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第79話・Si vis pacem, fac bellum(汝平和を欲さば、戦をせよ)
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翌日は十時前に二人揃って食堂に顔を出した。すると昨夜酔い醒ましの薬も飲まずに沈没したカールが青い顔でミソスープを啜っていて、思わずハイファは笑う。
「笑い事じゃないだろう、飲ませるだけ飲ませておいて放置とは冷たいじゃないか」
珍しいカールの尖った声とミソスープの匂いで状況把握してシドは諭した。
「類友だぜ、カール。情けは人のためならずとも言うが」
「どうせ私はロクな友人に恵まれず、己のために情けの種も蒔いてはこなかったよ」
初めての二日酔いが余程効いているらしい、完全にふて腐れている。
セルフでマグカップふたつにコーヒーを淹れ、ハイファが着席したシドに手渡した。
「ほら、あんたたち。朝食は一日の活力源だ、持ってきな!」
景気のいいメリンダの声も頭に響くようでカールは顔をしかめている。ハイファがトレイを受け取ってテーブルに並べるもミソスープだけで精一杯といった風情だ。
扱いづらい二日酔い男を半ば無視し、シドとハイファは朝食に取り掛かる。今朝のメニューはバゲットのフレンチトーストにハムソテー、茹で野菜サラダにポタージュだった。
見えないシドの分はポタージュ以外、全てひとくちサイズである。それでもやはり一人で食べるのは無理があり、ハイファから「あーん」されるしかない。
ゆっくりと時間を掛けて食していると、気を紛らわすためかカールがTVを点けた。地元局のニュースを流し視たのち、テラ連邦内でも大手メディアのRTVランシーナ支局のニュースに合わせる。
「第四惑星アーデンは本星並みに平和みてぇだな。タレントの出産がトップニュースとは」
「同じ星系内で内紛やってるとは思えないよね」
「ここからたった五百キロ先でも戦災孤児がゲリラにならざるを得ない状況だ。ドレッタは治外法権じみているが、全ての火種はここにあるんだ」
低く呟いたカールにシドが真剣に訊く。
「王宮が呼び掛けてもゲリラは王政復古の看板を撤回しそうにねぇのか?」
「内紛長期化を目論む星系政府は上手く機能しすぎている。噂に過ぎないがゲリラを煽るプロパガンダすら陰で行っていると言われているほどだ」
「そこで王宮が今更口出ししても意味がない?」
首を傾げたハイファにカールは水色の目を伏せて頷いた。
「認めたくはないけれどね。私が積極的に王になりたくない理由もそこにある。お飾りの王は星系政府の犬も同然なんだ。与えられた仕事をしてエサを貰う。それだけなんだよ」
フレンチトーストを口に入れられ、咀嚼し飲み込んだシドは鼻を鳴らす。
「ふん。そいつを変えられる『タイミング』が来なけりゃ、あんたは本星でサラリーマンだ」
ふいに顔を上げてカールはシドを凝視した。探るような目で見つめ、口を開きかけた。そのときホロ画面でRTVのキャスターが新たなニュースを告げ始める。
《本日未明、ランシーナ第六駐屯地から約七十キロ先の最前線で大規模な戦闘があった模様です。この戦闘によってゲリラ側、軍側双方に甚大な人的被害が出、中でも第二十七懲罰中隊が殆ど壊滅状態に陥ったとの情報が入っております。次のニュースです……》
カールは勿論、ハイファも食い入るように画面を見つめていた。シドもタレントの出産と同列に語られたニュースに耳を疑う思いだった。第二十七懲罰中隊には生き延びるために躰まで売ったセシルが、あの状況下でも明るさを失っていなかったディックがいるのだ。
「嘘だろ、おい?」
「映像はなかったし、最前線のホットゾーンの情報なんて交錯してるから誤報も――」
