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第33話(BL特有シーン・回避可)
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「うっ、く……あっ、ああ――」
「どうしたの、和音。すごく感じやすくなってない?」
「お預けで溜めてたからさ。マジでエセルお前、覚悟しといてくれよな」
「そっか。でもアナタも覚悟してね、ホントに和音だけだって分からせてあげるんだから」
互いに言葉で煽りながら指先に想いを込めて肌に触れ合った。低く甘く切ない声を洩らす和音は酷く色っぽく、吸い寄せられるようにエセルはキスを仕掛けている。
最初から激しく舌を絡め合った。何度も和音に要求されて唾液を送り込む。
「っん! んんぅ……んっ、んんっ……はあっ! あぅん!」
息が上がるほど求められ、解放されるなり噛みつく勢いで薄い肩を吸われた。甘い痛みが移動してきて、華奢な鎖骨から首筋まできつく吸い上げられる。通常の衣服なら身に着けても見えてしまう処にまで和音の所有印を穿たれ、エセルは幸せでまた泣きそうになった。
「ああっ、それ以上は……和音、だめだって、はぁん」
「冬だし、マフラーでも巻いときゃいいって」
「それなら……僕も和音につけていい?」
頷かれてエセルは恐る恐る和音の鎖骨に口づけ吸ってみる。何度か試して一度上手くつけられると、嬉しくなってエセルは鎖骨から首筋まで、和音を赤いあざだらけにしてしまう。鏡もないのに分かるのか、和音は赤い痕を撫でながら苦笑した。
「和音……アナタの笑顔、すごく素敵」
「いきなり何なんだよ、そいつは?」
「ううん、どんな和音でも素敵なんだけどね」
「そうか、素直に受け取っておくとするか」
更に笑みを深くした和音をエセルは僅かに離れて眺める。あちこちに傷痕があり、今も腕と肩にガーゼを貼っているが、本当に造形美術品のようで、幾ら見ても見飽きなかった。
「愛してる、和音。愛してるけど、ごめんね」
「俺も愛してるが、どうしてそこで謝るんだよ?」
「愛してるけど、何処まで愛しても愛し足りないから足りない分の『ごめん』なの」
そう言って見上げると、和音は切れ長の目を僅かに眇めて見返している。投げ出した和音の脚の間にエセルはぺたりと座った形で、互いの躰が変化しているのは勿論分かっていた。
とっくに和音は成長したものの先端から透明の蜜を零している。いつもながら息を呑むほどに太いそれは下腹にくっつきそうに反り返っていた。
「でさ、お前はそうやって見てるだけでいいのか?」
「いい訳ないでしょ」
和音が醸す揺らめき立ち上るような男の色気に酔い、もう堪らなくなったエセルは逞しい躰に抱きついて、和音の耳元で甘く囁きせがんでいる。
「お願い、和音が欲しいよ。入れて。思い切り突き上げて」
「ああ、分かった。待ってろ……って、エセル、ちょっと待て!」
唐突にエセルは和音をシーツに押し倒していた。急激に愛しさが胸の中に膨れ上がったエセルは欲望のままに和音に跨っている。それだけではない、熱く太く硬い和音を掴んで自分の後ろに押し当てたのだ。そのまま細い腰を落とそうとする。和音は焦って声を上げた。
「待てって、エセル、だめだ!」
「だめじゃないよ。僕がアナタのものっていう証拠、見せてあげるんだから」
「そういう問題じゃ……あっ、く、エセル、お前が怪我するから、だめだ!」
「怪我してもいい……我慢できない、あっふ……はぅん!」
止める和音の声を無視して僅かずつ、エセルは座り込むように腰を落とし始める。しかしやはりそれは危険すぎる行為だった。なかなか受け入れることができない。エセルは躰を軋ませるような痛みに耐える。けれどそんな痛みまでもが愛しくて、全ては疼きに変換された。
「くうっ……やっぱり無理だって! 先に馴らしてやるから退け」
「無理じゃない……あんな、あんな奴らに裂かれて僕は……僕は、和音にこそ裂かれたい!」
「そんなお前……俺はお前を傷つけたくねぇんだって! だから退け!」
