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鍛冶武者修行に出ますが何か!(海竜街編)
第弐百五拾五話 乱が起こってしまいましたが何か! その六
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「提督! 間もなくレヴィアタン街が目視できる距離となります。」
乗船する帆船の船長をしていると言う妖羆人族の宗谷虎太良(羆なのに‶虎太良”って)が、帆柱の上の見張りの報告としてモーヴィに告げた言葉を聞き俺たちも舳先が向いている方向へ目を凝らすも、残念ながらまだ波間の先に街の影を見つける事は出来なかったが、虎太良の報告にモーヴィは満足そうに頷き、
「そうか、ようやく戻ってくれたのぉ。色々とあったが鍛冶師殿を無事に街に連れ帰る事が出来ると思うと、ホッとするわい。のぉ、紫慧殿。アルディリア殿。」
と、俺の事を横目で睨み付けながら俺の両脇を固める二人に声を掛けた。
「モーヴィ殿の言葉には強く同意いたします。本当にご迷惑をおかけして・・・」
「アリアの言う通りだよ驍廣!モーヴィのお爺様にすごくお世話になったんだからね。」
とモーヴィに頭を下げつつ俺の腕を両側から掴む二人に、俺は何もう事が出来ず苦笑するしかない。そんな俺の様子を見て、モーヴィは満足そうに笑みを浮かべた。
人魚族の島・ゼーメッシュ島で再会してからというもの、紫慧とアルディリアは常に俺の両脇を固めるように位置取り、片時も離れようとはしなかった。
これまでこんな事は無かったのだが、海に落ちて波間に消えた俺の姿を見た二人は半狂乱・錯乱状態となり、波間に消えた俺を追って船から海に飛び込もうとしたらしい。
そんな二人を宥めて、船を操り探し当ててくれたのがモーヴィだった。
モーヴィはこれまでの経験から、海に落ちた者が流れゆく先が何処か見当をつけていたようだが、ゼーメッシュ島へ流れ着く事はこれまでの経験上それほど多くなく、幾つかの島や岩礁地帯を回った後、此処が最後の望みだと船を寄せ俺を見つける事が出来た様だ。
その間、自暴自棄になるアルディリアを励まし、涙にくれる紫慧を慰めるのが大変だったとレヴィアタン街への帰路の間、耳にタコが出来るほど聞かされ続けた。
勿論、全ての原因は俺自身に在るのだから、小言を言われたと言って文句を言える言える立場にないし、筋合いでもないとは重々分かっているのだが、それでも紫慧とアルディリアに両脇を固められる俺の姿を見てニヤニヤされるのは、面はゆいと言うか気恥ずかしいと言うか・・・
しかし、それもレヴィアタン街に戻れば少しは改善されるのではという、淡い期待を抱えている身として、間もなく街が見えると聞いてしまうと『一刻も早く街に着いてくれ!』と思いをつのらせていた。
だが、
「おぉ~、見えて来・・・お、おい! 何かおかしくは無いか?」
舳先の先に見えたレヴィアタン街らしき影。その影と共に、俺の目に飛び込んで来たものは街の港に、俺が海に落ちた時に海の中へと沈んでいった海賊船と同じ形状のは帆船が何隻も停泊している光景だった。
その光景に、何やら嫌なものを感じて眉間に皺を寄せながらもっとよく見ようと額に手を翳して目を凝らした。
よく見ると、帆船が停泊している岸壁には何人もの人影が右往左往しており、港の奥にある建物へ出たり入ったりと繰り返しているようだった。
「・・・まさか海賊たちがレヴィアタン街を襲っているって事じゃないだろうなぁ」
「街にはまだ入っておらんじゃろう。港の奥に見えるのは儂たち鎮守船隊の海兵たちが詰めておる鎮守府じゃ。その前を右往左往しているという事は、まだ海兵たちが抵抗を続けておるのじゃろう。
しかし、儂が街を離れておるその隙をついて襲って来るとは、舐めた真似をしてくれるのぉ。」
港の人影を見つめながら溢した俺の呟きに、モーヴィは額に青筋を浮き上がらせ怒りの表情で発した言葉と、その身から放たれる怒りの波動に、思わず鳥肌が立った。
「モーヴィ様、あれを見て下さい! ファレナ様が鎮守府に!!」
頭上の帆柱の上に居る見張りの海兵が指を差しながら声を上げた。その海兵の言葉に導かれ俺達の視線は港の人影から鎮守府と呼んでいる建物へと動く。そこには、扇を掲げて海兵たちを鼓舞している様なレヴィアタン街領主ファレナ・レヴィアタンの姿があった。
ファレナの姿を見つけたモーヴィは怒りの表情のままニヤリと笑い、
「全ての帆を張れぇ! 船足を速めて一気に港へ突っ込む。」
モーヴィの号令に海兵たちは何の躊躇も無くそれぞれの定められた持ち場に着くと、帰港するため船足を落とす目的で畳んでいた帆を素早い動きで広げ、帆船は波を切り港へと突っ込んでいった。そんな配下の動きに満足そうに頷くと、
「鍛冶師殿。紫慧殿とアルディリア殿を連れて船室へ!
