YAMASAKIは今日も××だった~楽園16~

志賀雅基

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第7話(BL特有シーン・回避可)

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「ハイファ……なあ、欲しい。約束したろ?」
「約束、欲しいって、晩ご飯の支度もまだなのに」
「まだ早いからいい……こんなのは嫌いか?」

「嫌いとかじゃなくて……お願い、リフレッシャ浴びさせて」
「ンなもん、構わねぇよ。なあ、くれよ」
「僕が構うって……あっ、シド、やだ――」

 片手で器用に残りのボタンを外され、襟を大きくくつろげられて白い腹から胸までを露わにされる。シドの熱い舌が薄い肩から鎖骨を通って首筋までを舐め上げた。
 何度も往復する間に左胸の小さな尖りを摘まれて躰が跳ねる。指先で執拗に転がされ、甘い痛みが疼きとなって背すじを駆け下り、腰に溜まっていく。

 ここまでされては、もうハイファも拒めない。

「あっん……お願い、手、離して。僕もシドに触りたいよ」

 要求は受け入れられ自由になった両腕でシドに抱きついた。そしてもどかしい思いでシドの綿のシャツのボタンを外す。現れたしっとりと滑らかな象牙色の肌にハイファは猫のように頬を擦りつけた。仕返しのようにシドの右胸を指先で嬲る。

「あっ、く……ハイファ、こら」
「だって、僕ばっかり、ずるい……ああっ!」

 脚で膝を割られ、下半身を擦り付けられハイファは声を洩らした。下衣越しに変化を知られて頬が上気する。
 だがシドももう躰の中心を成長させていてポーカーフェイスの中にもハイファにだけ分かる笑みを浮かべて見せた。その切れ長の目に溢れだしそうな情欲を見取ってハイファはやや顔を背けながらも口に出す。

「シド……汚しちゃうから、お願い――」
「もうそんなにしてるのか?」

 細い腰を片腕で抱き締めたまま片手でベルトを緩め、シドは脱がせぬままにハイファの下衣に手を入れて探った。勃ち上がりきったものを握られ、ハイファは全身を羞恥に染める。
 次には勢いよく下着ごとスラックスを膝下まで引き下ろされた。

 露わとなったものは既に蜜を溢れさせてシドの手を汚している。それが余計に羞恥を煽り、ハイファは身を捩らせた。

「恥ずかしがるなよ、俺だって」

 ベルトを緩めコットンパンツを僅かに押し下げてシド自身が晒したものもハイファが思わず息を呑むほどに、熱く硬く太く張り詰めて濡れそぼっていた。

「んっ……シド、すごい」
「欲しいだろ?」

 頷くとシドは己のそれとハイファとを交互に扱いて右手指にたっぷりと蜜を絡めてハイファを促す。ハイファはまたリフレッシャすら浴びていないのを思い出し、羞恥でためらいをみせたが愛し人の酷く色っぽい切れ長の目に負けて壁に手をついた。

「シド、して……あっ、ああ……はぁん!」

 上衣を捲り上げて押し開かれ侵入してきた指の感触にハイファは高く喘ぐ。大型の武器を扱う関節の張った指が体内で蠢き、寒気のような快感が襲っていた。
 シドが抱いた腰を宥めるように撫でてくれるも、細い腰が前後してしまうのを止められない。愛し人の指先ひとつでハイファは淫らな生き物と化してしまっていた。

「ハイファ、あんまり動くな。傷つけちまう」
「いい、傷つけられたい……ああっ、そこ、もっと」

 苦笑してシドはオーダーに応える。だがシドにも余裕がある訳ではない。甘い声はハイファからの攻めだ。半ば脱がせた白い躰が腕の中で淫らに悶えている。
 長く明るい金髪を乱し、狭い窄まりに指を咥え込んでいる様はシドに痛いくらいの疼きを溜めさせていた。傷つけないようこれ以上無理なくらい深爪し整えた指を性急に増やす。

「シド、シド……もう、欲しいよ」
「まだだ、もう少し――」
「いいから、お願い……シド、頂戴……ああん!」

 快感を与えられているのに、どうしようもなく疼く身が高い喘ぎを洩らす。それでもシドはほぐす指の動きをとめなかった。何よりも大事なものを傷つけてしまう訳にいかない。存分に馴らしてから、ようやく全ての指を抜いた。

 快感を追い揺れ動いた細い腰に堪らない愛しさを感じながら自らをあてがう。

「もう我慢できねぇからな、覚悟してろよ」

 ままならぬ呼吸をハイファは努めて整えた。シドが太い切っ先を食い込ませる。
 それだけで達してしまいそうな歓喜がハイファを支配し、言うことを聞かない躰は思わずシドを締めつけてしまう。けれどシドは止められない動きで腰を進めてきた。

