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第27話
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隣の店舗と殆ど隙間がなく間口も狭いゲートウェイは、外から見て窓もない壁一面にペンキのスプレーで英単語だのハートだのデフォルメした女性だのが描かれていて酷い色の不協和音だ。
こんな店に金づるの同業他社や好事家たちが出入りしたら余計に目立ちそうだが、電子看板も点けていないので却ってここだけ沈み込んだように暗い。周囲がギラギラと明るいだけにここの入り口だけは上手く人影の微細を隠している。
そこに恭介と薫を追い抜いて、でっぷり太ったスーツの老年男が中学生かと思うようなミニドレスの女性と腕組みしてゲートウェイの前に立った。一枚きりの横にスライドする自動ドアが開く。男女は並んで店内に進軍しようとしたが太った男がつっかえて女性を潰しそうになり、仕方なく一列縦隊で入って行く。
ガードも連れていない彼らはおそらく一般人で、このチャンスは逃せない。一般人の前で銃を抜くことは考えづらいからだ。恭介と薫も一列縦隊に加わって入店する。
自動ドアが背後で閉まると弱くエアコンが掛かっているのが分かる程度に空気は乾いていた。左側は地下に降りてゆく階段、右は上階への階段とエレベーターが並び、真正面に一階フロアへの入り口であろう観音開きの扉があった。これだけが新しく塗られ木目をプリントされていて浮いている。
そしてもうここに第一関門のダークスーツを着た男二名が扉の両側に一人ずつ控えていたのだった。樫原組の組員には完全に面が割れていると考えていい薫は途端に緊張する。だがダークスーツ二名は恭しく頭を下げたまま観音扉を開けただけだった。
ここでも何となく一列縦隊のまま四人はフロア内へと足を踏み入れる。
すると今度は入ってすぐ左にカウンターがあり、ここにもダークスーツが数名詰めていた。名を訊ねられた先客二名は素直に名乗ったが、ダークスーツは名簿的な物と照らし合わせるようなことはしていない。
闇オクの客の名が洩れたら樫原組の信用は地に堕ちる。そこでダークスーツらは客の名を頭に叩き込んであるのだろう。
だが自分の番になった恭介はしれっと「麻生次郎」などと名乗った。続けて見られた薫は焦って「す、鈴木栄作」と口走ってしまい、内心『今どき栄作って……!』と全国の栄作さんに申し訳なくも悔やみ続けた。
こんないい加減な名乗りで通れる訳がない。そう薫が思ったのとは裏腹に、後から詰まってきた今度はガードもぞろぞろの親分サン一行に押し出されるようにして、四名の一列縦隊はスムーズに第一関門を潜り抜けてしまった。
証拠を残さぬよう受付のダークスーツらは客の名前を全て覚えていたのではなく、チンピラの頭の中にも証拠が残らぬよう配慮されていたのかも知れない。
ともかく一列縦隊を解いて恭介と薫は二人になった。だがフロアは既に人また人の林立で所々に飲み物や軽食の載ったテーブルが置かれ、もうライトアップされた壇上には教壇にあるような机と、その上にオークションらしく木製のハンマーがある。
そして舞台袖から出てきて壇上から降り、手近な見知った顔と挨拶を始めたのはガードを四人もくっつけた今里だった。徐々にこちらに近づいてくる。
そうして二人の目前に現れ、足を止めてねっとりと見つめてきた今里は、大袈裟にも腕をアームホルダーで吊っていた。失笑しそうになりながらも薫は、もしかして握手のフリで今里の小指を折った時に腕までへし折っていたのかと思ったが、よく見ると今里が吊っているのは左腕だった。
右手の小指は包帯でぐるぐる巻き、テキ屋の売り物・アメリカンドックの如く太らせている。
事故でも起こしたのか、はたまた誰かにカチコミされたのかと窺っていると、四人も引き連れているガードの一人が声を発した。