この船は船速を速めて街へ土足で上がり込んでいる不埒者どもを成敗に港へ突っ込む。船速を維持したままで港に入れば岸壁の手前で止まる事など出来ず、そのままのり上げる事になるだろう。その衝撃は、先の海賊船へ接舷した時に比では無い。船室に入り衝撃に備えるようお願いいたす。」
そう言って俺達を船室へ退避させようとするモーヴィだったが、
「今度突っ込むのは港か?だったら海に落ちる心配は無いな。」
「驍廣!・・・はぁ~そう言い出すと思った。仕方ないな、ボクも付き合う事にするよ。」
「ワタシは街に残して来たアプロ君の事が気掛かりだな。
モーヴィ殿、お気遣いはありがたいのだが、船室には向かわずにこのまま甲板にとどまり、港に着いたら早々に上陸し街へ向かう許可をいただきたい!」
と、俺の返答に苦笑を浮かべる紫慧と、港の着いたら街に向かいたいと言い出すアルディリアの言葉にモーヴィは呆れたような顔をしたものの直ぐに笑いだし、
「・・・ふっ、わっはっはっはっは♪
港に乗り上げてしまえば船から落ちたとしてもそこは海では無く地面の上だから心配ないか。
まぁ、よかろう。しかし、くれぐれも無茶だけはしてくれるなよ。鍛冶師殿には儂とファレナ様の武具を鍛えて貰わねばならぬのだからなぁ!」
そう言って好きにして良いと許可してくれた。
そんなやり取りをしている間に、帆船は見る見るうちに港へ近づいて行く。と、俺達の船の接近に気が付いたのか、港に停泊していた帆船の内の一隻が帆を広げて動き出そうとし始めた。
そんな海賊船の動きを見たモーヴィは即座に号令を発した。
「今さら動き出したところで遅いわ! ノロノロと動き出しいる船の鼻づらを掠めるように突っ込め。岸壁へ乗り上げるのに丁度いい緩衝剤になってくれる筈じゃ。」
帆船はモーヴィの号令に従い、岸壁から動き出そうとしている海賊船の舳先側面を目標に定めて船足を弛める事無く突っ込むと、帆船は海賊船の舳先を岸壁との間に挟み込んで潰しながら進むと、そのまま海賊船を踏み台にするようにして岸壁へと乗り上げて行った。
その衝撃に俺は帆船の欄干を掴み振り落とされないように踏ん張り、紫慧とアルディリアは悲鳴を上げながら俺に掴まって衝撃に耐えていた。
一方、モーヴィを始めとした海兵たちは俺と同じ様に欄干や帆柱などに掴まり衝突に備えていたが、帆船が岸壁に乗り上げると直ぐに駆け出し次々と帆船から港へと降り立つと、待ち構えていたものの船で港に乗り上げるとは思わなかったのか、確認するように足元の地面を踏み締めると、魚人族や妖獣人族の海兵たちは手にした武具を振りかざし、ファレナが振る扇に合わせて建物から姿を現した徒手空拳の海兵たちと争う海賊を挟撃する様に襲い掛かって行った。
そんな海兵たちの姿を甲板の上から眺めていた俺に、
「驍。ワタシは一先ずギルドに向かい街の様子を確認してくる。紫慧は・・・」
「ボクは商館の方に行ってみるよ。」
「そうか。これだけの騒ぎになっているんだ、アプロ君もレヴィアタン街の拵え師と共にギルドに非難をしているか、もしくは宿にしている獣王国の商館に留まりこの騒動が収まるのを待っているだろう。」
そうアルディリアと紫慧は示し合わせたように告げた。そんな二人に俺はどちらに同行したら良いか相談しようと今にも甲板から飛び降りようとしている二人を声を掛けようとすると、二人は俺の方に振り返り
「それでは、モーヴィ殿。驍のこと良しなに・・くれぐれも目を離さない様にお願いいたす。」
「そうだね。驍廣って本当に落ち着きが無いからちゃんと見張っていないとフラフラと出歩くから。注意して!」
まるで迷子を預けるかのような言葉を口にし始めた。その言葉に俺は憮然とした表情を作ったが、そんな俺の事を無視して今度はモーヴィが、
「分かっておる。そのつもりじゃ。そうでなければ部下が海賊どもと対峙しているのに儂一人未だにこの場に留まってなどおらぬわ。鍛冶師殿の事は儂に任せておけ、常に目を離さずしっかりと手綱を握っておく、お主らは安心して行ってくるとよい。」
と、ヤンチャ小僧を見るような目で俺を見ながら返答する姿に、海に落ちて遭難したことですっかり信用を失った事を思い知らされた。
