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第5話・新年早々働く人々・世話になるが人間扱いされない人
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シドはハイファと五分署員らに連行されるようにしてオジアーナを出た。
高級中華や和食レストランなどが居並ぶ中でも格が最上のラ・キュイジーヌ・フランセーズ・オジアーナでの殺人だ。そんな事件とは縁のない一般人、いや、かなりの上流階級者たちが野次馬と化してオジアーナ内を覗き込もうとしている。
黒服の男性たちと彼らにエスコートされて裳裾を引きずる女性たちに注視されながら、シドたち一団は円形になったロビーを縦断した。
ロビーにはエアカーテンで仕切られた喫煙ブースもあったが、ここで悠長に煙草を吸わせて貰える筈もなくエレベーターホールへと直行である。
とうの昔にニコチン・タールは無害物質と置き換えられたが、企業努力として依存物質は混入されている。そこに嵌った哀れな中毒患者はポケットの煙草を握り締めながらエレベーターに乗った。
屋上階に上がると宿泊者であるシドとハイファは、そこにもあるフロントで外出を告げ、慇懃なホテルマンに見送られてライトも眩い屋上面のBEL駐機場に出る。
グレードの高い豪華個人BELばかりが並ぶ中で質素な緊急機は非常に目立った。まだ残っている迷彩塗装の軍用機と五分を張るほどだ。そんな汎用機のスライドドアを開けられ、シドは操縦席の後部に二列並んだ最後部席に陣取った。ハイファが隣に腰掛ける。
全員が乗り込むとパイロット役の五分署機捜課員が反重力装置を起動、七分署管内のセントラル・リドリー病院を座標指定しオートパイロットをオンにする。信号波を出して七十五階建ての屋上風よけドームを開かせた。テイクオフした緊急機が夜空に舞い上がる。
途端に前照灯が白く舞うものを反射した。
「珍しいね、雪なんて」
「本当だな。気象制御装置の稼働対象にならなかったのか」
強風に煽られながら地上に落ちてゆく雪は結構本格的な降りだった。五分署員らと同時にハイファもリモータ操作しウェザコントローラ情報にアクセスする。
「へえ、零時から十二時まで降らせるんだってサ」
「そいつは長いな。少しは積もるのが見られるか」
この大都市で地上の地面は殆ど融雪作用の高いファイバブロック張り、滅多に積雪など拝めないのだ。シドは子供のように少々気分を上昇させる。そうして雪を追うようにBELの窓から大通りを眺め下ろした。
さすがにこの時間はテラ本星セントラルエリアといえども、交通量は減っていた。小型反重力装置を備えて僅かに地から浮いて走るコイルも、雪に滲ませるヘッドライトの輝きは間隔を随分と開けている。ニューイヤーだがテラ人が神サマを拝む習慣を捨てて久しい。
BELの高々度での速度はマッハ二を超える。だが緊急BELはまるで遊覧飛行のように低空をゆったりと飛んだ。それでもセントラル・リドリー病院まで十分と掛からない。
ちなみに太陽系広域惑星警察に於いて本星セントラルエリアは官庁街を中心とし、一分署から八分署までケーキを切るように放射状に管轄分けされている。
セントラルエリアでも救急救命で突出したセントラル・リドリー病院は、背こそ低いがどっしりとした大質量で夜の中に佇んでいた。天井を高く取られた五階の救急機駐機場に緊急機は滑り込み、救急機の間にランディングする。
五階救急救命フロアはいつもながらの野戦病院状態だった。
そんな中でも馴染みの看護師が声を掛けてくれる。
「あら、シド。今日は何処を撃たれたの?」
左手を振って見せ、処置室に誘導して貰った。早速これも馴染みの医師に簡易スキャンされる。全員が見守る中で医師が所見を述べた。
「ふうん、シド。あんたにしては撃たれ方がよかったな。骨にも異常なしだ」
手首を縛った捕縛用樹脂バンドを切られると多少出血したが、痕が残らないよう再生液で綺麗に洗い流されてみると、貫通銃創とはいえシドにしては大した怪我ではなかった。
