も翡翠さんの事、愛してますよ。両思い嬉しい。婚姻届、いつ出しに行きましょうか?」
「話をグイグイ進めるのは止めようか。取り敢えず、シャワー借りても良い?」
「また汗かくのに?」
了
翡翠さんも佐伯君も、冷静沈着な性格。
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