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第一章 聖女転生
第25話 女だけの飲み会
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ひゃーっ! はっはっはっはっ! たっのしぃぃぃ! 女だらけの会食がこんなに楽しいだなんて…思っても見なかった! かわいいし、カワイイし、可愛いし! かっわぃぃい! ミリィもスティーリアも、メイドや使用人たちも少し緊張気味だがそんなの関係ねぇ!
俺の隣りに座ったミリィが言う。
「生きているうちに、このような超高級店に来れるなんて思ってもみませんでした」
俺が答える。
「みんな頑張ってるから!」
するとスティーリアも恐縮しながら言った。
「あの、私まで連れて来ていただけるとは思いませんでした! 本当にありがとうございます。いままでは外から見ているだけでしたが、このお店の内装はこんなに綺麗だったのですね。一生入る事など無いと思っておりました」
それを皮切りに、女達がそれぞれに俺にお礼を述べてくる。
いやあ…良かった。帝国軍を撃退して本当に良かった。あれのおかげで王宮からかなりの金を貰えたし、こんな自由が出来るようになった。するとミリィがまた聞いて来る。
「それにしても、あんな馬車の行列なんてよろしかったのですか?」
確かに派手過ぎたかもしれないけど、普段俺を支えてくれている君らへの恩返しなら、あのくらいは必要だよ。
「問題ない」
「まるでお姫様のような扱いでございました。聖女様は自分に厳しく、褒美などもお断りしてしまうような無欲な方でしたので、このような催しを開催されるとは想像もつきませんでした」
そもそも君たちと生活していられるだけで幸せなんだけど。まあ強いて言えば、ソフィアにこういう事をしてあげたいくらいかな。とにかく、うちの女子達にはめっちゃ幸せになってもらいたい。
高価なシャンデリアが俺達を照らし、食前酒を飲みながらそんな話をしていた。ただ俺には一つだけ懸念している事がある。
「ただね…、皆にも伝えたけど聖女支援財団なんていうのが出来たみたいで…。それが運営されるようになると、こういった事は出来なくなりそう。財団のお金で贅沢しているなんて思われたら、どんな目で見られるか分からないし」
するとスティーリアが言う。
「今回のこれはよろしかったのですか?」
まあ、このタイミングしかないでしょ。どうやら俺は帝国戦で、未だかつて無いような偉業を成し遂げたらしいから。俺としてはそれほどでもなかったけど、たぶん話が大きくなって王都に伝わったようだし。そのおかげで、ルクスエリム王もかなりの事は大目に見てくれると言ってくれた。そこに付け込んで、俺はこの話をルクスエリムに通したのだった。
「もしこれに異議を申し立てるのなら、陛下にたてつく様な事になると思う」
その話を聞いて、皆が顔を見合わせた。
「うふふふ」
「あははは」
「くすくす」
女達がくすくすと笑いだした。俺もつられて笑う。
「ははははは」
笑ながらミリィが言った。
「なんと言うか、私達の聖女様に対してのイメージは間違っていた気がします」
するとスティーリアも言う。
「まったくですわ。なんと大胆で楽しいお方だったのでしょう。私のイメージとはだいぶかけ離れておいでです」
すると女達も口々に言う。
「とても欲の無い方だと思っておりました 」
「本当です! こんな痛快な考え方を持っている御方だと思ってもみませんでした」
「おしとやかで口数が少なくて、本当に慎ましやかな女性だとばかり」
なるほど。確かに俺がこの体に入り込むまでの聖女は、物静かな倹約家だったからな。華やかな事とは縁遠い、いつも仕事ばかりしている地味な女性だった。
「とにかく、今日は料理を堪能しましょう!」
