III person Diary 儀式殺人事件の謎&追求&真実

番外編

episode2「事件後……」

事件は終わった、全て予言通りに。

そう、この事件は全て予期されていた。新生天音孤児''特Z者製造計画により誕生した究極の存在、中藤怜恩……全ての歯車はここからずれたのだ。

奴は井上清作の実験で能力を開花させられたモルモットの一人だった。皆あの地震でマガジンを装填され、あの忌々しい実験でトリガーを引かれた。そして当然のごとく弾丸は発射された。四人の内三人は真っ直ぐ通り何の揺らぎもなかった、しかし中藤だけ軌道を変えたのだ。

結論彼らが得た力。それは大したものではなかった、能力のいうのも躊躇われるような些細な力。多重人格者に域を越えてしまった強欲、何も得られなかったもの、皆それぞれだ。

だが彼が得た力は予言だ。研究員全員はただ小説を書けるやつとしか思っていなかったであろう。でも違うのだ。私な気づいてしまった、彼は5w1hに沿ったストーリーを書いているのではない。彼はその5w1hに沿った未来の出来事を想定しているのではないかと。

井上氏が逃走した本当の理由、それは中藤が最初に書いた作品。タイトルは''Ⅲ person diary''ここにはのちに起こった、洽崎館猟奇儀式殺人事件のこと、中藤の死、彼の死を隠蔽するための影武者、それが忠実に書き出されていた。井上氏の名前も出ていた、しかも彼は死ぬことが書かれていた。井上氏が逃走した理由はここにあるのだろう。

そして本当に洽崎館猟奇儀式殺人事件は起き、井上氏は死んだ。私は確信した、彼は本当に予言者であったことに。