「やだっ! お願いだから……一度でいいから和音に、アナタに刻んで貰えたら、僕は汚い奴らを『これは和音だ』って無理矢理自分に思い込ませなくてもよくなるんだから! 本当の和音を思い出すだけで済むんだから!」
「……エセルお前」
「もう……もう自分を騙せない、騙せなかった……つらいよ!」
自身でも自覚していなかったことを絶叫していて束の間エセルは呆然とする。絶叫された和音も言葉を失くしたように固まったまま、エセルを見上げていた。数秒間見つめ合ったが、和音がいつまでも固まっているので、呆れ果てられたのかとエセルは不安になる。
「でも、そんなの迷惑だよね。血だって出ちゃうだろうし」
「あ、いや、迷惑とかいう問題じゃねぇんだがな」
「じゃあ、もしかしてこれからも誰かに抱かれる前提の僕が嫌になっちゃった?」
「誰かに抱かれるっつーのは許容しがたい気はするんだが……」
自分にも問うように和音は言葉を探しながらゆっくりと続けた。
「でもその行為がどうしてもお前に必要な儀式なら、俺も覚悟を決めるしかねぇよ」
「強制はできないし『嫌々だけど仕方なく』って言うなら、僕も嫌われたくないし」
「『仕方なく』でも『お前に協力』でもねぇんだ」
長めの前髪をかき上げ、和音は真剣な目をしてエセルに頷く。
「俺だってお前を引き裂いて壊れるくらい抱きたい。壊すなら俺が壊したい。他の誰かにつけられた傷より、もっと深く俺が傷つけてやる。お前が望んで許してくれるならな」
「ホントに……してくれるの?」
「したくなければ躰の方が正直だと思うぜ」
確かに和音の言う通りだった。頷き返すとエセルは再び和音を後ろにあてがう。溢れて茎を伝うまでとなった蜜を塗り込み、軽い体重を掛けて受け入れ始めた。
やがて堪らなくなったのか和音が僅かに腰を揺らした。ピリッとした痛みが徐々に広がって痺れたようにエセルは感じる。それでも腰を落とす動きは止めなかった。
「んっ、はぅん……あっ、あっ……和音、お願い、きて!」
「エセル、すまん……お前を、一番大事なお前を傷つけるからな!」
下から和音も身を反らすようにして腰を持ち上げる。溢れた蜜の助けで切っ先を食い込ませ、次には思い切り腰を突き上げていた。エセルが悲鳴のような声を洩らす。
「あうんっ! あっ、つっ……はぁんっ!」
裂かれた痛みとこの上ない悦びで、いつの間にかエセルはアメジストの瞳から涙を溢れさせていた。下から和音が心配げな目で見つめながらも華奢な躰に己を根元までねじ込む。エセルは上体を倒して自分を貫く和音と身を重ねた。和音の鼓動が速い。
「和音、大丈夫?」
「正直、俺も痛いんだがな。お前よりずっとマシだと思うぞ。痛むよな?」
「大丈夫とは言わないけど、それでも欲しい。くれる?」
返事の代わりに和音が軽く腰を揺らす。エセルも身を起こすとゆっくり細い腰を持ち上げては落とし出した。まもなくエセルの躰が追いついてきて、難なく和音を受け入れられるようになる。和音の痛みも治まると二人は上下から腰をぶつけ合った。
「ちょっ、エセル……ンなにすると保たねぇって、くっ!」
「あっ、ふ……我慢しないで、いっていいから!」
「っく、いくなら一緒だ……エセル、エセル!」
名を呼びながら和音が腰を縦に横にと蠢かせる。熱い粘膜をこね回されて、エセルも背筋を疼きが逆流してくるのを感じ、喉を仰け反らせて腰の上下を速くした。体内の和音が明らかに変化する。エセルは一番奥に欲しくて動きを止めた。
「ああん、もういっちゃう……和音、早く……はうんっ!」
「エセル……くっ、あ……いくぞ……うっ、く――」
和音が幾重にも迸らせた熱く濃いものは驚くほど大量で、エセルはずぶ濡れにされた。同時にエセルが放ったものは和音の胸から頬にまで飛び散る。二人は何度も身を震わせて弾けさせた。
放ってしまうとエセルは脱力して和音に身を預ける。静かに余韻を愉しんだ二人だが互いにこれで終わりとは思っていない。
けれどエセルを抱き締めたまま和音が身を起こそうとしたのを、エセルは留めた。
「何だよ、俺には乗っからせてくれねぇのか?」
「ん……ってゆうか、その、見ちゃったらアナタが――」
「別に引っ込まねぇよ。自分でやったことくらい直視するさ」
