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第35話
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ノリノリで恐怖すら感じていないらしい薫は怖さで固まるよりマシだったが、いつ倒れるか分からない貧血患者でもある。脳ミソに血が足りなくなって判断を誤る可能性も高かった。恭介はその辺りも考慮に入れて薫に頷き、木っ端微塵になったドア口から通路の様子を窺う。人影はまだない。あの轟音で人が集まる前に脱出する手だ。
「クリア。行くぞ」
「アイアイサー!」
本当にノリが良すぎる薫は貧血で深く考えられないのだろうが、担いで行かなくても自力で動いてくれるだけ有難かった。しかしエレベーターを通り過ぎて階段に辿り着くと薫は文句を垂れ始める。
「十二階分も降りてたら軽く死ねるよ、何でエレベーターで降りないのさ?」
「こういう場合のセオリーだ。自動ドアが開くなり撃たれたいのなら、お前独りでエレベーターでもどこでもドアでも使ってくれ」
「むぅ……」
階段を降り始めるとすぐに薫の息が上がった。可哀想だが頑張って貰うしかない。ここで恭介が担いで敵と遭遇したら薫がいい的になってしまう。痛みに慣れてしまったかのような左腕を僅かに上げて薫の背に手を当ててやった。恭介自身もこの行動がいったい何になるのかも分からないまま、互いの体温と息遣いを感じる。
薫の歩調が上がったのは幸いだった。
「二階から立体駐車場に出られる筈だ」
「でもさ、何処まで逃げるの?」
「そうだな……逃げるのには飽きた」
「僕も一緒に行っていいよね?」
「お前のケリはお前がつけろ。俺のケリは俺がつける」
階段をようやく降りきると薫はしゃがみ込んでしまった。休めるうちに休ませた方がいいだろうと判断し、この時間を利用して恭介はホテル内にいるにも関わらず携帯でフロントに電話し『時宮探偵事務所』の住所と電話番号を告げて、
「爆発物で狙われたので退避した。警備はどうなっているんだ!」
などとクレームをつける八つ当たり迷惑客のフリをして通話を切った。これで請求は事務所に回るであろうし、余計な請求までは払わないぞという意志を示したつもりだった。割とセコいが高級ホテルの修繕費など考えたくないのが通常思考だろう。
あと数件に連絡してから薫の様子を窺った。見上げる白い顔が頷いたので手を差し出してやると掴んで立ち上がる。更に頷いたのを見て立体駐車場に出るべく二人で二ヶ所ある出口の近い方に向かった。出口は何処も張られていると思って間違いない。それなら体力温存に努めるまでだった。
ドアはホテル側から見ると浮かないよう彫刻でデコラティヴな模様の入った木製の上張りがしてある。だがプリ〇スロケットではないが車が突っ込んできた時のことも考慮し、ドア自体は鋼鉄製でかなりの重量物だ。それのノブだけ回しておいて、恭介はドアに蹴りを入れた。軽い挙動にそぐわぬ勢いでドアは跳ね飛ぶように開く。
「あ、誰か死んだ?」
低く薫が呟いたのはドアと外壁との間で特大級のカエルが潰れたような音と声の混じった異音が聞こえたからだ。薫は潰れたのが一般人だったらどうする気だろうと恭介を見上げて心配半分・薄気味悪さ半分の目付きをして見せる。
だが待ち伏せが一人とは限らないため一方の恭介は既にグロックを手にして警戒していた。立体駐車場内までは豪華絢爛な訳もなく、しかし煌々と蛍光灯が灯っているので視界は悪くない。だが代わりに駐車された高級車だらけの影に潜まれると厄介この上ない状況だった。
はっきり言えば撃たれてから撃ち返すしかないだろう。
「薫、走れそうか?」
「う……うん、走るよ」
ドアとサンドウィッチされたチンピラ(と思いたい)から足元に流れてきた血を避けつつ薫が心許ない返事をする。その目前に恭介は左手を差し出した。
「何が何でもしがみついてろ。連れて行く」
「って、恭介のそっちは撃たれた方……」
「お前の血のお蔭で快調だ。心配は要らん」