「ああっ……あっ、あっ、シド、はぁんっ!」
「くっ、ハイファ……きつ、い――」
「いい、そのまま引き裂いて!」
「ンな訳にいくかよっ!」

 何とか収められハイファは浅く速い吐息を繰り返す。指とは比べものにならない太さのものを受け入れて正直いって苦しかった。
 でもシドのくれる苦しさまでもが愛しくてならず、熱い楔に縫い止められたまま肩越しに振り向いて端正な顔を見る。

「いいよ。動いて、突いて」
「ああ、いっぱいしてやる」

 潤みが零れ落ちそうな若草色の瞳を見つめながらシドは腰を引いて太い茎を引き抜いた。繋がりが解けてしまう寸前で思い切り突き上げる。眩暈がするほどの快感が湧いた。

 全てを擦り上げられ、苦しさが反転して、ハイファも強烈な快感に晒される。そのまま粘膜を幾度も突き上げられ、貫かれて壁に爪を立てて叫ぶように喘いだ。

「はぁんっ……いい、すごい……ああんっ!」
「俺も、ハイファ……すっげぇいい、ハイファ!」

 徐々に速くなったシドの律動は今や躰同士を叩き付けるような勢いとなっている。ハイファも合わせて細い腰を前後させ二人で快感を生み続けた。背に密着したシドの逞しい躰から熱い吐息を感じつつ、ハイファはやがて激しく揺らされるに任せる。

 幾らもせずに背筋を疼きが這い昇ってきてハイファは高く甘い声で訴えた。

「もう、シド、僕……だめ――」
「俺も、お前の中で、いかせてくれ」

 ハイファはもう喉から高い喘ぎが洩れるに任せているしかない。シドの右手がハイファの熱いものを握り締めた。律動に合わせてきつく扱かれる。

「ああっ、もう……シド、お願い、早く……あ、はうっ!」
「ハイファ、ハイファ……うっく――」

 体内を熱く濃いもので濡らされると同時に、ハイファはシドの手の中で迸らせていた。二人は何度も身を震わせて弾けさせる。脳内が白熱するほどの快感だった。
 何も考えられない数秒ののちハイファはその場で頽れそうになる。危うくシドの腕に救われて座らされた。背後の洗面所で手を洗ったシドが手を差し伸べてくれる。

「おい、大丈夫か?」
「僕は……でも貴方が大丈夫じゃないみたい」

 一度放ってなおシドは滾らせたままだった。だがシドは薄く笑って首を横に振る。

「もういい。お前を壊しちまう」
「僕はそう簡単に壊れないよ。ねえ、いっぱいしてくれるって言ったじゃない」
「じゃあ……本当にいいのか?」

 頷くと同時に躰をすくい上げられた。横抱きで寝室まで運ばれ、放り出すようにベッドに横にさせられる。シドにのしかかられ組み敷かれた。

 いつの間にか畳んだ毛布にタマが寝ていて迷惑そうにポトリとベッドを降りる。それはまるで「譲ってやる」と言わんばかりで二人は思わず顔を見合わせて笑った。
 だが次にはハイファの耳許にシドが酷く真面目な調子で低く囁く。

「今度はお前の色っぽい顔を見ながらさせてくれ」

 そう言ったシドこそ端正な顔を情欲で僅かに歪ませていて、酷く色っぽい。堪らなくなった二人は互いの衣服を剥ぎ取るように脱がせ合った。
 生まれたままの姿で再び躰を重ねるともうひとときも我慢ができないかのように、ハイファは自ら躰を開き、シドは性急に愛しい躰を貫く。

 羞恥を完全に融かした躰でハイファは何処までもシドの攻めを受け入れた。もはや理性をとばしたシドは幾度も愛しい名を呼びながら突き上げ貫き続ける。

「ハイファ、ハイファ!」
「んっ、シド……ああっ、そんな――」

 初めから激しく揺らされ、粘膜を掻き回されてハイファは高く喘ぎを洩らした。

 飽くことなく求めるシドに身を差し出しながら、いつまでこうしていればひとつに融け混じってしまえるのだろうかと思う。のしかかるようにして貫く愛し人の背に手を回し、次には容赦なく深い処を抉られて思わず爪を立てた。

「シド、好きなだけして……あっ、はぅんっ!」
「好きなだけしてるさ、お前をこんなに……くっ!」

 涙で滲んだ視界に映る、シドの引き締まった腹から逞しい胸、喉までのラインが美しく躍動し、男の色気が溢れ出しているようだ。
 それを見つめるハイファは、突き上がってくる疼きを押し返すのに精一杯となっていた。
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