俺が言うと皆がお礼をいってくる。すぐにコース料理の最初の一品が出て来た。やはりこの店の料理は上品で、なんとも言えない味わいだった。見た目が凄く綺麗で、出来れば腹いっぱい食いたいと思う。だがそのくらいの量が、丁度いいのだろう。
「美味しいです!」
「幸せ!」
どうやら女達も喜んでくれているらしい。そして皆が一品目を食べ終わった頃に、次の料理が運ばれてくるのだった。そのタイミングも抜群で、さすが王家御用達になるだけはある。俺は喜ぶ女達の笑顔を見ながら、もっと頑張ってこの子らに幸せになって貰おうと誓うのだった。
全ての料理が運ばれ、皆が最後のスイーツを食べ終わる。楽しい時間はあっという間で、俺は少々寂しさを感じてしまう。そして皆のテーブルにお土産の焼き菓子の包みが置かれていく。これも俺があらかじめ頼むように指示をしていたものだ。
「みんな、明日にでも食べてね」
俺の至れり尽くせりの接待に、皆は頬を紅潮させて喜んでいる。
何か…しばらく忘れていた感触だな…。俺は前世で落ちぶれたヒモになり下がり、僅かな金をたかるために女達のもとを転々としていた。ホストクラブできちんと働いていた時は、こんな女の顔を見るために頑張っていた気がする。やっぱ女の幸せな笑顔と、満足げな表情は俺に生きる喜びを与えてくれる。
「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」
女達が一斉に俺にお礼を言ってくれる。
さいっっっこうじゃん! なんで俺はこんな感覚を忘れていたんだろう?
「また明日から頑張りましょう」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
そして俺達は店の者に挨拶をし、店の前に停車している馬車に乗り込んでいくのだった。彼女らは皆、満足げな顔をして俺に頭を下げながら馬車に乗り込んでいった。最後のメイドが乗り込むのを確認し、俺も馬車に乗る事にする。
「私達も行きましょう」
俺がミリィとスティーリアに言うと、彼女らは頬を紅潮させてコクリと頷いた。多少のアルコールが入っているので、胸元まで薄っすらピンク色になっている。
美味そう…。食べたい! でも…
俺は聖女。周りの女達だけに限らず、王家や貴族達からも絶世の美女だと謳われる女…。
そう…『女』なのだ…。
彼女らは俺の美貌に憧れ、俺を慕って一緒に居てくれている。その女の俺が彼女らを食べたいと思っても…。どうすればいいのだ!? どうにもできないでは無いか!
いざ目の前に熟れた果実をぶら下げられて、ふと現実に引き戻されてしまった。彼女らとの距離のつめかたも良く分からないし、来た時の馬車と同じように手を握るのが精一杯だろう。
「どうぞ」
御者が馬車の扉を開いて待っている。俺が先に乗ると、御者は俯き俺を見ないようにしていた。その理由も分かっている。男達は俺を見ると、嫌らしい顔で鼻を伸ばしてしまうのだ。俺はその顔を見ると、あからさまに嫌悪感満載の顔をしてしまう。専属の御者はそれを分かっているので、俺を見ないようにしているのだ。
「ありがとう」
俺が乗り込んだ後で、ミリィとスティーリアが乗って来た。彼女らは緊張しながら酒を飲んだので少し酔いがまわっているようだった。若干ふらついているので、俺が中から手を差し伸べる。
「そんな…聖女様に手をお借りするなど…」
スティーリアが恥ずかしがっているのか、手を出してこない。もしかしたら遠慮してる?
「ふらついているし、ほらっ!」
するとスティーリアが俺の手を握り、そっと馬車に乗り込んで来た。そして次にミリィにも手を伸ばして馬車に乗りこませる。
「すみません。聖女様に手を借りるなど」
「ミリィも遠慮しないでほしい。私は嬉しいのだから」
「は、はい」
うん。やっぱミリィもくぁわいい!