「ハイファ、もういい」
カールがリモータ操作し始めた気配をシドは感じ取る。舌打ちまでするのを聞きながらハイファと二人で味のしなくなった食事を黙々と胃に詰め込んだ。
やがてシドがチェーンスモーク五本目に火を点けた頃、カールが重い溜息をつく。
「第六駐屯地、いわゆる前線司令部の情報だ。第二十七懲罰中隊に於いては四小隊百二十五名中、八十六名の死亡を確認。三十九名安否不明。補給母艦はゲリラ側に鹵獲された」
「八十六名がKIAか。あいつらが三十九名のMIAに入っててくれたら……」
呟いたシドだったが、この場合のMIAが望み薄なのは分かっていた。あの極限状況で補給母艦をゲリラに奪われたのだ。戦闘で死なずとも凍死は時間の問題である。
「カールだけでも助かってよかったね」
ごく素直にハイファは思いを口にしただけだったが、途端にカールは逆上した。
「何処がいいんだ! 私は彼らに『犬死にさせない』と言ったんだぞ! まだ新しい中隊長も着任前、彼らは指揮する者も居ずして、まさに犬死にしたんだ! 自分を過大評価するでもないが私がいればここまで無惨なことにはならなかった、絶対にさせなかったんだ!」
テーブルにこぶしを打ち付けて叫んだカールの肩にハイファは手を置く。
「ごめんね、『カールだけ生き残ってよかったね』じゃなくて、彼らのことを誰よりも思ってるカールだもん、生きて彼らの記憶を伝えていくにふさわしいって思っただけなんだけど……」
勢い立ち上がり、肩で息をしていたカールは大きく深呼吸した。
「取り乱してすまない。だが……私は彼らにどう償えばいいんだ?」
「それは僕にも分からない。冷たいようだけど死んだ人は帰ってこないし」
じっと聞いていたシドが煙草を燻らせながら口を開く。
「死んだ人間に償うことなんか本当はできねぇ。それを世の中は遺族へのカネなんかに換算するが、死んだ本人が喜ぶ訳でもねぇ、死体や遺骨は何も食えねぇからな。だからとにかく生き残った人間が納得する方法を考えることだ」
「生き残った人間が納得する方法?」
オウム返しに訊いたカールにシドは頷いた。
「ああ、そうだ。そしてカール、あんたも例外でなく生き残った人間だ」
赤くした水色の目を瞠ってカールは椅子に腰掛ける。シドとハイファを見返した。
「キミたちは私より幾つか若い。なのにどうしてこんな難問の答えを持っているんだい?」
「それはね、カール。イヴェントストライカと一緒にいると、有り得ないことなんか世の中にないって思えるほど、毎日連続して信じがたい体験ができるからだよ」
「うるせぇハイファ。それよりあんたも本星にきて軍に入って、ユアン=ガードナーっつー妖怪野郎にこき使われてみれば、テラ標準歴一年そこそこで悟りの境地が開けるようになるぜ」
頭を振ってカールは溜息を洩らす。
「よく分からないが波瀾万丈の日々らしいね」
「あんたと人生交換して俺は玉座を枕に寝ていたいくらいだ」
「星系政府の飼い殺しでもかい?」
「まあな。あー、そんな幸せが降ってこねぇかな」
天井を仰いだシドにカールはようやく笑顔を取り戻した。食欲も出たらしくトレイの冷めた朝食をフォークでつつき始める。ハイファが三人分のコーヒーを淹れ直す。音で様子を知ったシドも煙草を一旦我慢して一人だけぬるめのコーヒーを啜った。
カールがトレイを返すとメリンダからデザートのイチゴが差し出される。
イチゴを「あーん」したのはいいが酸っぱさに一個でギヴしシドは煙草を咥えた。
「カール、実際あんたはどうするつもりなんだ?」
「玉座のことかい?」
「ああ。腹の括り時、そう思ってんじゃねぇのか?」
「お見通しのようだね。キミたちのお蔭で弔い合戦に出る踏ん切りがついたみたいだよ。小人物の無様な戦いぶりをキミたちも見ていてくれるかい?」