言われてエセルはしぶしぶ和音の躰から降りる。すると和音の未だ太く滾ったものは勿論、腹の下辺りから大腿部までが真っ赤に染まっていた。思わず和音を窺う。
さすがに和音もそれを目にすると、数秒間沈黙したのちエセルに訊いた。
「傷を広げたら確実に一日二日は歩けねぇぞ。もうやめとくか?」
「アナタは欲しがってるじゃない。僕も、もっと欲しい」
「じゃあ動けるようになるまで有休でも取ろうぜ、あれだけ精勤したんだしさ」
意外にあっさり和音は言い放つと軽い躰をくるりと俯せにさせる。エセルは上体をシーツに預け、膝を立てた脚を軽く開いて秘部も露わな姿態を取った。そうすると白い躰に付着した血も目に入った筈だが、エセルが不安に思うヒマもなく腰を掴まれ貫かれる。和音に激しく粘膜を擦過され、喘ぎが勝手に喉から洩れた。
「はぁんっ! すごい、太い、硬いよ……あぅんっ!」
「お前も、メチャメチャ狭い……きついぜ!」
背後から存分に攻められ、互いに再び達してからエセルは仰向けにされる。
「ああん、もっと……もっと速くして!」
「くっ……こんな風にか?」
咥え込まされた太いものから堪らない快感が絶え間なく与えられている。だが再びあの頭の芯を白く灼くような感覚を得たくて、悶えるエセルは思わずせがんでいた。応えて和音は長めの前髪から汗を滴らせながら腰のスライドを思い切り速くする。
「和音、和音……いい、すっごく気持ちいい――」
「俺も、すっげぇいいぜ……くうっ、エセル、俺のエセル!」
大きく叫ぶなり和音がふいにエセルの上体をすくい上げた。跪いた和音に跨るように座らされ、真下から貫かれたまま全身を揺さぶられる。エセルは喉を振り絞って声を上げた。
「い、やあ……やだ、深い、や、ああんっ!」
「だめだ、エセル……もっと深くまで俺にくれ……エセル!」
本当にエセルが嫌がっていれば、まだ理性を留めた和音はやめただろう。だが反応しているのはお見通しだ。喉から洩れる嗄れかけた声は甘さを帯びている。
「んっ、あ、はぅんっ! 深すぎる……や、あん!」
「俺しか、俺だけしか知らない処にまで届かせてやるからな!」
やがてぐったりしたエセルは和音の腕に支えられて寝かせられた。
「どうしたの、和音。すごく感じやすくなってない?」
「お預けで溜めてたからさ。マジでエセルお前、覚悟しといてくれよな」
「そっか。でもアナタも覚悟してね、ホントに和音だけだって分からせてあげるんだから」
互いに言葉で煽りながら指先に想いを込めて肌に触れ合った。低く甘く切ない声を洩らす和音は酷く色っぽく、吸い寄せられるようにエセルはキスを仕掛けている。
最初から激しく舌を絡め合った。何度も和音に要求されて唾液を送り込む。
「っん! んんぅ……んっ、んんっ……はあっ! あぅん!」
息が上がるほど求められ、解放されるなり噛みつく勢いで薄い肩を吸われた。甘い痛みが移動してきて、華奢な鎖骨から首筋まできつく吸い上げられる。通常の衣服なら身に着けても見えてしまう処にまで和音の所有印を穿たれ、エセルは幸せでまた泣きそうになった。
「ああっ、それ以上は……和音、だめだって、はぁん」
「冬だし、マフラーでも巻いときゃいいって」
「それなら……僕も和音につけていい?」
頷かれてエセルは恐る恐る和音の鎖骨に口づけ吸ってみる。何度か試して一度上手くつけられると、嬉しくなってエセルは鎖骨から首筋まで、和音を赤いあざだらけにしてしまう。鏡もないのに分かるのか、和音は赤い痕を撫でながら苦笑した。
「和音……アナタの笑顔、すごく素敵」
「いきなり何なんだよ、そいつは?」
「ううん、どんな和音でも素敵なんだけどね」
「そうか、素直に受け取っておくとするか」
更に笑みを深くした和音をエセルは僅かに離れて眺める。あちこちに傷痕があり、今も腕と肩にガーゼを貼っているが、本当に造形美術品のようで、幾ら見ても見飽きなかった。
「愛してる、和音。愛してるけど、ごめんね」
「俺も愛してるが、どうしてそこで謝るんだよ?」
「愛してるけど、何処まで愛しても愛し足りないから足りない分の『ごめん』なの」