そして俺達が馬車に乗り込むと、扉が閉められたあと走り出した。ミリィもスティーリアもほろ酔いなので、とろんとした顔をしている。
そう…これこれ! この顔は…仕上げ前の顔だ。前世なら間違いなくお持ち帰りだったが…。俺は彼女らを持ち帰ってどうするつもりだ? 俺は女だぞ…。そもそもが同じ家に住んでいるのだ…
前世以来の久々飲み会だったが、俺は現実を知る事となった。今までは忙しかったのもあったためか、そんな事をゆっくり考える事は無かった。いや…、そもそもこんなシチュエーションはこの世界に来てから始めてである。
俺はその夢から覚めるのが嫌で、二人に声をかけた。
「帰ったら希望者を募って風呂にしましょう」
俺がポツリと言う。なんか酒も入って楽しい気分が続いているし、帰って寝るだけなんてつまらない。
「そんな、お疲れの聖女様に魔力を使わせるなど」
いやいや。ミリィちゃん…魔力なら腐るほどあるよ。そして帝国兵を感電させるのに魔力を消費するくらいなら、皆と風呂に入るために消費したいよ。やっと落ち着いて皆と過ごせる夜なのだから、それくらいはしたい…
「私は疲れていないけど。引っ越し作業はあなた達にやってもらっているし、何よりも増してあの家での風呂は今日が最後なんだけどな」
「……」
「……」
二人が少し沈黙するが、すぐに答えは出たようだった。
「もし聖女様が差し支えないのであれば、よろしくお願いいたします」
「よかった! 久しぶりにゆったりと温まろうね」
「はい!」
「はい!」
可愛く返事をする二人を見て俺の内心はむらむらと来ているが、その先がどうしたらいいか分からなくなってきた。でも来た時の馬車の中で二人に言った事を聞いてみる。
「プライベートでは、友達のようにしたいのだけど? だめ?」
そう言うと、二人は顔を見合わせてこう言った。
「また、間に座りますか?」
「座る!」
そう言って俺は二人の間に座り、手を握りしめて満面の笑顔を浮かべる。それを見た二人は、何か愛おしいものを見たように俺の肩に頭を乗せて来るのだった。
うん。今はこれでいい! これ以上進めば関係が壊れるかもしれない。とにかく未来の事は未来に考えるとして、仲良しの友達関係と言う感じで十分だ。
いずれ…なんとかする!
俺はそう心に誓うのだった。
俺の隣りに座ったミリィが言う。
「生きているうちに、このような超高級店に来れるなんて思ってもみませんでした」
俺が答える。
「みんな頑張ってるから!」
するとスティーリアも恐縮しながら言った。
「あの、私まで連れて来ていただけるとは思いませんでした! 本当にありがとうございます。いままでは外から見ているだけでしたが、このお店の内装はこんなに綺麗だったのですね。一生入る事など無いと思っておりました」
それを皮切りに、女達がそれぞれに俺にお礼を述べてくる。
いやあ…良かった。帝国軍を撃退して本当に良かった。あれのおかげで王宮からかなりの金を貰えたし、こんな自由が出来るようになった。するとミリィがまた聞いて来る。
「それにしても、あんな馬車の行列なんてよろしかったのですか?」
確かに派手過ぎたかもしれないけど、普段俺を支えてくれている君らへの恩返しなら、あのくらいは必要だよ。
「問題ない」
「まるでお姫様のような扱いでございました。聖女様は自分に厳しく、褒美などもお断りしてしまうような無欲な方でしたので、このような催しを開催されるとは想像もつきませんでした」
そもそも君たちと生活していられるだけで幸せなんだけど。まあ強いて言えば、ソフィアにこういう事をしてあげたいくらいかな。とにかく、うちの女子達にはめっちゃ幸せになってもらいたい。
高価なシャンデリアが俺達を照らし、食前酒を飲みながらそんな話をしていた。ただ俺には一つだけ懸念している事がある。
「ただね…、皆にも伝えたけど聖女支援財団なんていうのが出来たみたいで…。それが運営されるようになると、こういった事は出来なくなりそう。財団のお金で贅沢しているなんて思われたら、どんな目で見られるか分からないし」