フォークでイチゴを突き刺したままハイファが水色の目を見返す。
「じゃあ、玉座を背負うの?」
「これを食べたら王宮から迎えを呼ぶ。星系政府首相に連絡して戴冠式はたぶん明後日の明るいうちだね。場所は……そうだな、第二十七懲罰中隊の跡地にしようか」
「笑い事じゃないだろう、飲ませるだけ飲ませておいて放置とは冷たいじゃないか」
珍しいカールの尖った声とミソスープの匂いで状況把握してシドは諭した。
「類友だぜ、カール。情けは人のためならずとも言うが」
「どうせ私はロクな友人に恵まれず、己のために情けの種も蒔いてはこなかったよ」
初めての二日酔いが余程効いているらしい、完全にふて腐れている。
セルフでマグカップふたつにコーヒーを淹れ、ハイファが着席したシドに手渡した。
「ほら、あんたたち。朝食は一日の活力源だ、持ってきな!」
景気のいいメリンダの声も頭に響くようでカールは顔をしかめている。ハイファがトレイを受け取ってテーブルに並べるもミソスープだけで精一杯といった風情だ。
扱いづらい二日酔い男を半ば無視し、シドとハイファは朝食に取り掛かる。今朝のメニューはバゲットのフレンチトーストにハムソテー、茹で野菜サラダにポタージュだった。
見えないシドの分はポタージュ以外、全てひとくちサイズである。それでもやはり一人で食べるのは無理があり、ハイファから「あーん」されるしかない。
ゆっくりと時間を掛けて食していると、気を紛らわすためかカールがTVを点けた。地元局のニュースを流し視たのち、テラ連邦内でも大手メディアのRTVランシーナ支局のニュースに合わせる。
「第四惑星アーデンは本星並みに平和みてぇだな。タレントの出産がトップニュースとは」
「同じ星系内で内紛やってるとは思えないよね」
「ここからたった五百キロ先でも戦災孤児がゲリラにならざるを得ない状況だ。ドレッタは治外法権じみているが、全ての火種はここにあるんだ」
低く呟いたカールにシドが真剣に訊く。
「王宮が呼び掛けてもゲリラは王政復古の看板を撤回しそうにねぇのか?」
「内紛長期化を目論む星系政府は上手く機能しすぎている。噂に過ぎないがゲリラを煽るプロパガンダすら陰で行っていると言われているほどだ」
「そこで王宮が今更口出ししても意味がない?」
首を傾げたハイファにカールは水色の目を伏せて頷いた。
「認めたくはないけれどね。私が積極的に王になりたくない理由もそこにある。お飾りの王は星系政府の犬も同然なんだ。与えられた仕事をしてエサを貰う。それだけなんだよ」
フレンチトーストを口に入れられ、咀嚼し飲み込んだシドは鼻を鳴らす。
「ふん。そいつを変えられる『タイミング』が来なけりゃ、あんたは本星でサラリーマンだ」
ふいに顔を上げてカールはシドを凝視した。探るような目で見つめ、口を開きかけた。そのときホロ画面でRTVのキャスターが新たなニュースを告げ始める。
《本日未明、ランシーナ第六駐屯地から約七十キロ先の最前線で大規模な戦闘があった模様です。この戦闘によってゲリラ側、軍側双方に甚大な人的被害が出、中でも第二十七懲罰中隊が殆ど壊滅状態に陥ったとの情報が入っております。次のニュースです……》
カールは勿論、ハイファも食い入るように画面を見つめていた。シドもタレントの出産と同列に語られたニュースに耳を疑う思いだった。第二十七懲罰中隊には生き延びるために躰まで売ったセシルが、あの状況下でも明るさを失っていなかったディックがいるのだ。
「嘘だろ、おい?」
「映像はなかったし、最前線のホットゾーンの情報なんて交錯してるから誤報も――」
「ハイファ、もういい」
カールがリモータ操作し始めた気配をシドは感じ取る。舌打ちまでするのを聞きながらハイファと二人で味のしなくなった食事を黙々と胃に詰め込んだ。
