YAMASAKIは今日も××だった~楽園16~

志賀雅基

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第44話(BL特有シーン・回避可)

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 潤んだ若草色の瞳がシドを見上げた。枕元に腰掛けてシドはストレートに囁く。

「なあ、ハイファ……ヤラせろよ」

 細い手首を取るとその指をいきなり口に含んだ。温かく柔らかな舌に包まれ、ねぶられた指から流れ込む、ごく官能的な感触にハイファはもう逆らえない。綿のシャツのボタンを三つも外した襟元から覗く象牙色の肌が酷くそそった。

「ん……シド、僕も欲しかったよ」
「そうか」

 指を解放したシドはベッドに上がり、細い身に跨るとジャケットのボタンを丁寧に外し始めた。ドレスシャツの前もはだけ、ショルダーバンドの執銃も解いて袖を抜かせる。

 ベルトを緩められるときにハイファは僅かに身を捩らせたが、構わず下着ごとスラックスも引き剥がした。すっかり生まれたままの姿にさせて、眩く輝くような白い裸身を眺める。

「ハイファ……お前、メチャメチャ綺麗だな」
「そんな、僕だけ……んっ、シド、恥ずかしいよ」

 既にハイファの躰の中心は勃ち上がり、透明の蜜を零していた。

 羞恥に身を捩る白い肌は妖しいまでの色気を感じさせ、シドは堪らなくなって自分も全てを脱ぎ捨てる。躰を重ねて象牙色の肌を擦り付けながらキスを奪った。
 互いに積極的に舌を絡め合い、唾液をせがんでは飲み干し合う。

「んんぅ……んん、ん……はあっ、シド」
「ハイファ、今すぐにでもねじ込んで犯してぇよ」
「いいよ、シド……貴方の好きにして」

 うねるしなやかな躰に己を擦りつけながら、シドは薄い肩から華奢な鎖骨を通り、首すじまでのラインを幾度も舐めねぶった。
 白い肌をきつく吸い上げては、自分の証しを赤く刻みつけてゆく。衣服を身に着けても見えてしまいそうな処にまで穿ちながら、ハイファの躰を余す処なくまさぐり撫で上げた。

 掌に吸い付くような、きめの細かい肌の感触を堪能する。

「貴方、怪我は……あっふ……大丈夫?」
「ああ、何でもねぇよ」

 だがハイファはシドの『何でもない』を鵜呑みにはしない。ほんの少しだけ顔色が白いことには、とっくに気付いていた。でもこれくらいは許容範囲内、あとは防水のガーゼを指先でチェックし、一昨日撃たれた胸のアザにも指を這わせてゆく。

 優しく少し冷たい指の感触がなまめかしく、シドは思わず喉の奥で呻いた。

「んっ……く……ああっ、ハイファ」
「どうしたの、最近本当に感じやすいね、シド」
「いつも我慢してるからだ……お前が欲しくて――」

 見下ろしてくる切れ長の目が情欲に潤んでいる。ハイファは愛し人がもう暴発寸前なのを知りつつ甘い声をもっと聞きたくて身を揺らした。
 互いの下腹に当たった成長しきったもの同士が擦れ甘く痛んで蜜が濡れ混じる。シドは端正な顔を僅か歪めた。

「うっ、く……ンなにすると保たねぇぞ」
「だめだよ。僕の中でしか、いかせないんだから」
「じゃあ、もうさ――」

 素早くシドは自分の右手指を口に含んで、たっぷりの唾液で濡らす。ハイファの膝を開かせると、露わになった淡い色づきをその指で嬲った。一本目の指を挿入する。
 
 欲望に対して素直になった白い躰がしなり、細い腰を浮かせた。そんな仕草が胸を焦がすほどに愛しく、シドは何処までも快感を与えてやりたい思いで、するすると奥まで指を届かせる。

「ああっ、そこ……シド、はぁん、ああんっ!」

 甘い声がシドの指の動きを激しくさせた。ハイファ自身よりハイファを知った指を、シドはまるで楽器でも演奏するかのように蠢かせ、激しく、だが繊細にポイントを攻め立てる。

