222 / 229
鍛冶武者修行に出ますが何か!(海竜街編)
第弐百五拾四話 乱が起こってしまいましたが何か!その五(トゥラバ・ティブロン視点)
しおりを挟む
「 まだか・・」
「すいません、首領トゥラバ。急がせているのですが、抵抗が激しく制圧するまでにはもう暫しく・・・。」
儂の漏らした呟きを、隣でレヴィアタン街鎮守府制圧の指揮を執っている女海賊、ニーシュが聞き付けて謝罪の言葉を口にした。
そんな、彼女に儂は一言「そうか、急げよ」とだけ返し、口を閉ざす。
彼女は恐縮したように深々と頭を下げると、小走りに儂の隣を離れて行った。多分、鎮守府制圧を急がせるため指揮下に居る海賊どものケツを叩きに向かったのだろう。
だが、儂が漏らした一言は、配下の海賊たちがに向けての言葉では無かった。
儂の苛立ちを向けた先は、この場にはまだ顔を出していない男に向けてのもの・・
レヴィアタン街の領主の首を取ると息巻いていた、莫迦に向けてのものだった。
儂らがレヴィアタン街の鎮守府に攻め入って既に数刻が経とうとしていた。
計画では儂らケルシュ海賊団が海から鎮守府に攻め入るのを合図に、衛兵団を率いたミハイルが領主邸へと乗り込み、領主の首を取って儂らの元に駆けつけ、鎮守府に籠る海兵どもを抑えてレヴィアタン街全体を儂らの支配下に置く手筈になっていた。
しかし、ミハイルの莫迦は一向に姿を現さず、儂らは鎮守府に立て籠もる海兵相手に戦い続けなければならなくなっていた。そのおかげで、儂の可愛い手下たちにも多くの負傷者が出て来ていた。
もっとも、儂もモーヴィの奴が不在の状況でここまで海兵どもが頑強に抵抗してくるとは予想していなかった。これまでレヴィアタン街周辺の海域で儂ら海賊の天敵は領主のファレナと鎮守府で指揮を執るモーヴィの二人と考えていた。
実際、これまで儂ら海賊が拿捕されたり沈められた時は必ずファレナかモーヴィが船の舳先に立ち陣頭指揮を執っていた。
そのため、モーヴィ不在の状況でなら夜陰に乗じて奇襲を掛ければ簡単に鎮守府は制圧できると思っていたのだ。しかし、実際に蓋を開けてみれば、鎮守府の門は破ったものの、海兵どもは鎮守府内の通路を封鎖して頑強に抵抗を続け、その為に儂らは少なからぬ被害を出していた。
その苛立ちから、未だ現われないミハイルに対する愚痴が毀れてしまったのだ。
それにしても、ミハイルは何をしているのだ?総勢五十名を超す衛兵団を率いて領主邸に乗り込んだはず。なのに未だにファレナの首と共にこの場に現れぬとは。
まさか、ファレナに返り討ちに・・・
そう考えたものの儂は頭を左右に振りその悪い予想を振り払おうとした。しかし・・
「首領トゥラバ、大変です! ファレナが、レヴィアタン街領主ファレナ・レヴィアタンがぁ!!」
先程陣頭指揮を執る為に儂の隣を離れたニーシェが、血相を変えて駆け込んで来ると鎮守府を指差しながら声を上げた。
その言葉に、儂は言葉を失い腰掛けていた椅子から立ち上がりニーシェが指差す方向へ視線を向け、
「ふぁ、ファレナ・レヴィアタン・・・」
と、鎮守府の最上階に姿を現し、儂らを見下ろす我が宿敵の姿を目の当たりにし、思わ呟いた声が自分でも分かるほど震えていた。
「首領トゥラバ・・どうしたのですか?お顔の色が優れませんが。」
ファレナの出現に、儂の顔色が変わった事に当惑するニーシェ。そう言えば、あの女が領主となりモーヴィに海の事を任せて一線を退いてから既に二十年ほど経っている。ニーシェをはじめとした若い海賊たちはあの女の事を良く知らなくとも仕方のない事なのかもしれぬ。しかし、当時の事を知る儂らにとっては、忘れたくとも忘れられぬ『恐れ』が目の前に現れ、儂の心は千々に乱れ・・
「煩い!」
と、八つ当たり気味にニーシェを怒鳴りつけて、腰に下げていた蛮刀へと手を添えて抜きながら配下の海賊たちに『ファレナを討ち取れ』と号令を掛けようとしたのだが、そんな儂のことを見透かしているかのように、ファレナを自身の右腕を高々と掲げ手に持った扇をパッと広げ
「下郎・・これまで周辺海域を跳梁跋扈するだけだったゆえ大目に見て来たが、よくも我が愛しき街を土足で踏み躙ろうとしてくれたな。その罪、万死に値する!