傷を生温かい滅菌ジェルで消毒し、合成蛋白スプレーを分厚く吹きつけてから合成蛋白接着剤で塞ぎ、人工皮膚テープを貼り付けて処置は終了だ。
「手首に痛覚ブロックテープ、巻くか?」
「結構だ」
「だろうな。あとで外傷所見は五分署に送る。お大事に」
看護師にアームホルダーで左手を首から吊られ、シドは皆と一緒に追い出された。
「で、イヴェントストライカと嫁さんはどうする?」
五分署員の『嫁さん』口撃に怯んだシドの代わりにハイファが応える。
「マイスノーホテルに戻って貰っていいですか?」
再び緊急機に乗り込んでテイクオフしてからシドはハイファの横顔を窺った。シドの怪我の心配もあるだろうが、ハイファはずっと硬い顔で何事かを考え込んでいる。
「なあ、お前ハイファ、どうしたんだよ?」
「どうしたって……分からない?」
「お前が呼んだのか?」
「違うよ。でもまあ、現場を見ておいて貰うのもいいんじゃないかな」
「ふ……ん、何だか嫌な予感がしてきやがったぜ」
本当はシドとしては自室のある七分署管内の単身者用官舎ビルに帰って寝たかったのだ。病院からならタクシーでも十分ほどで帰り着ける。明日は休日でもあった。事件そのものに興味はあったが、明後日以降でも七分署で捜査戦術コンを通せば手に入ることである。
そうでなくともTVニュースで大概の情報は得られるだろう。
けれどハイファがああ言ったのと、事件現場のオジアーナにセントラル基地からやってきた兵士数名を指揮する制服男が見知った人間だったのが少々気になっていた。
濃緑色のテラ連邦陸軍制服を着て焦げ茶のタイを締めた中年男、それはハイファの別室での直属上司キンバリー=エアハート一等陸佐だったのである。
マイスノーホテルに辿り着くと、シド以上に嫌な顔をする五分署員らに構わず、二人もオジアーナに戻った。だがオジアーナ内には踏み入らずシドは入り口の見えるロビーで足を止める。喫煙コーナーでやっと煙草を咥えオイルライターで火を点けた。
二本を立て続けに吸って頭蓋内に脳ミソが収まっているのを実感する。
「お前が呼んだ訳でもねぇのに、何でお前の上司が出張って来てんだよ?」
「さあ? でもハッキリ言って由々しき自体であるのは確かだし」
オジアーナの周りにはまだ野次馬がいたものの、磨き上げられたオートドア越しに捜査員らに混じって兵士と制服姿が垣間見えていた。それを窺いつつハイファがまだ動きそうにないのを見取ってシドはチェーンスモークだ。
やがて兵士と出てきた制服姿に対してハイファは黙礼したのみ、軍人たちがエレベーターホールへと消えるのをあっさり見送ってしまう。シドは拍子抜けした。かといって五分署の同輩たちにもハイファが軍人であることを知られてはならないのだ、当然ではあった。
「さて。どうするの、ここの部屋に行くか官舎に帰るか」
「俺はお前に任せたつもりだったんだが……いい、ここに泊まろうぜ」
「そうだね、せっかくタマもマルチェロ先生に預けてきたんだし」
タマはオスの三毛猫で二人の飼い猫、マルチェロ医師はシドの自室の隣人だ。
ともあれシドが煙草を消すと二人はエレベーターで五十七階まで下った。当たったチケットで取った部屋は五七〇二号室で喫煙のダブルだ。
広く明るい通路を歩き、辿り着いた部屋の前でオートドア脇のリモータチェッカに交互にリモータを翳す。フロントで流されていたキィロックコードが認識されロックが解けた。センサ感知しオートドアを開ける。
さすがにマイスノーホテル、室内は広く豪華ながら趣味が良かった。
高い天井からは小ぶりながらシャンデリアが下がっている。毛足の長い絨毯は臙脂とベージュの細かな織り模様だ。エンボスの壁紙には当代の有名作家が手がけたシルクスクリーンが掛かり、テーブルやチェアにクローゼットなどの調度は赤茶色の天然木材である。
ソファセットはアイボリーの本革張り、ダブルベッドの夜具はシルクらしかった。
「すごーい、あの壺に活けてあるのも本物の花だよ」
「なんか却って落ち着かねぇな」