「ここも、こっちも……ほら、もっと声、聴かせろよ」
「そこ、いい……あっ、ん……はうんっ!」

 本当に欲しかったのだろう、高いトーンで声を響かせながらハイファも奔放に乱れた。そんな淫らな姿態を晒しながらも、白い躰は美しかった。シーツに零れた月光のような毛先まで汚し、犯し尽くし征服してしまいたい思いにシドは囚われる。

 蜜を溢れさせた己のものは、もう張り裂けんばかりに昂ぶっていた。

「ハイファ、もう俺、我慢できねぇかも」
「いい、シド、貴方の好きにしていいって言った……あっふ!」
「そうか……チクショウ、俺を、俺をこんなにしやがって――」

 狭い窄まりをシドは性急に増やした指で馴らし始める。傷つけたくはない。だが上気して桜色に染まった細い躰が数指を咥え込んでいる様子は、シドに痛いような疼きを溜めさせた。
 悶える躰の中で指をバラバラに動かして嬲る。ハイファは一際高く甘く鳴いた。

「ああん、いや、あ……そんな……シド!」
「このままこれでいくか?」
「だめ……シドと一緒がいい……はぁんっ!」

 もう本当に我慢も限界だった。シドは全ての指を抜く。快感を追って揺らめいた腰の動きに一層愛しさを募らせながら、シドは己のに手を添えてそこにあてがった。溢れた蜜を塗り込めるように動かしたのち、僅かに切っ先を食い込ませる。

「シド、すごく硬い……太いよ」
「入れるぞ。ハイファ、我慢してくれ――」
「んっ、きて……あっ、あっ……ああんっ!」

 思い切り突き立てて引き裂いてしまわぬよう、シドは自分を抑えに抑えてゆっくりと腰を進めた。それでもハイファは幾度も悲鳴のような高い声を上げる。膝を立てた細い脚を更に大きく押し広げさせながらシドは止められない動きで白い躰を貫いた。

 酷く苦しげなハイファは固く目を瞑り、若草色の瞳を見せない。

「すまん、お前をこんなにして……苦しいよな?」
「苦し、でも……嬉しい……んっ、ああっ!」

 僅かに腰を揺らしただけでハイファは反応し、締めつけられてシドも急激に昂ぶった。温かく、柔らかくもきついハイファに包まれて、シドは何度も深い呼吸を繰り返して昂ぶりをやりすごす。そうしているうちに若草色の瞳が覗いた。潤んだ目でハイファは見上げる。

 酔いも手伝ってか、ハイファの目にも溢れ出しそうな情欲が湛えられていた。

「シド……何だか僕、もう、いっちゃいそうなんだけど」
「いっていい、いくとこ見せてくれよ」
「貴方と……っん、一緒がいいのに……あっ、ああんっ!」
「いいから我慢するなよ……ほら――」

 のしかかるようにして腰を引き、シドは己を引き出す。繋がりが解けてしまう寸前でグイと突き上げた。シドもまさかと思ったが、それだけでハイファは熱く硬い先端から欲望を弾けさせる。シドの顔に掛かるほど、激しい勢いで熱は迸った。

「あっふ、シド、シド……はぁんっ!」
「ハイファ、お前……そんなに欲しかったのか」
「っん……先に、ごめんね。でも……もっといきたいよ――」
「そんな顔しやがって……思い切りいかせてやる。本当に覚悟しとけよな!」

 ぐったりと力の抜けたハイファをシドは揺らし始める。初めから激しく突き立て、掻き回しては切っ先で内襞を抉った。傷つけてしまうかも知れないと頭を掠めたが、もう止められなかった。無防備で酷く蠱惑的なハイファの表情に、理性など吹き飛ばされていた。

「っく、ハイファ……お前を壊したい、くそう、俺は――」
「いい、壊して……あっ、はぁんっ!」

 いつしかシーツを掴み締めたハイファも再び勃ち上がらせ、震えるような快感に包まれて、あられもない喘ぎを洩らしている。

 幾度も繰り返し突き上げているうちに、やっとハイファの躰が追い付いてきて、シドの太い茎に絡み出した。傷つける心配がなくなり、シドは更に細い躰を軋ませ始める。より深くまで貫いた。