我が雄々しき海の兵たちよ。我らが愛するレヴィアタン街に仇なす者どもに、日頃鍛えし武威を示すは今ぞ!!」
「「「「「うぉおおおおお~!!」」」」」
儂たちには睨みを利かせておいてから、鎮守府内に籠る海兵に対する督励に、呼応して足を踏み鳴らし雄叫びを上げる海兵たち。
と次の瞬間、獰猛な猛獣の彷彿とさせる笑みを浮かべたファレナは、扇を儂らに向けて振ると同時に
「我が海兵たちよ、愛しき街に仇なす愚か者どもを蹂躙せよ!」
と告げた。その督励に合わせ鎮守府内から漏れていていた海兵どもの声と跫音(踏み鳴らす足音)が徐々に近づいて来たかと思うと、鎮守府内の通路を塞ぐ障害物の排除を行っていた筈の配下たちが鎮守府内から押し出され、その後に続いて現われたのは憤怒の表情を浮かべた海兵たちがその姿だった。
海兵どもは何故かいつも儂らを取り締まる際に手にする呉鉤や直剣といった武具を腰に下げたままで姿を現したのだが、その中の海竜人族の海兵たちが鎮守府から姿を現した途端腰に下げていた武具を鞘のまま腰から外してその場に打ち捨てると、魚人族や他の人族の海兵に先駆け、鬨の声を上げながら徒手空拳で配下の海賊たちに躍りかかって来た。
初め配下の海賊たちはファレナの号令を受けて姿を現した海兵に及び腰になりかけたものの、姿を現すなり武具を捨てて迫ってくる海竜人族の海兵の挙動に、これから行われる一歩的な蹂躙を想像して嗜虐的な笑みを浮かべ、海兵が近づいてくるのを待ち構えていたのだが、いざ海賊たちが持つ武具が届く距離にまで迫った海兵に対し武具を振り降ろして行ったのだが、海賊たちの攻撃は全て躱され、あるいは弾かれて次の瞬間には対峙した穢兵たちの拳や蹴りによって土を舐める事となった。
その光景を目の当たりにし、儂は遅まきながらレヴィアタン街で日常的に行われている風景が思い出された。
それは、海竜人族を中心に街のあちらこちらで行われていた武術鍛錬。
翼を持ち速い動きを身上とする翼竜人族。
巨躯とその体に見合った膂力を持ち、肩に頑強な甲羅を備えた甲竜人族。
それら二つの竜人族に比べ、柔軟性はあるものの線の細い如何にも荒事が苦手というような体つきの海竜人族。
そんな体躯で劣る海竜人族が日常的に行っていた武術の鍛練に一体何の意味が?と思っていたが、まさかその答えをこの様に示されるとは・・・
そんな思いが儂の頭の中を駆け巡り、思わず噛み締めた奥歯からギリギリと心の内を吐露する音が周囲へ漏れ出した。
その音に振り返るニーシェ以下儂の周りを固める海賊たち。そして、血相を変えて配下の海賊たちを反撃するよう鼓舞する様に声を張り上げてゆく。
それが功を奏したのか、海賊たちが一方的に地を舐めさせられるような姿は見なくなったものの、それでも押されているのは儂らの陣営であることに変わりは無かった。
そんな中、海賊たちの指揮を執っているニーシェが儂の元へと歩み寄り、
「#首領__ドン__#トゥラバ、残念ながらこのままでは海兵どもの勢いを止める事は難しいかと・・
首領は海に戻り、捲土重来を!」
と儂に耳元へ囁いた。儂は思わずニーシェを睨み付けたが、確かにこのままでは配下の海賊たちがすべて死ぬまで戦ったとしても、海兵どもを道ずれにするのがやっと。とてもその後のレヴィアタン街の制圧までは無理なことが容易に察せられた。
それでも、これまで商人に身を窶していた年月が、儂の返答を遅らせた。
『ギュイィィィ、ガァ~リガリガリガリ』