やがてシドがチェーンスモーク五本目に火を点けた頃、カールが重い溜息をつく。
「第六駐屯地、いわゆる前線司令部の情報だ。第二十七懲罰中隊に於いては四小隊百二十五名中、八十六名の死亡を確認。三十九名安否不明。補給母艦はゲリラ側に鹵獲された」
「八十六名がKIAか。あいつらが三十九名のMIAに入っててくれたら……」
呟いたシドだったが、この場合のMIAが望み薄なのは分かっていた。あの極限状況で補給母艦をゲリラに奪われたのだ。戦闘で死なずとも凍死は時間の問題である。
「カールだけでも助かってよかったね」
ごく素直にハイファは思いを口にしただけだったが、途端にカールは逆上した。
「何処がいいんだ! 私は彼らに『犬死にさせない』と言ったんだぞ! まだ新しい中隊長も着任前、彼らは指揮する者も居ずして、まさに犬死にしたんだ! 自分を過大評価するでもないが私がいればここまで無惨なことにはならなかった、絶対にさせなかったんだ!」
テーブルにこぶしを打ち付けて叫んだカールの肩にハイファは手を置く。
「ごめんね、『カールだけ生き残ってよかったね』じゃなくて、彼らのことを誰よりも思ってるカールだもん、生きて彼らの記憶を伝えていくにふさわしいって思っただけなんだけど……」
勢い立ち上がり、肩で息をしていたカールは大きく深呼吸した。
「取り乱してすまない。だが……私は彼らにどう償えばいいんだ?」
「それは僕にも分からない。冷たいようだけど死んだ人は帰ってこないし」
じっと聞いていたシドが煙草を燻らせながら口を開く。
「死んだ人間に償うことなんか本当はできねぇ。それを世の中は遺族へのカネなんかに換算するが、死んだ本人が喜ぶ訳でもねぇ、死体や遺骨は何も食えねぇからな。だからとにかく生き残った人間が納得する方法を考えることだ」
「生き残った人間が納得する方法?」
オウム返しに訊いたカールにシドは頷いた。
「ああ、そうだ。そしてカール、あんたも例外でなく生き残った人間だ」
赤くした水色の目を瞠ってカールは椅子に腰掛ける。シドとハイファを見返した。
「キミたちは私より幾つか若い。なのにどうしてこんな難問の答えを持っているんだい?」
「それはね、カール。イヴェントストライカと一緒にいると、有り得ないことなんか世の中にないって思えるほど、毎日連続して信じがたい体験ができるからだよ」
「うるせぇハイファ。それよりあんたも本星にきて軍に入って、ユアン=ガードナーっつー妖怪野郎にこき使われてみれば、テラ標準歴一年そこそこで悟りの境地が開けるようになるぜ」
頭を振ってカールは溜息を洩らす。
「よく分からないが波瀾万丈の日々らしいね」
「あんたと人生交換して俺は玉座を枕に寝ていたいくらいだ」
「星系政府の飼い殺しでもかい?」
「まあな。あー、そんな幸せが降ってこねぇかな」
天井を仰いだシドにカールはようやく笑顔を取り戻した。食欲も出たらしくトレイの冷めた朝食をフォークでつつき始める。ハイファが三人分のコーヒーを淹れ直す。音で様子を知ったシドも煙草を一旦我慢して一人だけぬるめのコーヒーを啜った。
カールがトレイを返すとメリンダからデザートのイチゴが差し出される。
イチゴを「あーん」したのはいいが酸っぱさに一個でギヴしシドは煙草を咥えた。
「カール、実際あんたはどうするつもりなんだ?」
「玉座のことかい?」
「ああ。腹の括り時、そう思ってんじゃねぇのか?」
「お見通しのようだね。キミたちのお蔭で弔い合戦に出る踏ん切りがついたみたいだよ。小人物の無様な戦いぶりをキミたちも見ていてくれるかい?」
フォークでイチゴを突き刺したままハイファが水色の目を見返す。
「じゃあ、玉座を背負うの?」
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