「ああんっ……すごい、いい……はぅんっ!」
「俺も、すっげぇ気持ちいいぜ……くっ!」

 揺らされるハイファも同調し、細い腰を波打たせている。上下から身をぶつけ合った。シドは夢中で太い切っ先で抉り、快感を生み続ける。長い髪を乱したハイファが手繰り寄せるようにシドの背に爪を立てた。そうして淫らに乱れていても、白い躰は月読の神の如く美しい。

「あっ……もう、僕、だめ――」
「だめだ、まだ……もう少し、ハイファ!」

 限界までシドは腰の律動を速くする。激しくスライドさせながらハイファの熱くしたものを掴んだ。明らかに変化したものをきつく掴んで堰き止められ、ハイファが苦しげに悶える。数回芯を切っ先で突き上げ、手の中のハイファを解放した。

「んっ、いく、いっちゃう……シド、はうっ!」
「ハイファ……あっ、くうっ!」

 シドは細い躰の奥深くに溢れさせる。同時にハイファが自らの腹から胸にかけて飛び散らせた。二人は幾度も身を震わせて熱く放つ。ハイファが両手をシーツにパタリと落とした。
 だが細い躰からまだシドは抜かない。熱く太く硬いままで粘膜を押し広げていた。

「シド、愛してる……お願い、壊してよ――」
「だからそんな顔すると……チクショウ、ハイファ!」

 抑えられずにシドはハイファを掻き抱く。薄い背をすくい上げ、跪いた自分の上に乗せていた。跨らせて真下から貫く。太く硬い楔に苦しいほどに届かされ、ハイファは喘いでいた。

「ああっ、そんな……シド、あうんっ!」
「ハイファ、すまん……あんまりよくて、止められねぇ!」

 更に奥まで突き上げる。ハイファは涙を溜めて縋り付いてくる。それでもシドは揺さぶる腰の動きをとめることができない。またも白い躰に溺れきってしまっていた。

「俺のものだ、ハイファ……愛してる、っく、俺の――」
「あふっ……シド、思い切りして、いいから……ああんっ!」

 逞しい躰に縋り付きながら、ハイファは苦しさと、怖くなるくらいの快感に晒されていた。揺すり上げられ、突き上げられるたびに気が遠くなり、また快感に引き戻される。

 またも唐突に疼きが突き上がってきて、シドの腹にパタパタと白濁をぶつけていた。同時に抜かぬままシドにたっぷりと注ぎ込まれるのを感じる。けれどシドはまだ許そうとはしない。

「シド、シド……ああん、はぁんっ!」
「くそう、ハイファ……俺はお前が一番大事なのに――」

 叫びつつシドは激しい攻めをやめようとしなかった。滅多に見せないようなハイファの反応に、シドも一緒に酔わされていたのだ。脳内麻薬に完全に侵され、この躰から去ることなど考えられなくなっていた。激しく腰を突き上げ、ハイファも応えて身を浮かしては落とす。
 
 いつにも増して太く滾らせたシドが愛しく、芯の更に奥まで自ら穿って粘膜を掻き回した。

「あ、はぁんっ! まだ、太い、硬いよ……シド!」
「ああ、もう、俺……ハイファ、とめてくれ、ハイファ!」
「無理……ああんっ! 貴方の、最後まで見せて――」

 二人掛かりで細く白い躰を犯し、蹂躙した。シドもハイファも、もう何度いったか、いかされたかなど分からなくなっていた。ハイファはもう勃たせるまでもなく、薄い液体を僅かに零すのみとなっている。

 それでもシドをここまでのめり込ませる自分が誇らしく、何処までも煽り、それに応えて受け止めることで、シドの全てを征服しようとしていた。

「あぅんっ! シド、出ちゃうよ、はうんっ!」
「ハイファ、ハイファ! くっ、あうっ!」

 殆ど痛みのような感覚を味わったシドは、朦朧としたハイファを抱き締めてベッドに倒れ込んだ。そのまま眠ってしまいたいのを堪えてハイファの様子を窺うと、こちらはもう規則正しい吐息で目も瞑っている。気絶するように眠りに落ちたようだ。

 色々とやらねばならないことが浮かんだが、全てを二秒で放擲して毛布を引っ張り上げた。戻ってきたタマが一声鳴いて、抱き合い眠る二人の足許で丸くなる。
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