するとスティーリアが言う。
「今回のこれはよろしかったのですか?」
まあ、このタイミングしかないでしょ。どうやら俺は帝国戦で、未だかつて無いような偉業を成し遂げたらしいから。俺としてはそれほどでもなかったけど、たぶん話が大きくなって王都に伝わったようだし。そのおかげで、ルクスエリム王もかなりの事は大目に見てくれると言ってくれた。そこに付け込んで、俺はこの話をルクスエリムに通したのだった。
「もしこれに異議を申し立てるのなら、陛下にたてつく様な事になると思う」
その話を聞いて、皆が顔を見合わせた。
「うふふふ」
「あははは」
「くすくす」
女達がくすくすと笑いだした。俺もつられて笑う。
「ははははは」
笑ながらミリィが言った。
「なんと言うか、私達の聖女様に対してのイメージは間違っていた気がします」
するとスティーリアも言う。
「まったくですわ。なんと大胆で楽しいお方だったのでしょう。私のイメージとはだいぶかけ離れておいでです」
すると女達も口々に言う。
「とても欲の無い方だと思っておりました 」
「本当です! こんな痛快な考え方を持っている御方だと思ってもみませんでした」
「おしとやかで口数が少なくて、本当に慎ましやかな女性だとばかり」
なるほど。確かに俺がこの体に入り込むまでの聖女は、物静かな倹約家だったからな。華やかな事とは縁遠い、いつも仕事ばかりしている地味な女性だった。
「とにかく、今日は料理を堪能しましょう!」
俺が言うと皆がお礼をいってくる。すぐにコース料理の最初の一品が出て来た。やはりこの店の料理は上品で、なんとも言えない味わいだった。見た目が凄く綺麗で、出来れば腹いっぱい食いたいと思う。だがそのくらいの量が、丁度いいのだろう。
「美味しいです!」
「幸せ!」
どうやら女達も喜んでくれているらしい。そして皆が一品目を食べ終わった頃に、次の料理が運ばれてくるのだった。そのタイミングも抜群で、さすが王家御用達になるだけはある。俺は喜ぶ女達の笑顔を見ながら、もっと頑張ってこの子らに幸せになって貰おうと誓うのだった。
全ての料理が運ばれ、皆が最後のスイーツを食べ終わる。楽しい時間はあっという間で、俺は少々寂しさを感じてしまう。そして皆のテーブルにお土産の焼き菓子の包みが置かれていく。これも俺があらかじめ頼むように指示をしていたものだ。
「みんな、明日にでも食べてね」
俺の至れり尽くせりの接待に、皆は頬を紅潮させて喜んでいる。
何か…しばらく忘れていた感触だな…。俺は前世で落ちぶれたヒモになり下がり、僅かな金をたかるために女達のもとを転々としていた。ホストクラブできちんと働いていた時は、こんな女の顔を見るために頑張っていた気がする。やっぱ女の幸せな笑顔と、満足げな表情は俺に生きる喜びを与えてくれる。
「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」
女達が一斉に俺にお礼を言ってくれる。
さいっっっこうじゃん! なんで俺はこんな感覚を忘れていたんだろう?
「また明日から頑張りましょう」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
そして俺達は店の者に挨拶をし、店の前に停車している馬車に乗り込んでいくのだった。彼女らは皆、満足げな顔をして俺に頭を下げながら馬車に乗り込んでいった。最後のメイドが乗り込むのを確認し、俺も馬車に乗る事にする。
「私達も行きましょう」
俺がミリィとスティーリアに言うと、彼女らは頬を紅潮させてコクリと頷いた。多少のアルコールが入っているので、胸元まで薄っすらピンク色になっている。
美味そう…。食べたい! でも…
俺は聖女。周りの女達だけに限らず、王家や貴族達からも絶世の美女だと謳われる女…。
そう…『女』なのだ…。
彼女らは俺の美貌に憧れ、俺を慕って一緒に居てくれている。その女の俺が彼女らを食べたいと思っても…。どうすればいいのだ!? どうにもできないでは無いか!