突然、鎮守府の目の前にある岸壁に停泊してある船の方から木と木を擦り合わせるような耳障りな音が響いて来た。
「「な、何事だぁ(かぁ)!」」
状況把握の為に儂とニーシェは同時に、声を上げていた。すると、後方に控えていた海賊の一人が顔を青くして走り寄って声を上げた。
「た、大変です!海に出ていたと思われる鎮守船隊の一隻が、岸壁に停泊してあった海賊船に強襲を掛けて来ましたぁ!」
「何だとぉ!?鎮守府の船が戻って来たぁ?だが、たかが一隻だろう奇襲を掛けて来たところで乗り込む海兵もたかが知れている。早々に対処せんかぁ!!」
突然、鎮守船隊の船一隻が港に戻り儂らの船を襲撃して来たとの報告がもたらされた。その報告に、さっさと対処しろと儂は苛立ちと共に声を荒げたのだが、
「それが、鎮守船隊の船に乗っていたのは・・・」
「が~っはっはっはっは♪ 厄介事を済ませて戻って来てみれば儂の居ぬ間にレヴィアタン街を襲うとは、海賊らしい姑息な事をしおるわい。
じゃが、これで広い海原を捜して回らずとも良くなるわ、一網打尽にしてやるからその場を動くなよぉ!!」
と、聞き覚えのある嫌な声が・・・
「モーヴィ爺かぁ! 我が海兵たちよ、愚か者どもを一網打尽にするべくモーヴィ提督が海から戻って来た。我らの勝利は目の前ぞ!!」
儂らに知らしめるかのように、あの女の声がその場に響き渡り、奥歯から漏れる音が一層大きくなっていくのを止める事が出来なかった。
「すいません、首領トゥラバ。急がせているのですが、抵抗が激しく制圧するまでにはもう暫しく・・・。」
儂の漏らした呟きを、隣でレヴィアタン街鎮守府制圧の指揮を執っている女海賊、ニーシュが聞き付けて謝罪の言葉を口にした。
そんな、彼女に儂は一言「そうか、急げよ」とだけ返し、口を閉ざす。
彼女は恐縮したように深々と頭を下げると、小走りに儂の隣を離れて行った。多分、鎮守府制圧を急がせるため指揮下に居る海賊どものケツを叩きに向かったのだろう。
だが、儂が漏らした一言は、配下の海賊たちがに向けての言葉では無かった。
儂の苛立ちを向けた先は、この場にはまだ顔を出していない男に向けてのもの・・
レヴィアタン街の領主の首を取ると息巻いていた、莫迦に向けてのものだった。
儂らがレヴィアタン街の鎮守府に攻め入って既に数刻が経とうとしていた。
計画では儂らケルシュ海賊団が海から鎮守府に攻め入るのを合図に、衛兵団を率いたミハイルが領主邸へと乗り込み、領主の首を取って儂らの元に駆けつけ、鎮守府に籠る海兵どもを抑えてレヴィアタン街全体を儂らの支配下に置く手筈になっていた。
しかし、ミハイルの莫迦は一向に姿を現さず、儂らは鎮守府に立て籠もる海兵相手に戦い続けなければならなくなっていた。そのおかげで、儂の可愛い手下たちにも多くの負傷者が出て来ていた。
もっとも、儂もモーヴィの奴が不在の状況でここまで海兵どもが頑強に抵抗してくるとは予想していなかった。これまでレヴィアタン街周辺の海域で儂ら海賊の天敵は領主のファレナと鎮守府で指揮を執るモーヴィの二人と考えていた。
実際、これまで儂ら海賊が拿捕されたり沈められた時は必ずファレナかモーヴィが船の舳先に立ち陣頭指揮を執っていた。
そのため、モーヴィ不在の状況でなら夜陰に乗じて奇襲を掛ければ簡単に鎮守府は制圧できると思っていたのだ。しかし、実際に蓋を開けてみれば、鎮守府の門は破ったものの、海兵どもは鎮守府内の通路を封鎖して頑強に抵抗を続け、その為に儂らは少なからぬ被害を出していた。
