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第1話〜普通の高校生活が過ごせるとでも思ってる?〜
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4月8日
卯月麻也は今日から高校生。
自室で入学式へ向かう支度をしていた。
制服をダンボールの中から取り出す。
制服が届いてから一度も着ていないし、見てすらいなかったため、ダンボールはガムテープですしっかり封がされている。
ガムテープを一気に剥がし中から制服を取り出す。
しかし、中に入っていたのは女子の制服。
セーラー服にスカート。
「なんだこれ?」
何かの間違いだろうか、この現状に思わずぼそっと声が出てしまった。
しかし、考えている暇はない。
朝ごはんをゆっくり食べすぎたため、もう時間がないのだ。
仕方なく女子の制服を着ることにした。
スカートは履くだけで簡単だったが、セーラー服には少し手間取った。
一応、鏡で服装が乱れていないか確認しておく。大丈夫そうだ。
スクールバッグにスマホや財布を入れ、肩に掛ける。
そうして自室を出て、階段を降り、玄関へ向かい靴を履く。
「いってきま~す」
そう一言リビングに向けて言ってから足早に家を出た。
これから三年間通う高校は「桜花高校」その桜花高校は普通科にしては珍しい全寮制だ。
別に、今の家から離れたくて桜花高校を選んだわけではない。
なんなら、高校選択関して何も決めていなかった。
そんな時に突然、桜花高校から推薦状が届いた。
だから桜花高校に通うことにした。
そのため桜花高校の特色などについて全く知識がない。
家を出て駅へ向かい、電車に乗る。
降りる駅は「桜花高校前駅」
なんとも分かりやすくてありがたい駅名。
電車を乗ってからは数駅で着いた。
電車を降り、改札を通ると桜花高校の入学式に参加するであろう人がたくさんいた。
その人たちの流れに乗って会場へ向かう。
駅名のとおり、駅から高校まで時間はかからずに着いた。
開かれた正門を通り敷地内に入る。
「ご入学おめでとうございます」
正門を通ってから様々な人に軽い祝辞をされる。
この中にご入学おめでとうございますbotは何人いるのだろうか。
少なくとも、あそこにいる長髪の女性は目が死んでいるので、多分そうだろう。
そんなことを考えながら、人の流れに乗り、案内されるがままに会場へ着いた。
座って入学式が始まるのを待っていると、
「あ、あぁ...あの!」
隣の席に座っている、いかにもテンパっている女の子に声をかけられた。
声をかけたのはそっちなのになぜテンパっているのだろうか。
「ん?」
これ以上テンパらせないように優しく聞き返す。
「え、えーと...何年生ですか?」
「いや、入学式に参加してるんだから一年生でしょ」
意図のわからない質問に思わずツッコミを入れてしまった。
「あぁ、確かに...私、新学期で緊張してて、誰かと顔見知りになっておきたいなと思って声をかけたんですけど、変な質問しちゃいました...」
なるほどそういうことか、そういうことなら自分からも話を振った方がいいのだろうか。
「それにしてもこの高校、女子多いよね」
高校の敷地内に入ってから女子を見ていない。見たのは先生らしき男性だけだ。
思ったことを言った。
するとその女の子は怪訝な顔を浮かべた。
「えっ?...あなたもしかして男の子なの?」
女の子にジロジロと顔を見られる。
どういうことなのか、色々と聞きたかったが、ちょうど入学式が始まったので、気まずい空気のまま会話が終わった。
入学式は至って普通だった。
式中は隣の女の子を含め、会話を盗み聞きしていたであろう人たちからチラチラ見られている気がした。
入学式が終わると、これもまた案内されるがままに会場を後にする。
「ちょっと君」
会場の出口を出たあたりで、先生らしき女性に声をかけられた。
「校長室まで来てもらえるか」
「はい...」
二つ返事でそう答える。
先生らしき女性は無言で頷き、からだの向きを変え、歩き始める。
自分はそれについて行く。
「申し訳ない」
校長室に入ると、校長先生が開口一番に謝罪をした。
「こちらの手違いで君に推薦状を送ってしまい、そのまま入学の手続きをしてしまった」
それに何が問題なのだろうか。
疑問に思っていると、再び校長先生が口を開き、