安堵したのか手を握るより薫は腕に本当にしがみついた。薫だって男だ、意地でここまで歩いたが実際は限界に近かったのだろう。
「よし、行こう」
いうなり恭介は一度振り払った左腕を薫の細い腰に巻き付け走り出した。薫は足も浮いた状態ながら人間が走る際に感じる風圧とは桁違いのスピード感を、全身振り回されつつ感じていた。途中で恭介が銃を撃ったような気もしたが定かではない。
「なっ、何だったんだよ、恭介?」
やっと座らされて訊いた時にはタクシーの中だった。
「二人、いや、ドアのも入れて三人か。今里も本腰入れて総動員したらしいな」
「ふうん。で、僕らは何処に向かってんの、樫原組の本家マンション?」
「そうか。樫原は本家を持たずに幹部は全員マンション住まいだったな。そこに今里も潜んで指令を出していると……面倒なことになったな」
「あのー、答えになってないんですがー、もしもーし!」
「一旦、こちらもマンションに帰るさ。帰って陣容を整える」
「それこそ樫原組が張ってるよ。どうすんのさ?」
「俺の持つグロックとスペアマガジン、プラスお前の持つベレッタで何発ある?」
「ええと……?」
「十七足す一足す十五足す一足す十七、引く二引く一引く二引く二だ」
「へっ? あー、うーんと、えー」
「可哀想な奴だな、四十四発だ」
「先に計算しといて訊いたんだろ、ずるいよ!」
「何とでも。それより四十四人以上マンションに張っていないのを祈るんだな」
そう言われてみると四十四人もの待ち伏せなんか有り得ない気がしてきて、薫は肩の力を抜きシートに凭れて欠伸をした。タクシーは快調に走っている。
やがて恭介がドライバーに声を掛けてタクシーを停めさせた。料金を支払い二人はタクシーを降りる。するともう目前がマンション一階の『浅川』だったので薫は驚いた。普通はもっと遠くから身を潜めつつ敵情視察して徐々に近づいてゆくものだろうと思い込んでいたからだ。不安になって恭介を見上げる。
「何だ、どうした?」
「え、だってさ……急に撃たれたら、わあっ!」
いう間もなく撃たれて薫の髪がなびき、驚愕し飛び上がると共にベレッタを抜いている。何処から狙われたのか全く分からない薫は殆ど恐慌状態で夜空に向けて一射を放った。屋外射撃特有の乾いた短音は一般人なら車のバックファイアとでも勘違いするほど、かんしゃく玉くらいのインパクトしかない。
それでも狙ってきた一射に対する薫の一射で数箇所の夜闇が蠢いた。こちらに狙いを付けようとするアクションを夜目の利く恭介が見取って速射で連射。右腕をスイングしつつ立て続けに五人に呻き声を上げさせる。勿論グロックは九ミリパラを満タンにしてあったので、まだ残弾は十三発だ。スペアマガジンも満タンの十七発。
当てられる恭介に弾薬を譲ったので薫は今、一発撃って残弾八だ。だが瞬く間に五人を仕留めて呻き声を上げさせた恭介の腕を見て薫の不安も消える。単純だ。
「すごいすごい、全員、殺ったの?」
「お前の認識では死体が呻くのか? 手首を撃ち抜いただけだ」
「大丈夫かな?」
「ああ、拾ってこい」
「犬じゃないんだけど……まあいいか」
喜び勇んで薫はチンピラたちから奪った戦利品のハンドガンだのリボルバだのを抱えてくる。相当重い筈だが足取りは軽い。しかしせっかく薫が持ち帰ってきた中から恭介はあれこれ選んで二丁のハンドガンを残し、三丁は地面に置くと路上駐車しているセダンの下に蹴り込んだ。薫が唇を尖らせる。
「勿体ないよ、使える物は使わなきゃ。貴重じゃん?」
「弾数の少ないリボルバに頼れるほど薫、お前の腕は確かじゃない。それに45口径などというデカブツで怪我をされても困る。互換性のある九パラ使用銃がこれだ」
「はあ、なるほどね。でもさ、本気で銃持って二人でカチコミする気?」
「ああ、その気だ。その気だが、お前の言うのも尤もだ。心許ない。そこで得物を調達しに帰ってきたんだ、車もな」
「車って……まさかあの超高級車のマイバッハで乗り付けるの!?」
「タクシーだとドライバーが困るだろう。レンタカーでも壊れたらフリートの保険等級に影響するかも知れん。自家用車があるなら使うべきだ。違うか?」