「そう言わずに、ほら、座って。コーヒーでも淹れようか?」
「あー、俺が淹れる」
「だめっ、座ってて!」
高級中華や和食レストランなどが居並ぶ中でも格が最上のラ・キュイジーヌ・フランセーズ・オジアーナでの殺人だ。そんな事件とは縁のない一般人、いや、かなりの上流階級者たちが野次馬と化してオジアーナ内を覗き込もうとしている。
黒服の男性たちと彼らにエスコートされて裳裾を引きずる女性たちに注視されながら、シドたち一団は円形になったロビーを縦断した。
ロビーにはエアカーテンで仕切られた喫煙ブースもあったが、ここで悠長に煙草を吸わせて貰える筈もなくエレベーターホールへと直行である。
とうの昔にニコチン・タールは無害物質と置き換えられたが、企業努力として依存物質は混入されている。そこに嵌った哀れな中毒患者はポケットの煙草を握り締めながらエレベーターに乗った。
屋上階に上がると宿泊者であるシドとハイファは、そこにもあるフロントで外出を告げ、慇懃なホテルマンに見送られてライトも眩い屋上面のBEL駐機場に出る。
グレードの高い豪華個人BELばかりが並ぶ中で質素な緊急機は非常に目立った。まだ残っている迷彩塗装の軍用機と五分を張るほどだ。そんな汎用機のスライドドアを開けられ、シドは操縦席の後部に二列並んだ最後部席に陣取った。ハイファが隣に腰掛ける。
全員が乗り込むとパイロット役の五分署機捜課員が反重力装置を起動、七分署管内のセントラル・リドリー病院を座標指定しオートパイロットをオンにする。信号波を出して七十五階建ての屋上風よけドームを開かせた。テイクオフした緊急機が夜空に舞い上がる。
途端に前照灯が白く舞うものを反射した。
「珍しいね、雪なんて」
「本当だな。気象制御装置の稼働対象にならなかったのか」
強風に煽られながら地上に落ちてゆく雪は結構本格的な降りだった。五分署員らと同時にハイファもリモータ操作しウェザコントローラ情報にアクセスする。
「へえ、零時から十二時まで降らせるんだってサ」
「そいつは長いな。少しは積もるのが見られるか」
この大都市で地上の地面は殆ど融雪作用の高いファイバブロック張り、滅多に積雪など拝めないのだ。シドは子供のように少々気分を上昇させる。そうして雪を追うようにBELの窓から大通りを眺め下ろした。
さすがにこの時間はテラ本星セントラルエリアといえども、交通量は減っていた。小型反重力装置を備えて僅かに地から浮いて走るコイルも、雪に滲ませるヘッドライトの輝きは間隔を随分と開けている。ニューイヤーだがテラ人が神サマを拝む習慣を捨てて久しい。
BELの高々度での速度はマッハ二を超える。だが緊急BELはまるで遊覧飛行のように低空をゆったりと飛んだ。それでもセントラル・リドリー病院まで十分と掛からない。
ちなみに太陽系広域惑星警察に於いて本星セントラルエリアは官庁街を中心とし、一分署から八分署までケーキを切るように放射状に管轄分けされている。
セントラルエリアでも救急救命で突出したセントラル・リドリー病院は、背こそ低いがどっしりとした大質量で夜の中に佇んでいた。天井を高く取られた五階の救急機駐機場に緊急機は滑り込み、救急機の間にランディングする。
五階救急救命フロアはいつもながらの野戦病院状態だった。
そんな中でも馴染みの看護師が声を掛けてくれる。
「あら、シド。今日は何処を撃たれたの?」
左手を振って見せ、処置室に誘導して貰った。早速これも馴染みの医師に簡易スキャンされる。全員が見守る中で医師が所見を述べた。
「ふうん、シド。あんたにしては撃たれ方がよかったな。骨にも異常なしだ」
手首を縛った捕縛用樹脂バンドを切られると多少出血したが、痕が残らないよう再生液で綺麗に洗い流されてみると、貫通銃創とはいえシドにしては大した怪我ではなかった。
傷を生温かい滅菌ジェルで消毒し、合成蛋白スプレーを分厚く吹きつけてから合成蛋白接着剤で塞ぎ、人工皮膚テープを貼り付けて処置は終了だ。
「手首に痛覚ブロックテープ、巻くか?」