いざ目の前に熟れた果実をぶら下げられて、ふと現実に引き戻されてしまった。彼女らとの距離のつめかたも良く分からないし、来た時の馬車と同じように手を握るのが精一杯だろう。
「どうぞ」
御者が馬車の扉を開いて待っている。俺が先に乗ると、御者は俯き俺を見ないようにしていた。その理由も分かっている。男達は俺を見ると、嫌らしい顔で鼻を伸ばしてしまうのだ。俺はその顔を見ると、あからさまに嫌悪感満載の顔をしてしまう。専属の御者はそれを分かっているので、俺を見ないようにしているのだ。
「ありがとう」
俺が乗り込んだ後で、ミリィとスティーリアが乗って来た。彼女らは緊張しながら酒を飲んだので少し酔いがまわっているようだった。若干ふらついているので、俺が中から手を差し伸べる。
「そんな…聖女様に手をお借りするなど…」
スティーリアが恥ずかしがっているのか、手を出してこない。もしかしたら遠慮してる?
「ふらついているし、ほらっ!」
するとスティーリアが俺の手を握り、そっと馬車に乗り込んで来た。そして次にミリィにも手を伸ばして馬車に乗りこませる。
「すみません。聖女様に手を借りるなど」
「ミリィも遠慮しないでほしい。私は嬉しいのだから」
「は、はい」
うん。やっぱミリィもくぁわいい!
そして俺達が馬車に乗り込むと、扉が閉められたあと走り出した。ミリィもスティーリアもほろ酔いなので、とろんとした顔をしている。
そう…これこれ! この顔は…仕上げ前の顔だ。前世なら間違いなくお持ち帰りだったが…。俺は彼女らを持ち帰ってどうするつもりだ? 俺は女だぞ…。そもそもが同じ家に住んでいるのだ…
前世以来の久々飲み会だったが、俺は現実を知る事となった。今までは忙しかったのもあったためか、そんな事をゆっくり考える事は無かった。いや…、そもそもこんなシチュエーションはこの世界に来てから始めてである。
俺はその夢から覚めるのが嫌で、二人に声をかけた。
「帰ったら希望者を募って風呂にしましょう」
俺がポツリと言う。なんか酒も入って楽しい気分が続いているし、帰って寝るだけなんてつまらない。
「そんな、お疲れの聖女様に魔力を使わせるなど」
いやいや。ミリィちゃん…魔力なら腐るほどあるよ。そして帝国兵を感電させるのに魔力を消費するくらいなら、皆と風呂に入るために消費したいよ。やっと落ち着いて皆と過ごせる夜なのだから、それくらいはしたい…
「私は疲れていないけど。引っ越し作業はあなた達にやってもらっているし、何よりも増してあの家での風呂は今日が最後なんだけどな」
「……」
「……」
二人が少し沈黙するが、すぐに答えは出たようだった。
「もし聖女様が差し支えないのであれば、よろしくお願いいたします」
「よかった! 久しぶりにゆったりと温まろうね」
「はい!」
「はい!」
可愛く返事をする二人を見て俺の内心はむらむらと来ているが、その先がどうしたらいいか分からなくなってきた。でも来た時の馬車の中で二人に言った事を聞いてみる。
「プライベートでは、友達のようにしたいのだけど? だめ?」
そう言うと、二人は顔を見合わせてこう言った。
「また、間に座りますか?」
「座る!」
そう言って俺は二人の間に座り、手を握りしめて満面の笑顔を浮かべる。それを見た二人は、何か愛おしいものを見たように俺の肩に頭を乗せて来るのだった。
うん。今はこれでいい! これ以上進めば関係が壊れるかもしれない。とにかく未来の事は未来に考えるとして、仲良しの友達関係と言う感じで十分だ。
いずれ…なんとかする!
俺はそう心に誓うのだった。
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