訊かれたって知るもんかと薫は思う。金持ちの考えることはいちいち庶民とズレていて話にならなかった。恭介が勿体ないと思うのは飯と血だけなのだろうか。
「クリア。行くぞ」
「アイアイサー!」
本当にノリが良すぎる薫は貧血で深く考えられないのだろうが、担いで行かなくても自力で動いてくれるだけ有難かった。しかしエレベーターを通り過ぎて階段に辿り着くと薫は文句を垂れ始める。
「十二階分も降りてたら軽く死ねるよ、何でエレベーターで降りないのさ?」
「こういう場合のセオリーだ。自動ドアが開くなり撃たれたいのなら、お前独りでエレベーターでもどこでもドアでも使ってくれ」
「むぅ……」
階段を降り始めるとすぐに薫の息が上がった。可哀想だが頑張って貰うしかない。ここで恭介が担いで敵と遭遇したら薫がいい的になってしまう。痛みに慣れてしまったかのような左腕を僅かに上げて薫の背に手を当ててやった。恭介自身もこの行動がいったい何になるのかも分からないまま、互いの体温と息遣いを感じる。
薫の歩調が上がったのは幸いだった。
「二階から立体駐車場に出られる筈だ」
「でもさ、何処まで逃げるの?」
「そうだな……逃げるのには飽きた」
「僕も一緒に行っていいよね?」
「お前のケリはお前がつけろ。俺のケリは俺がつける」
階段をようやく降りきると薫はしゃがみ込んでしまった。休めるうちに休ませた方がいいだろうと判断し、この時間を利用して恭介はホテル内にいるにも関わらず携帯でフロントに電話し『時宮探偵事務所』の住所と電話番号を告げて、
「爆発物で狙われたので退避した。警備はどうなっているんだ!」
などとクレームをつける八つ当たり迷惑客のフリをして通話を切った。これで請求は事務所に回るであろうし、余計な請求までは払わないぞという意志を示したつもりだった。割とセコいが高級ホテルの修繕費など考えたくないのが通常思考だろう。
あと数件に連絡してから薫の様子を窺った。見上げる白い顔が頷いたので手を差し出してやると掴んで立ち上がる。更に頷いたのを見て立体駐車場に出るべく二人で二ヶ所ある出口の近い方に向かった。出口は何処も張られていると思って間違いない。それなら体力温存に努めるまでだった。
ドアはホテル側から見ると浮かないよう彫刻でデコラティヴな模様の入った木製の上張りがしてある。だがプリ〇スロケットではないが車が突っ込んできた時のことも考慮し、ドア自体は鋼鉄製でかなりの重量物だ。それのノブだけ回しておいて、恭介はドアに蹴りを入れた。軽い挙動にそぐわぬ勢いでドアは跳ね飛ぶように開く。
「あ、誰か死んだ?」
低く薫が呟いたのはドアと外壁との間で特大級のカエルが潰れたような音と声の混じった異音が聞こえたからだ。薫は潰れたのが一般人だったらどうする気だろうと恭介を見上げて心配半分・薄気味悪さ半分の目付きをして見せる。
だが待ち伏せが一人とは限らないため一方の恭介は既にグロックを手にして警戒していた。立体駐車場内までは豪華絢爛な訳もなく、しかし煌々と蛍光灯が灯っているので視界は悪くない。だが代わりに駐車された高級車だらけの影に潜まれると厄介この上ない状況だった。
はっきり言えば撃たれてから撃ち返すしかないだろう。
「薫、走れそうか?」
「う……うん、走るよ」
ドアとサンドウィッチされたチンピラ(と思いたい)から足元に流れてきた血を避けつつ薫が心許ない返事をする。その目前に恭介は左手を差し出した。
「何が何でもしがみついてろ。連れて行く」
「って、恭介のそっちは撃たれた方……」
「お前の血のお蔭で快調だ。心配は要らん」
安堵したのか手を握るより薫は腕に本当にしがみついた。薫だって男だ、意地でここまで歩いたが実際は限界に近かったのだろう。
「よし、行こう」
いうなり恭介は一度振り払った左腕を薫の細い腰に巻き付け走り出した。薫は足も浮いた状態ながら人間が走る際に感じる風圧とは桁違いのスピード感を、全身振り回されつつ感じていた。途中で恭介が銃を撃ったような気もしたが定かではない。