乗船する帆船の船長をしていると言う妖羆人族の宗谷虎太良(羆なのに‶虎太良”って)が、帆柱の上の見張りの報告としてモーヴィに告げた言葉を聞き俺たちも舳先が向いている方向へ目を凝らすも、残念ながらまだ波間の先に街の影を見つける事は出来なかったが、虎太良の報告にモーヴィは満足そうに頷き、
「そうか、ようやく戻ってくれたのぉ。色々とあったが鍛冶師殿を無事に街に連れ帰る事が出来ると思うと、ホッとするわい。のぉ、紫慧殿。アルディリア殿。」
と、俺の事を横目で睨み付けながら俺の両脇を固める二人に声を掛けた。
「モーヴィ殿の言葉には強く同意いたします。本当にご迷惑をおかけして・・・」
「アリアの言う通りだよ驍廣!モーヴィのお爺様にすごくお世話になったんだからね。」
とモーヴィに頭を下げつつ俺の腕を両側から掴む二人に、俺は何もう事が出来ず苦笑するしかない。そんな俺の様子を見て、モーヴィは満足そうに笑みを浮かべた。
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これまでこんな事は無かったのだが、海に落ちて波間に消えた俺の姿を見た二人は半狂乱・錯乱状態となり、波間に消えた俺を追って船から海に飛び込もうとしたらしい。
そんな二人を宥めて、船を操り探し当ててくれたのがモーヴィだった。
モーヴィはこれまでの経験から、海に落ちた者が流れゆく先が何処か見当をつけていたようだが、ゼーメッシュ島へ流れ着く事はこれまでの経験上それほど多くなく、幾つかの島や岩礁地帯を回った後、此処が最後の望みだと船を寄せ俺を見つける事が出来た様だ。
その間、自暴自棄になるアルディリアを励まし、涙にくれる紫慧を慰めるのが大変だったとレヴィアタン街への帰路の間、耳にタコが出来るほど聞かされ続けた。
勿論、全ての原因は俺自身に在るのだから、小言を言われたと言って文句を言える言える立場にないし、筋合いでもないとは重々分かっているのだが、それでも紫慧とアルディリアに両脇を固められる俺の姿を見てニヤニヤされるのは、面はゆいと言うか気恥ずかしいと言うか・・・
しかし、それもレヴィアタン街に戻れば少しは改善されるのではという、淡い期待を抱えている身として、間もなく街が見えると聞いてしまうと『一刻も早く街に着いてくれ!』と思いをつのらせていた。
だが、
「おぉ~、見えて来・・・お、おい! 何かおかしくは無いか?」
舳先の先に見えたレヴィアタン街らしき影。その影と共に、俺の目に飛び込んで来たものは街の港に、俺が海に落ちた時に海の中へと沈んでいった海賊船と同じ形状のは帆船が何隻も停泊している光景だった。
その光景に、何やら嫌なものを感じて眉間に皺を寄せながらもっとよく見ようと額に手を翳して目を凝らした。
よく見ると、帆船が停泊している岸壁には何人もの人影が右往左往しており、港の奥にある建物へ出たり入ったりと繰り返しているようだった。
「・・・まさか海賊たちがレヴィアタン街を襲っているって事じゃないだろうなぁ」
「街にはまだ入っておらんじゃろう。港の奥に見えるのは儂たち鎮守船隊の海兵たちが詰めておる鎮守府じゃ。その前を右往左往しているという事は、まだ海兵たちが抵抗を続けておるのじゃろう。
しかし、儂が街を離れておるその隙をついて襲って来るとは、舐めた真似をしてくれるのぉ。」
港の人影を見つめながら溢した俺の呟きに、モーヴィは額に青筋を浮き上がらせ怒りの表情で発した言葉と、その身から放たれる怒りの波動に、思わず鳥肌が立った。
「モーヴィ様、あれを見て下さい! ファレナ様が鎮守府に!!」
頭上の帆柱の上に居る見張りの海兵が指を差しながら声を上げた。その海兵の言葉に導かれ俺達の視線は港の人影から鎮守府と呼んでいる建物へと動く。そこには、扇を掲げて海兵たちを鼓舞している様なレヴィアタン街領主ファレナ・レヴィアタンの姿があった。
ファレナの姿を見つけたモーヴィは怒りの表情のままニヤリと笑い、
「全ての帆を張れぇ! 船足を速めて一気に港へ突っ込む。」
モーヴィの号令に海兵たちは何の躊躇も無くそれぞれの定められた持ち場に着くと、帰港するため船足を落とす目的で畳んでいた帆を素早い動きで広げ、帆船は波を切り港へと突っ込んでいった。そんな配下の動きに満足そうに頷くと、
「鍛冶師殿。紫慧殿とアルディリア殿を連れて船室へ!