「組長、もちっとゆっくり歩いてくんなせえ。手ぇ怪我してバランス崩して『銀ちゃんのために身体を張ったヤス』並みの見事な階段落ち、左腕骨折したのは昨日のことじゃ……がふっ!」
腹を蹴られて頽れた男にガードの同僚が憐れむ目を投げて言う。
「バカ野郎! そいつは絶対に洩らすなと盃まで交わした約束事じゃねぇかい。まさかオメエ、組長が骨折したのは階段落ちが直接原因じゃねぇ、立ち上がろうとして膝カックンした拍子に転んで腕の骨がいっちまったことまで……ドゲシッ!」
残ったガードの二名も、
「組長は病院で骨折が判明した途端に涙ぶわあっ!」
「検査したら七十代女性より酷い骨粗しょう症だった」
などと暴露して次々と今里に殴られ蹴られて吹っ飛んだ。眺めていた薫と恭介は二人して面白い見物だとは思ったが、骨粗しょう症でポッキリいかれても撃ちづらくなるので止めに入るか迷った。
幸いスカスカの骨でも何とかなったようで組長としての威厳も保たれた。
互いに支え合いつつ立ち上がるガードを待ちながら今里はニヤリと笑って見せる。
「やはりね。二人揃ってくると思っていたよ」
「招待されたんだ、さぞかし見甲斐のあるイヴェントなんだろう?」
「参加されたければご自由に。滅多に手に入らない逸品を揃えたからね」
「なるほど。勝手にさせて貰うが、俺たちは借りてきた猫みたいに大人しくしているつもりだ。そちらも素人がいることを忘れるなよ」
「『借り猫』を信用するとでも? まあ、誰かが無闇に暴れてウチのシノギの邪魔さえしなければ、野良猫二匹が紛れ込んでいようが構わないよ。こちらも手の込んだ仕掛けまでしたかき入れどきだからね」
「ならばお互いに仕掛けないという証しに握手でも……」
真顔になって仰け反った今里を上回る無表情で恭介は、
「ああ。手が空いてないのなら首でも構わんが」
と言い放ち、今里に「時宮恭介は手さえ届けば人間凶器」と強く植え付けた。当然ながら本気であり、手下とのコントを見せられたからといって毒気を抜かれるほど今里への恨みは浅くない。薫だって同様である。
だが実際、素人らしき招待客の方が樫原組の同業他社らしき雰囲気を撒き散らしている者より多く、全体的に人数も遥かに予想を上回っていた。これでグロックをぶちかますのはかなりのド根性と常識外れの知能の低さが求められると思われる。
「どうするのさ、恭介。今ので『ズドン!』ってやっちゃえば良かったのに」
「それで俺だけ穴だらけか?」
「そうなったら僕だって一応は捕まるんじゃないの、警察に」
「穴だらけよりは随分と幸せそうに思えるのは俺だけか?」
「長六四背負うと冬は堪えるよ、歳食ってると特に」
長六四とは長期の懲役刑のことだが、それはともかく不用意にまたも歳のことに触れられて恭介は明らかに虫の居所を悪くした。先程の挨拶が最初で最後の絶好のチャンスだったんじゃないかと、周囲の状況にも構わず思ってしまう薫だって、暢気に今里と喋っていた恭介に八つ当たりしているのである。
恭介が送った多数のメールと『ガラス割り』にかこつけて県警本部まで遠征した理由を薫は知らないのだ、仕方ない。
二人してムッとしつつ傍のテーブルから揃って琥珀色の液体が入ったグラスを手にして一気に喉に流し込んだ。予想を裏切って恭介は飲み込んでからウーロン茶の気の抜けたような匂いをかぐ。逆に薫は割ってもいない生のウィスキーにむせ返った時にはグラスは空だ。お蔭で薫の目が据わった。
「恭介! 僕のグロック寄越せ! 返せよ、銃……むぐ」
珍しく恭介が慌てて薫の口を塞ぐ。周囲から投げられる奇異の視線に対して愛想笑いまでして見せたが、普段し慣れないことをしてもそれらしくは見えず、何故か目が合った者は妙に顔を赤くして俯いた。その現象は恭介自身にとっても「?」なモノだったが勢いづいて今里を弾きかねない薫からも視線が逸れて都合は良かった。
それらの中に混じって上手く偽装した者たちが潜んでいる。おそらく恭介たちと似たような手口か、または『素人の上客』を探り当て、宥めすかして招待状を手に入れたのだろう。
見た感じでは先にツバを付けていた厚生局の麻取が多いようだ。
