寂しいときは

寂しいときは

 寂しいときはうたをうたいましょう。
 私は今、とても体調が悪いけれども、うたを綴り、口ずさむことはできる。
 あなたもきっとそうなのね。
 大丈夫よ。皆さみしいときくらいあるに決まってるんだから。そんなに悲観しなくていいのよ。じきによくなる、よくなる。
 大丈夫だから。たまにはなにかほったらかして布団にこもったって、散歩したって、本を読んだっていいじゃない。うたをうたったってね。
 
 私は昔、ある人にこんなうたを詠みました。
   澪標 寄せては返る 波の間に
   流れずあらむ 鳥の止まり木
 また、友人にはこんなうたを贈りました。
   フラメンコ 鮮やかに華の 舞うごとし
   高嶺の君の かろき踏みの音
皆さんの思ってるうたとは少し違ったかもしれないけど、これもうたなのよ。
 
 もちろん、私、歌も歌います。たくさん歌うわ。古い曲、新しい曲。人気の曲、知る人ぞ知る曲。何をうたったっていいじゃない。家でひとりのとき、たまに小声で歌ったりするのはなんだか小鳥のさえずりのようで、自分の声が美しく感じられる気がする。誰も聞いていないから、自分を高評価したっていいのねぇ。なんて開放的。

 何かに集中すると、すぐ時間が経つし、ぼーっとしててもすぐ夜が来る。ちょっともったいない気もするけど、いいじゃない。
 明日は明日でいろいろあるし、今日はこんな日でいいじゃない。

今日は何をします？