そう言って見上げると、和音は切れ長の目を僅かに眇めて見返している。投げ出した和音の脚の間にエセルはぺたりと座った形で、互いの躰が変化しているのは勿論分かっていた。
とっくに和音は成長したものの先端から透明の蜜を零している。いつもながら息を呑むほどに太いそれは下腹にくっつきそうに反り返っていた。
「でさ、お前はそうやって見てるだけでいいのか?」
「いい訳ないでしょ」
和音が醸す揺らめき立ち上るような男の色気に酔い、もう堪らなくなったエセルは逞しい躰に抱きついて、和音の耳元で甘く囁きせがんでいる。
「お願い、和音が欲しいよ。入れて。思い切り突き上げて」
「ああ、分かった。待ってろ……って、エセル、ちょっと待て!」
唐突にエセルは和音をシーツに押し倒していた。急激に愛しさが胸の中に膨れ上がったエセルは欲望のままに和音に跨っている。それだけではない、熱く太く硬い和音を掴んで自分の後ろに押し当てたのだ。そのまま細い腰を落とそうとする。和音は焦って声を上げた。
「待てって、エセル、だめだ!」
「だめじゃないよ。僕がアナタのものっていう証拠、見せてあげるんだから」
「そういう問題じゃ……あっ、く、エセル、お前が怪我するから、だめだ!」
「怪我してもいい……我慢できない、あっふ……はぅん!」
止める和音の声を無視して僅かずつ、エセルは座り込むように腰を落とし始める。しかしやはりそれは危険すぎる行為だった。なかなか受け入れることができない。エセルは躰を軋ませるような痛みに耐える。けれどそんな痛みまでもが愛しくて、全ては疼きに変換された。
「くうっ……やっぱり無理だって! 先に馴らしてやるから退け」
「無理じゃない……あんな、あんな奴らに裂かれて僕は……僕は、和音にこそ裂かれたい!」
「そんなお前……俺はお前を傷つけたくねぇんだって! だから退け!」
「やだっ! お願いだから……一度でいいから和音に、アナタに刻んで貰えたら、僕は汚い奴らを『これは和音だ』って無理矢理自分に思い込ませなくてもよくなるんだから! 本当の和音を思い出すだけで済むんだから!」
「……エセルお前」
「もう……もう自分を騙せない、騙せなかった……つらいよ!」
自身でも自覚していなかったことを絶叫していて束の間エセルは呆然とする。絶叫された和音も言葉を失くしたように固まったまま、エセルを見上げていた。数秒間見つめ合ったが、和音がいつまでも固まっているので、呆れ果てられたのかとエセルは不安になる。
「でも、そんなの迷惑だよね。血だって出ちゃうだろうし」
「あ、いや、迷惑とかいう問題じゃねぇんだがな」
「じゃあ、もしかしてこれからも誰かに抱かれる前提の僕が嫌になっちゃった?」
「誰かに抱かれるっつーのは許容しがたい気はするんだが……」
自分にも問うように和音は言葉を探しながらゆっくりと続けた。
「でもその行為がどうしてもお前に必要な儀式なら、俺も覚悟を決めるしかねぇよ」
「強制はできないし『嫌々だけど仕方なく』って言うなら、僕も嫌われたくないし」
「『仕方なく』でも『お前に協力』でもねぇんだ」
長めの前髪をかき上げ、和音は真剣な目をしてエセルに頷く。
「俺だってお前を引き裂いて壊れるくらい抱きたい。壊すなら俺が壊したい。他の誰かにつけられた傷より、もっと深く俺が傷つけてやる。お前が望んで許してくれるならな」
「ホントに……してくれるの?」
「したくなければ躰の方が正直だと思うぜ」
確かに和音の言う通りだった。頷き返すとエセルは再び和音を後ろにあてがう。溢れて茎を伝うまでとなった蜜を塗り込み、軽い体重を掛けて受け入れ始めた。
やがて堪らなくなったのか和音が僅かに腰を揺らした。ピリッとした痛みが徐々に広がって痺れたようにエセルは感じる。それでも腰を落とす動きは止めなかった。
「んっ、はぅん……あっ、あっ……和音、お願い、きて!」
「エセル、すまん……お前を、一番大事なお前を傷つけるからな!」
下から和音も身を反らすようにして腰を持ち上げる。溢れた蜜の助けで切っ先を食い込ませ、次には思い切り腰を突き上げていた。エセルが悲鳴のような声を洩らす。
「あうんっ! あっ、つっ……はぁんっ!」