と、そこでふいに静かになった。壇上を照らしていたライトが消え、再び煌々と灯った時には机に向かい木製ハンマーを持った初老男が立っていた。
こんな店に金づるの同業他社や好事家たちが出入りしたら余計に目立ちそうだが、電子看板も点けていないので却ってここだけ沈み込んだように暗い。周囲がギラギラと明るいだけにここの入り口だけは上手く人影の微細を隠している。
そこに恭介と薫を追い抜いて、でっぷり太ったスーツの老年男が中学生かと思うようなミニドレスの女性と腕組みしてゲートウェイの前に立った。一枚きりの横にスライドする自動ドアが開く。男女は並んで店内に進軍しようとしたが太った男がつっかえて女性を潰しそうになり、仕方なく一列縦隊で入って行く。
ガードも連れていない彼らはおそらく一般人で、このチャンスは逃せない。一般人の前で銃を抜くことは考えづらいからだ。恭介と薫も一列縦隊に加わって入店する。
自動ドアが背後で閉まると弱くエアコンが掛かっているのが分かる程度に空気は乾いていた。左側は地下に降りてゆく階段、右は上階への階段とエレベーターが並び、真正面に一階フロアへの入り口であろう観音開きの扉があった。これだけが新しく塗られ木目をプリントされていて浮いている。
そしてもうここに第一関門のダークスーツを着た男二名が扉の両側に一人ずつ控えていたのだった。樫原組の組員には完全に面が割れていると考えていい薫は途端に緊張する。だがダークスーツ二名は恭しく頭を下げたまま観音扉を開けただけだった。
ここでも何となく一列縦隊のまま四人はフロア内へと足を踏み入れる。
すると今度は入ってすぐ左にカウンターがあり、ここにもダークスーツが数名詰めていた。名を訊ねられた先客二名は素直に名乗ったが、ダークスーツは名簿的な物と照らし合わせるようなことはしていない。
闇オクの客の名が洩れたら樫原組の信用は地に堕ちる。そこでダークスーツらは客の名を頭に叩き込んであるのだろう。
だが自分の番になった恭介はしれっと「麻生次郎」などと名乗った。続けて見られた薫は焦って「す、鈴木栄作」と口走ってしまい、内心『今どき栄作って……!』と全国の栄作さんに申し訳なくも悔やみ続けた。
こんないい加減な名乗りで通れる訳がない。そう薫が思ったのとは裏腹に、後から詰まってきた今度はガードもぞろぞろの親分サン一行に押し出されるようにして、四名の一列縦隊はスムーズに第一関門を潜り抜けてしまった。
証拠を残さぬよう受付のダークスーツらは客の名前を全て覚えていたのではなく、チンピラの頭の中にも証拠が残らぬよう配慮されていたのかも知れない。
ともかく一列縦隊を解いて恭介と薫は二人になった。だがフロアは既に人また人の林立で所々に飲み物や軽食の載ったテーブルが置かれ、もうライトアップされた壇上には教壇にあるような机と、その上にオークションらしく木製のハンマーがある。
そして舞台袖から出てきて壇上から降り、手近な見知った顔と挨拶を始めたのはガードを四人もくっつけた今里だった。徐々にこちらに近づいてくる。
そうして二人の目前に現れ、足を止めてねっとりと見つめてきた今里は、大袈裟にも腕をアームホルダーで吊っていた。失笑しそうになりながらも薫は、もしかして握手のフリで今里の小指を折った時に腕までへし折っていたのかと思ったが、よく見ると今里が吊っているのは左腕だった。
右手の小指は包帯でぐるぐる巻き、テキ屋の売り物・アメリカンドックの如く太らせている。
事故でも起こしたのか、はたまた誰かにカチコミされたのかと窺っていると、四人も引き連れているガードの一人が声を発した。
「組長、もちっとゆっくり歩いてくんなせえ。手ぇ怪我してバランス崩して『銀ちゃんのために身体を張ったヤス』並みの見事な階段落ち、左腕骨折したのは昨日のことじゃ……がふっ!」
腹を蹴られて頽れた男にガードの同僚が憐れむ目を投げて言う。