「なっ、何だったんだよ、恭介?」
やっと座らされて訊いた時にはタクシーの中だった。
「二人、いや、ドアのも入れて三人か。今里も本腰入れて総動員したらしいな」
「ふうん。で、僕らは何処に向かってんの、樫原組の本家マンション?」
「そうか。樫原は本家を持たずに幹部は全員マンション住まいだったな。そこに今里も潜んで指令を出していると……面倒なことになったな」
「あのー、答えになってないんですがー、もしもーし!」
「一旦、こちらもマンションに帰るさ。帰って陣容を整える」
「それこそ樫原組が張ってるよ。どうすんのさ?」
「俺の持つグロックとスペアマガジン、プラスお前の持つベレッタで何発ある?」
「ええと……?」
「十七足す一足す十五足す一足す十七、引く二引く一引く二引く二だ」
「へっ? あー、うーんと、えー」
「可哀想な奴だな、四十四発だ」
「先に計算しといて訊いたんだろ、ずるいよ!」
「何とでも。それより四十四人以上マンションに張っていないのを祈るんだな」
そう言われてみると四十四人もの待ち伏せなんか有り得ない気がしてきて、薫は肩の力を抜きシートに凭れて欠伸をした。タクシーは快調に走っている。
やがて恭介がドライバーに声を掛けてタクシーを停めさせた。料金を支払い二人はタクシーを降りる。するともう目前がマンション一階の『浅川』だったので薫は驚いた。普通はもっと遠くから身を潜めつつ敵情視察して徐々に近づいてゆくものだろうと思い込んでいたからだ。不安になって恭介を見上げる。
「何だ、どうした?」
「え、だってさ……急に撃たれたら、わあっ!」
いう間もなく撃たれて薫の髪がなびき、驚愕し飛び上がると共にベレッタを抜いている。何処から狙われたのか全く分からない薫は殆ど恐慌状態で夜空に向けて一射を放った。屋外射撃特有の乾いた短音は一般人なら車のバックファイアとでも勘違いするほど、かんしゃく玉くらいのインパクトしかない。
それでも狙ってきた一射に対する薫の一射で数箇所の夜闇が蠢いた。こちらに狙いを付けようとするアクションを夜目の利く恭介が見取って速射で連射。右腕をスイングしつつ立て続けに五人に呻き声を上げさせる。勿論グロックは九ミリパラを満タンにしてあったので、まだ残弾は十三発だ。スペアマガジンも満タンの十七発。
当てられる恭介に弾薬を譲ったので薫は今、一発撃って残弾八だ。だが瞬く間に五人を仕留めて呻き声を上げさせた恭介の腕を見て薫の不安も消える。単純だ。
「すごいすごい、全員、殺ったの?」
「お前の認識では死体が呻くのか? 手首を撃ち抜いただけだ」
「大丈夫かな?」
「ああ、拾ってこい」
「犬じゃないんだけど……まあいいか」
喜び勇んで薫はチンピラたちから奪った戦利品のハンドガンだのリボルバだのを抱えてくる。相当重い筈だが足取りは軽い。しかしせっかく薫が持ち帰ってきた中から恭介はあれこれ選んで二丁のハンドガンを残し、三丁は地面に置くと路上駐車しているセダンの下に蹴り込んだ。薫が唇を尖らせる。
「勿体ないよ、使える物は使わなきゃ。貴重じゃん?」
「弾数の少ないリボルバに頼れるほど薫、お前の腕は確かじゃない。それに45口径などというデカブツで怪我をされても困る。互換性のある九パラ使用銃がこれだ」
「はあ、なるほどね。でもさ、本気で銃持って二人でカチコミする気?」
「ああ、その気だ。その気だが、お前の言うのも尤もだ。心許ない。そこで得物を調達しに帰ってきたんだ、車もな」
「車って……まさかあの超高級車のマイバッハで乗り付けるの!?」
「タクシーだとドライバーが困るだろう。レンタカーでも壊れたらフリートの保険等級に影響するかも知れん。自家用車があるなら使うべきだ。違うか?」
訊かれたって知るもんかと薫は思う。金持ちの考えることはいちいち庶民とズレていて話にならなかった。恭介が勿体ないと思うのは飯と血だけなのだろうか。
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