この船は船速を速めて街へ土足で上がり込んでいる不埒者どもを成敗に港へ突っ込む。船速を維持したままで港に入れば岸壁の手前で止まる事など出来ず、そのままのり上げる事になるだろう。その衝撃は、先の海賊船へ接舷した時に比では無い。船室に入り衝撃に備えるようお願いいたす。」
そう言って俺達を船室へ退避させようとするモーヴィだったが、
「今度突っ込むのは港か?だったら海に落ちる心配は無いな。」
「驍廣!・・・はぁ~そう言い出すと思った。仕方ないな、ボクも付き合う事にするよ。」
「ワタシは街に残して来たアプロ君の事が気掛かりだな。
モーヴィ殿、お気遣いはありがたいのだが、船室には向かわずにこのまま甲板にとどまり、港に着いたら早々に上陸し街へ向かう許可をいただきたい!」
と、俺の返答に苦笑を浮かべる紫慧と、港の着いたら街に向かいたいと言い出すアルディリアの言葉にモーヴィは呆れたような顔をしたものの直ぐに笑いだし、
「・・・ふっ、わっはっはっはっは♪
港に乗り上げてしまえば船から落ちたとしてもそこは海では無く地面の上だから心配ないか。
まぁ、よかろう。しかし、くれぐれも無茶だけはしてくれるなよ。鍛冶師殿には儂とファレナ様の武具を鍛えて貰わねばならぬのだからなぁ!」
そう言って好きにして良いと許可してくれた。
そんなやり取りをしている間に、帆船は見る見るうちに港へ近づいて行く。と、俺達の船の接近に気が付いたのか、港に停泊していた帆船の内の一隻が帆を広げて動き出そうとし始めた。
そんな海賊船の動きを見たモーヴィは即座に号令を発した。
「今さら動き出したところで遅いわ! ノロノロと動き出しいる船の鼻づらを掠めるように突っ込め。岸壁へ乗り上げるのに丁度いい緩衝剤になってくれる筈じゃ。」
帆船はモーヴィの号令に従い、岸壁から動き出そうとしている海賊船の舳先側面を目標に定めて船足を弛める事無く突っ込むと、帆船は海賊船の舳先を岸壁との間に挟み込んで潰しながら進むと、そのまま海賊船を踏み台にするようにして岸壁へと乗り上げて行った。
その衝撃に俺は帆船の欄干を掴み振り落とされないように踏ん張り、紫慧とアルディリアは悲鳴を上げながら俺に掴まって衝撃に耐えていた。
一方、モーヴィを始めとした海兵たちは俺と同じ様に欄干や帆柱などに掴まり衝突に備えていたが、帆船が岸壁に乗り上げると直ぐに駆け出し次々と帆船から港へと降り立つと、待ち構えていたものの船で港に乗り上げるとは思わなかったのか、確認するように足元の地面を踏み締めると、魚人族や妖獣人族の海兵たちは手にした武具を振りかざし、ファレナが振る扇に合わせて建物から姿を現した徒手空拳の海兵たちと争う海賊を挟撃する様に襲い掛かって行った。
そんな海兵たちの姿を甲板の上から眺めていた俺に、
「驍。ワタシは一先ずギルドに向かい街の様子を確認してくる。紫慧は・・・」
「ボクは商館の方に行ってみるよ。」
「そうか。これだけの騒ぎになっているんだ、アプロ君もレヴィアタン街の拵え師と共にギルドに非難をしているか、もしくは宿にしている獣王国の商館に留まりこの騒動が収まるのを待っているだろう。」
そうアルディリアと紫慧は示し合わせたように告げた。そんな二人に俺はどちらに同行したら良いか相談しようと今にも甲板から飛び降りようとしている二人を声を掛けようとすると、二人は俺の方に振り返り
「それでは、モーヴィ殿。驍のこと良しなに・・くれぐれも目を離さない様にお願いいたす。」
「そうだね。驍廣って本当に落ち着きが無いからちゃんと見張っていないとフラフラと出歩くから。注意して!」
まるで迷子を預けるかのような言葉を口にし始めた。その言葉に俺は憮然とした表情を作ったが、そんな俺の事を無視して今度はモーヴィが、
「分かっておる。そのつもりじゃ。そうでなければ部下が海賊どもと対峙しているのに儂一人未だにこの場に留まってなどおらぬわ。鍛冶師殿の事は儂に任せておけ、常に目を離さずしっかりと手綱を握っておく、お主らは安心して行ってくるとよい。」
と、ヤンチャ小僧を見るような目で俺を見ながら返答する姿に、海に落ちて遭難したことですっかり信用を失った事を思い知らされた。
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