「バカ野郎! そいつは絶対に洩らすなと盃まで交わした約束事じゃねぇかい。まさかオメエ、組長が骨折したのは階段落ちが直接原因じゃねぇ、立ち上がろうとして膝カックンした拍子に転んで腕の骨がいっちまったことまで……ドゲシッ!」
残ったガードの二名も、
「組長は病院で骨折が判明した途端に涙ぶわあっ!」
「検査したら七十代女性より酷い骨粗しょう症だった」
などと暴露して次々と今里に殴られ蹴られて吹っ飛んだ。眺めていた薫と恭介は二人して面白い見物だとは思ったが、骨粗しょう症でポッキリいかれても撃ちづらくなるので止めに入るか迷った。
幸いスカスカの骨でも何とかなったようで組長としての威厳も保たれた。
互いに支え合いつつ立ち上がるガードを待ちながら今里はニヤリと笑って見せる。
「やはりね。二人揃ってくると思っていたよ」
「招待されたんだ、さぞかし見甲斐のあるイヴェントなんだろう?」
「参加されたければご自由に。滅多に手に入らない逸品を揃えたからね」
「なるほど。勝手にさせて貰うが、俺たちは借りてきた猫みたいに大人しくしているつもりだ。そちらも素人がいることを忘れるなよ」
「『借り猫』を信用するとでも? まあ、誰かが無闇に暴れてウチのシノギの邪魔さえしなければ、野良猫二匹が紛れ込んでいようが構わないよ。こちらも手の込んだ仕掛けまでしたかき入れどきだからね」
「ならばお互いに仕掛けないという証しに握手でも……」
真顔になって仰け反った今里を上回る無表情で恭介は、
「ああ。手が空いてないのなら首でも構わんが」
と言い放ち、今里に「時宮恭介は手さえ届けば人間凶器」と強く植え付けた。当然ながら本気であり、手下とのコントを見せられたからといって毒気を抜かれるほど今里への恨みは浅くない。薫だって同様である。
だが実際、素人らしき招待客の方が樫原組の同業他社らしき雰囲気を撒き散らしている者より多く、全体的に人数も遥かに予想を上回っていた。これでグロックをぶちかますのはかなりのド根性と常識外れの知能の低さが求められると思われる。
「どうするのさ、恭介。今ので『ズドン!』ってやっちゃえば良かったのに」
「それで俺だけ穴だらけか?」
「そうなったら僕だって一応は捕まるんじゃないの、警察に」
「穴だらけよりは随分と幸せそうに思えるのは俺だけか?」
「長六四背負うと冬は堪えるよ、歳食ってると特に」
長六四とは長期の懲役刑のことだが、それはともかく不用意にまたも歳のことに触れられて恭介は明らかに虫の居所を悪くした。先程の挨拶が最初で最後の絶好のチャンスだったんじゃないかと、周囲の状況にも構わず思ってしまう薫だって、暢気に今里と喋っていた恭介に八つ当たりしているのである。
恭介が送った多数のメールと『ガラス割り』にかこつけて県警本部まで遠征した理由を薫は知らないのだ、仕方ない。
二人してムッとしつつ傍のテーブルから揃って琥珀色の液体が入ったグラスを手にして一気に喉に流し込んだ。予想を裏切って恭介は飲み込んでからウーロン茶の気の抜けたような匂いをかぐ。逆に薫は割ってもいない生のウィスキーにむせ返った時にはグラスは空だ。お蔭で薫の目が据わった。
「恭介! 僕のグロック寄越せ! 返せよ、銃……むぐ」
珍しく恭介が慌てて薫の口を塞ぐ。周囲から投げられる奇異の視線に対して愛想笑いまでして見せたが、普段し慣れないことをしてもそれらしくは見えず、何故か目が合った者は妙に顔を赤くして俯いた。その現象は恭介自身にとっても「?」なモノだったが勢いづいて今里を弾きかねない薫からも視線が逸れて都合は良かった。
それらの中に混じって上手く偽装した者たちが潜んでいる。おそらく恭介たちと似たような手口か、または『素人の上客』を探り当て、宥めすかして招待状を手に入れたのだろう。
見た感じでは先にツバを付けていた厚生局の麻取が多いようだ。
と、そこでふいに静かになった。壇上を照らしていたライトが消え、再び煌々と灯った時には机に向かい木製ハンマーを持った初老男が立っていた。
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