「結構だ」
「だろうな。あとで外傷所見は五分署に送る。お大事に」
看護師にアームホルダーで左手を首から吊られ、シドは皆と一緒に追い出された。
「で、イヴェントストライカと嫁さんはどうする?」
五分署員の『嫁さん』口撃に怯んだシドの代わりにハイファが応える。
「マイスノーホテルに戻って貰っていいですか?」
再び緊急機に乗り込んでテイクオフしてからシドはハイファの横顔を窺った。シドの怪我の心配もあるだろうが、ハイファはずっと硬い顔で何事かを考え込んでいる。
「なあ、お前ハイファ、どうしたんだよ?」
「どうしたって……分からない?」
「お前が呼んだのか?」
「違うよ。でもまあ、現場を見ておいて貰うのもいいんじゃないかな」
「ふ……ん、何だか嫌な予感がしてきやがったぜ」
本当はシドとしては自室のある七分署管内の単身者用官舎ビルに帰って寝たかったのだ。病院からならタクシーでも十分ほどで帰り着ける。明日は休日でもあった。事件そのものに興味はあったが、明後日以降でも七分署で捜査戦術コンを通せば手に入ることである。
そうでなくともTVニュースで大概の情報は得られるだろう。
けれどハイファがああ言ったのと、事件現場のオジアーナにセントラル基地からやってきた兵士数名を指揮する制服男が見知った人間だったのが少々気になっていた。
濃緑色のテラ連邦陸軍制服を着て焦げ茶のタイを締めた中年男、それはハイファの別室での直属上司キンバリー=エアハート一等陸佐だったのである。
マイスノーホテルに辿り着くと、シド以上に嫌な顔をする五分署員らに構わず、二人もオジアーナに戻った。だがオジアーナ内には踏み入らずシドは入り口の見えるロビーで足を止める。喫煙コーナーでやっと煙草を咥えオイルライターで火を点けた。
二本を立て続けに吸って頭蓋内に脳ミソが収まっているのを実感する。
「お前が呼んだ訳でもねぇのに、何でお前の上司が出張って来てんだよ?」
「さあ? でもハッキリ言って由々しき自体であるのは確かだし」
オジアーナの周りにはまだ野次馬がいたものの、磨き上げられたオートドア越しに捜査員らに混じって兵士と制服姿が垣間見えていた。それを窺いつつハイファがまだ動きそうにないのを見取ってシドはチェーンスモークだ。
やがて兵士と出てきた制服姿に対してハイファは黙礼したのみ、軍人たちがエレベーターホールへと消えるのをあっさり見送ってしまう。シドは拍子抜けした。かといって五分署の同輩たちにもハイファが軍人であることを知られてはならないのだ、当然ではあった。
「さて。どうするの、ここの部屋に行くか官舎に帰るか」
「俺はお前に任せたつもりだったんだが……いい、ここに泊まろうぜ」
「そうだね、せっかくタマもマルチェロ先生に預けてきたんだし」
タマはオスの三毛猫で二人の飼い猫、マルチェロ医師はシドの自室の隣人だ。
ともあれシドが煙草を消すと二人はエレベーターで五十七階まで下った。当たったチケットで取った部屋は五七〇二号室で喫煙のダブルだ。
広く明るい通路を歩き、辿り着いた部屋の前でオートドア脇のリモータチェッカに交互にリモータを翳す。フロントで流されていたキィロックコードが認識されロックが解けた。センサ感知しオートドアを開ける。
さすがにマイスノーホテル、室内は広く豪華ながら趣味が良かった。
高い天井からは小ぶりながらシャンデリアが下がっている。毛足の長い絨毯は臙脂とベージュの細かな織り模様だ。エンボスの壁紙には当代の有名作家が手がけたシルクスクリーンが掛かり、テーブルやチェアにクローゼットなどの調度は赤茶色の天然木材である。
ソファセットはアイボリーの本革張り、ダブルベッドの夜具はシルクらしかった。
「すごーい、あの壺に活けてあるのも本物の花だよ」
「なんか却って落ち着かねぇな」
「そう言わずに、ほら、座って。コーヒーでも淹れようか?」
「あー、俺が淹れる」
「だめっ、座ってて!」
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