その苛立ちから、未だ現われないミハイルに対する愚痴が毀れてしまったのだ。
それにしても、ミハイルは何をしているのだ?総勢五十名を超す衛兵団を率いて領主邸に乗り込んだはず。なのに未だにファレナの首と共にこの場に現れぬとは。
まさか、ファレナに返り討ちに・・・
そう考えたものの儂は頭を左右に振りその悪い予想を振り払おうとした。しかし・・
「首領トゥラバ、大変です! ファレナが、レヴィアタン街領主ファレナ・レヴィアタンがぁ!!」
先程陣頭指揮を執る為に儂の隣を離れたニーシェが、血相を変えて駆け込んで来ると鎮守府を指差しながら声を上げた。
その言葉に、儂は言葉を失い腰掛けていた椅子から立ち上がりニーシェが指差す方向へ視線を向け、
「ふぁ、ファレナ・レヴィアタン・・・」
と、鎮守府の最上階に姿を現し、儂らを見下ろす我が宿敵の姿を目の当たりにし、思わ呟いた声が自分でも分かるほど震えていた。
「首領トゥラバ・・どうしたのですか?お顔の色が優れませんが。」
ファレナの出現に、儂の顔色が変わった事に当惑するニーシェ。そう言えば、あの女が領主となりモーヴィに海の事を任せて一線を退いてから既に二十年ほど経っている。ニーシェをはじめとした若い海賊たちはあの女の事を良く知らなくとも仕方のない事なのかもしれぬ。しかし、当時の事を知る儂らにとっては、忘れたくとも忘れられぬ『恐れ』が目の前に現れ、儂の心は千々に乱れ・・
「煩い!」
と、八つ当たり気味にニーシェを怒鳴りつけて、腰に下げていた蛮刀へと手を添えて抜きながら配下の海賊たちに『ファレナを討ち取れ』と号令を掛けようとしたのだが、そんな儂のことを見透かしているかのように、ファレナを自身の右腕を高々と掲げ手に持った扇をパッと広げ
「下郎・・これまで周辺海域を跳梁跋扈するだけだったゆえ大目に見て来たが、よくも我が愛しき街を土足で踏み躙ろうとしてくれたな。その罪、万死に値する!
我が雄々しき海の兵たちよ。我らが愛するレヴィアタン街に仇なす者どもに、日頃鍛えし武威を示すは今ぞ!!」
「「「「「うぉおおおおお~!!」」」」」
儂たちには睨みを利かせておいてから、鎮守府内に籠る海兵に対する督励に、呼応して足を踏み鳴らし雄叫びを上げる海兵たち。
と次の瞬間、獰猛な猛獣の彷彿とさせる笑みを浮かべたファレナは、扇を儂らに向けて振ると同時に
「我が海兵たちよ、愛しき街に仇なす愚か者どもを蹂躙せよ!」
と告げた。その督励に合わせ鎮守府内から漏れていていた海兵どもの声と跫音(踏み鳴らす足音)が徐々に近づいて来たかと思うと、鎮守府内の通路を塞ぐ障害物の排除を行っていた筈の配下たちが鎮守府内から押し出され、その後に続いて現われたのは憤怒の表情を浮かべた海兵たちがその姿だった。
海兵どもは何故かいつも儂らを取り締まる際に手にする呉鉤や直剣といった武具を腰に下げたままで姿を現したのだが、その中の海竜人族の海兵たちが鎮守府から姿を現した途端腰に下げていた武具を鞘のまま腰から外してその場に打ち捨てると、魚人族や他の人族の海兵に先駆け、鬨の声を上げながら徒手空拳で配下の海賊たちに躍りかかって来た。
初め配下の海賊たちはファレナの号令を受けて姿を現した海兵に及び腰になりかけたものの、姿を現すなり武具を捨てて迫ってくる海竜人族の海兵の挙動に、これから行われる一歩的な蹂躙を想像して嗜虐的な笑みを浮かべ、海兵が近づいてくるのを待ち構えていたのだが、いざ海賊たちが持つ武具が届く距離にまで迫った海兵に対し武具を振り降ろして行ったのだが、海賊たちの攻撃は全て躱され、あるいは弾かれて次の瞬間には対峙した穢兵たちの拳や蹴りによって土を舐める事となった。