「桜花高校は女子校なのだ」
単刀直入にそう言った。
「えっ...!?」
卯月麻也は今日から高校生。
自室で入学式へ向かう支度をしていた。
制服をダンボールの中から取り出す。
制服が届いてから一度も着ていないし、見てすらいなかったため、ダンボールはガムテープですしっかり封がされている。
ガムテープを一気に剥がし中から制服を取り出す。
しかし、中に入っていたのは女子の制服。
セーラー服にスカート。
「なんだこれ?」
何かの間違いだろうか、この現状に思わずぼそっと声が出てしまった。
しかし、考えている暇はない。
朝ごはんをゆっくり食べすぎたため、もう時間がないのだ。
仕方なく女子の制服を着ることにした。
スカートは履くだけで簡単だったが、セーラー服には少し手間取った。
一応、鏡で服装が乱れていないか確認しておく。大丈夫そうだ。
スクールバッグにスマホや財布を入れ、肩に掛ける。
そうして自室を出て、階段を降り、玄関へ向かい靴を履く。
「いってきま~す」
そう一言リビングに向けて言ってから足早に家を出た。
これから三年間通う高校は「桜花高校」その桜花高校は普通科にしては珍しい全寮制だ。
別に、今の家から離れたくて桜花高校を選んだわけではない。
なんなら、高校選択関して何も決めていなかった。
そんな時に突然、桜花高校から推薦状が届いた。
だから桜花高校に通うことにした。
そのため桜花高校の特色などについて全く知識がない。
家を出て駅へ向かい、電車に乗る。
降りる駅は「桜花高校前駅」
なんとも分かりやすくてありがたい駅名。
電車を乗ってからは数駅で着いた。
電車を降り、改札を通ると桜花高校の入学式に参加するであろう人がたくさんいた。
その人たちの流れに乗って会場へ向かう。
駅名のとおり、駅から高校まで時間はかからずに着いた。
開かれた正門を通り敷地内に入る。
「ご入学おめでとうございます」
正門を通ってから様々な人に軽い祝辞をされる。
この中にご入学おめでとうございますbotは何人いるのだろうか。
少なくとも、あそこにいる長髪の女性は目が死んでいるので、多分そうだろう。
そんなことを考えながら、人の流れに乗り、案内されるがままに会場へ着いた。
座って入学式が始まるのを待っていると、
「あ、あぁ...あの!」
隣の席に座っている、いかにもテンパっている女の子に声をかけられた。
声をかけたのはそっちなのになぜテンパっているのだろうか。
「ん?」
これ以上テンパらせないように優しく聞き返す。
「え、えーと...何年生ですか?」
「いや、入学式に参加してるんだから一年生でしょ」
意図のわからない質問に思わずツッコミを入れてしまった。
「あぁ、確かに...私、新学期で緊張してて、誰かと顔見知りになっておきたいなと思って声をかけたんですけど、変な質問しちゃいました...」
なるほどそういうことか、そういうことなら自分からも話を振った方がいいのだろうか。
「それにしてもこの高校、女子多いよね」
高校の敷地内に入ってから女子を見ていない。見たのは先生らしき男性だけだ。
思ったことを言った。
するとその女の子は怪訝な顔を浮かべた。
「えっ?...あなたもしかして男の子なの?」
女の子にジロジロと顔を見られる。
どういうことなのか、色々と聞きたかったが、ちょうど入学式が始まったので、気まずい空気のまま会話が終わった。
入学式は至って普通だった。
式中は隣の女の子を含め、会話を盗み聞きしていたであろう人たちからチラチラ見られている気がした。
入学式が終わると、これもまた案内されるがままに会場を後にする。
「ちょっと君」
会場の出口を出たあたりで、先生らしき女性に声をかけられた。
「校長室まで来てもらえるか」
「はい...」
二つ返事でそう答える。
先生らしき女性は無言で頷き、からだの向きを変え、歩き始める。
自分はそれについて行く。
「申し訳ない」
校長室に入ると、校長先生が開口一番に謝罪をした。
「こちらの手違いで君に推薦状を送ってしまい、そのまま入学の手続きをしてしまった」
それに何が問題なのだろうか。
疑問に思っていると、再び校長先生が口を開き、
「桜花高校は女子校なのだ」
単刀直入にそう言った。
「えっ...!?」
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