勇者、英雄、魔王、ダンジョンマスター、商人、領主。これらの共通点を述べよ。――全部俺がこなしてきた職業だな。~勘違いする最強たちは?~

 勇者として異世界に召喚された和田修平。彼が受け取ったのはポンコツなナビゲートスキルのみ。
 ――安心してください、最強ですから。
 何と修平は、過去に幾度となく異世界召喚をされた体験があり、その時に授かった力がまとめて使えてしまったのだから。

 ゆえに彼は、最初からこの世界で最強の存在であった。
 そんな主人公がとった行動は……なんと任務放棄。
 役目を達成しても、また新たな世界に召喚されるだけだと。
 経験則からそう結論づけたのである。――無理もないだろう。

 共に召喚された、一人の少女のサポートを務めます。

 ――なんてことだろう。その少女もまた絶大な力を誇っていた。
 名を麗奈といい、彼女もまた過去に勇者として召喚された経験を持っていた。
 
 勇者として、魔王として、麗奈と修平はお互いに死闘を繰り広げた存在だ。

 その戦いは……麗奈の勝利に終わる。されど、彼女は同時に後悔も抱いていた。魔王(修平)は、自分が死んで全てが片付くように画策していたことに気付いたからだ。

 だからなのか、この世界では自分も誰かの引き立て役に回ろうと――影に徹する決意をしていた。その対象に抜擢されたのが、他でもない修平である。

 話題の矛先は主人公に戻る。
 修平は田尾図べき存在である、魔王にも選ばれてしまったのだ。
 自分が魔王として召喚されたのは、勇者の任務を放棄したからだ……と魔王の座に着いた。

 安心しきっていた。
 ダンジョンマスター含め、諸々の役職をこなさなければいけない状況に陥ってしまう。

 もうてんやわんや。
 二人は互いの正体に気付くのか?
 彼は召喚ラッシュを抑え込めるのか?

 ――奮闘します。

 勘違い、ギャグ・コメディー要素強めでお送りいたします。
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