その光景を目の当たりにし、儂は遅まきながらレヴィアタン街で日常的に行われている風景が思い出された。
それは、海竜人族を中心に街のあちらこちらで行われていた武術鍛錬。
翼を持ち速い動きを身上とする翼竜人族。
巨躯とその体に見合った膂力を持ち、肩に頑強な甲羅を備えた甲竜人族。
それら二つの竜人族に比べ、柔軟性はあるものの線の細い如何にも荒事が苦手というような体つきの海竜人族。
そんな体躯で劣る海竜人族が日常的に行っていた武術の鍛練に一体何の意味が?と思っていたが、まさかその答えをこの様に示されるとは・・・
そんな思いが儂の頭の中を駆け巡り、思わず噛み締めた奥歯からギリギリと心の内を吐露する音が周囲へ漏れ出した。
その音に振り返るニーシェ以下儂の周りを固める海賊たち。そして、血相を変えて配下の海賊たちを反撃するよう鼓舞する様に声を張り上げてゆく。
それが功を奏したのか、海賊たちが一方的に地を舐めさせられるような姿は見なくなったものの、それでも押されているのは儂らの陣営であることに変わりは無かった。
そんな中、海賊たちの指揮を執っているニーシェが儂の元へと歩み寄り、
「#首領__ドン__#トゥラバ、残念ながらこのままでは海兵どもの勢いを止める事は難しいかと・・
首領は海に戻り、捲土重来を!」
と儂に耳元へ囁いた。儂は思わずニーシェを睨み付けたが、確かにこのままでは配下の海賊たちがすべて死ぬまで戦ったとしても、海兵どもを道ずれにするのがやっと。とてもその後のレヴィアタン街の制圧までは無理なことが容易に察せられた。
それでも、これまで商人に身を窶していた年月が、儂の返答を遅らせた。
『ギュイィィィ、ガァ~リガリガリガリ』
突然、鎮守府の目の前にある岸壁に停泊してある船の方から木と木を擦り合わせるような耳障りな音が響いて来た。
「「な、何事だぁ(かぁ)!」」
状況把握の為に儂とニーシェは同時に、声を上げていた。すると、後方に控えていた海賊の一人が顔を青くして走り寄って声を上げた。
「た、大変です!海に出ていたと思われる鎮守船隊の一隻が、岸壁に停泊してあった海賊船に強襲を掛けて来ましたぁ!」
「何だとぉ!?鎮守府の船が戻って来たぁ?だが、たかが一隻だろう奇襲を掛けて来たところで乗り込む海兵もたかが知れている。早々に対処せんかぁ!!」
突然、鎮守船隊の船一隻が港に戻り儂らの船を襲撃して来たとの報告がもたらされた。その報告に、さっさと対処しろと儂は苛立ちと共に声を荒げたのだが、
「それが、鎮守船隊の船に乗っていたのは・・・」
「が~っはっはっはっは♪ 厄介事を済ませて戻って来てみれば儂の居ぬ間にレヴィアタン街を襲うとは、海賊らしい姑息な事をしおるわい。
じゃが、これで広い海原を捜して回らずとも良くなるわ、一網打尽にしてやるからその場を動くなよぉ!!」
と、聞き覚えのある嫌な声が・・・
「モーヴィ爺かぁ! 我が海兵たちよ、愚か者どもを一網打尽にするべくモーヴィ提督が海から戻って来た。我らの勝利は目の前ぞ!!」
儂らに知らしめるかのように、あの女の声がその場に響き渡り、奥歯から漏れる音が一層大きくなっていくのを止める事が出来なかった。
2
お気に入りに追加
5,531
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。