裂かれた痛みとこの上ない悦びで、いつの間にかエセルはアメジストの瞳から涙を溢れさせていた。下から和音が心配げな目で見つめながらも華奢な躰に己を根元までねじ込む。エセルは上体を倒して自分を貫く和音と身を重ねた。和音の鼓動が速い。
「和音、大丈夫?」
「正直、俺も痛いんだがな。お前よりずっとマシだと思うぞ。痛むよな?」
「大丈夫とは言わないけど、それでも欲しい。くれる?」
返事の代わりに和音が軽く腰を揺らす。エセルも身を起こすとゆっくり細い腰を持ち上げては落とし出した。まもなくエセルの躰が追いついてきて、難なく和音を受け入れられるようになる。和音の痛みも治まると二人は上下から腰をぶつけ合った。
「ちょっ、エセル……ンなにすると保たねぇって、くっ!」
「あっ、ふ……我慢しないで、いっていいから!」
「っく、いくなら一緒だ……エセル、エセル!」
名を呼びながら和音が腰を縦に横にと蠢かせる。熱い粘膜をこね回されて、エセルも背筋を疼きが逆流してくるのを感じ、喉を仰け反らせて腰の上下を速くした。体内の和音が明らかに変化する。エセルは一番奥に欲しくて動きを止めた。
「ああん、もういっちゃう……和音、早く……はうんっ!」
「エセル……くっ、あ……いくぞ……うっ、く――」
和音が幾重にも迸らせた熱く濃いものは驚くほど大量で、エセルはずぶ濡れにされた。同時にエセルが放ったものは和音の胸から頬にまで飛び散る。二人は何度も身を震わせて弾けさせた。
放ってしまうとエセルは脱力して和音に身を預ける。静かに余韻を愉しんだ二人だが互いにこれで終わりとは思っていない。
けれどエセルを抱き締めたまま和音が身を起こそうとしたのを、エセルは留めた。
「何だよ、俺には乗っからせてくれねぇのか?」
「ん……ってゆうか、その、見ちゃったらアナタが――」
「別に引っ込まねぇよ。自分でやったことくらい直視するさ」
言われてエセルはしぶしぶ和音の躰から降りる。すると和音の未だ太く滾ったものは勿論、腹の下辺りから大腿部までが真っ赤に染まっていた。思わず和音を窺う。
さすがに和音もそれを目にすると、数秒間沈黙したのちエセルに訊いた。
「傷を広げたら確実に一日二日は歩けねぇぞ。もうやめとくか?」
「アナタは欲しがってるじゃない。僕も、もっと欲しい」
「じゃあ動けるようになるまで有休でも取ろうぜ、あれだけ精勤したんだしさ」
意外にあっさり和音は言い放つと軽い躰をくるりと俯せにさせる。エセルは上体をシーツに預け、膝を立てた脚を軽く開いて秘部も露わな姿態を取った。そうすると白い躰に付着した血も目に入った筈だが、エセルが不安に思うヒマもなく腰を掴まれ貫かれる。和音に激しく粘膜を擦過され、喘ぎが勝手に喉から洩れた。
「はぁんっ! すごい、太い、硬いよ……あぅんっ!」
「お前も、メチャメチャ狭い……きついぜ!」
背後から存分に攻められ、互いに再び達してからエセルは仰向けにされる。
「ああん、もっと……もっと速くして!」
「くっ……こんな風にか?」
咥え込まされた太いものから堪らない快感が絶え間なく与えられている。だが再びあの頭の芯を白く灼くような感覚を得たくて、悶えるエセルは思わずせがんでいた。応えて和音は長めの前髪から汗を滴らせながら腰のスライドを思い切り速くする。
「和音、和音……いい、すっごく気持ちいい――」
「俺も、すっげぇいいぜ……くうっ、エセル、俺のエセル!」
大きく叫ぶなり和音がふいにエセルの上体をすくい上げた。跪いた和音に跨るように座らされ、真下から貫かれたまま全身を揺さぶられる。エセルは喉を振り絞って声を上げた。
「い、やあ……やだ、深い、や、ああんっ!」
「だめだ、エセル……もっと深くまで俺にくれ……エセル!」
本当にエセルが嫌がっていれば、まだ理性を留めた和音はやめただろう。だが反応しているのはお見通しだ。喉から洩れる嗄れかけた声は甘さを帯びている。
「んっ、あ、はぅんっ! 深すぎる……や、あん!」
「俺しか、俺だけしか知らない処にまで届かせてやるからな!」
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