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社会人編
恋しい人よ④
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夏の夜のどこか浮かれた街の空気に、しんとした静けさが戻った。伊織は玄関で環を見送っている。
「長居してごめんな」
「いいよ。そもそも、引き止めたのは俺だからね」
「そのお陰でいいもの見れたし」
いいもの、という言葉にドキリとする。もちろん花火のことだろうが、伊織にとっては違うので、思い違えそうになった。
昔のようなあどけない微笑み、光に照らされる美しい横顔。これを特等席で見ることができていた過去の自分が羨ましい。変に意地を張らずに、友人として隣にいるだけで満足していれば良かったのに。今となってはそんな考えが過ってしまった。
「おやすみ」
「うん。おやすみ」
環が扉の向こうへと去っていく。ガチャリと微かな音を立てて閉まった扉を暫くの間眺めていたが、やがて伊織は深く息を吐いた。
ようやく美しく整えられた思い出は思い出のまま、閉じ込めてしまいたい。
「昨日の花火見ました?」
先に食事を終えた大雅の問い掛けに、伊織は視線だけを大雅に向ける。蕎麦を啜って、綺麗さっぱり飲み込んでしまってから伊織は頷いた。
「家から遠目でだけどね。結構見えたよ」
「いいな。俺のアパートからはビルが邪魔で。全然見えなかったんですよ」
「それは残念だったね」
ザルに盛られた蕎麦の残りを汁に入れてしまう。少しだけ付ける食べ方が美味しいと何となく知ってはいるけれど、食べ進めるうちに面倒になって、結局こう大雑把になる。
「人混みに埋もれてまで見に行きたいとは思わないんですけど、見れたらラッキーって思うんですよね、ああいうの」
「祭りとか実際に行くと学生ばっかりだからなあ。生気、吸い取られる感じ」
「ああー……それは俺も分かるかもしれない」
社会に摩耗した大人のネガティブな発想である。二人の上司が聞いていたら若いのに何をと怒ることだろう。
「遠目に花火を眺めつつ、一杯やるくらいが丁度いいんですよ」
「あ、それいい」
所謂花より団子というやつになりかねないが、それはそれで趣があって良いように思う。
そこで伊織はちらりと腕時計を見遣った。
二人は社外の蕎麦屋に来ている。時間はまだ少し余裕があるが、オフィスに戻ることを考えて、さっさと食べ終えてしまわなければならない。
蕎麦に手をつけようとすると、大雅がスマホを片手に尋ねた。
「次の土曜日って空いてますか?」
「土曜?」
思考を巡らせる。少しして、伊織の眉が八の字に歪んだ。それだけで大雅は察したようで、いやに落胆した顔つきをする。
「あー……そうですか。分かりました」
「ごめんね。でもなんで?」
「いや、ここに誘おうかと」
緩慢な動きでスマホを操作して、現れた画面を伊織に見せる。近くにビアガーデンがオープンしたらしい。開けたビルの屋上で、夜景と酒を楽しめるという売りらしい。正直、興味はある。
すい、とスマホが離れていく。伊織が汁だくにした蕎麦を啜っていると、大雅がひっそりとぼやいた。
「一応、デートの誘いだったんですけど」
ゲホッ。大雅の声はしっかりと伊織に届いていて、伊織は盛大に噎せてしまった。蕎麦か汁かどちらかが、入ってはいけないところに侵入しているようである。
「大丈夫ですか?」
「だっ………大丈夫、ありがと……」
向かい側から大雅が水を伊織の方へと差し出した。悲鳴をあげている気管を落ち着かせるようにそれを口に含む。
苦しそうに真っ赤にした顔と涙で潤んだ瞳を大雅に向けた。
「い、今なんて?」
「デート」
「き、き間違いじゃ、ないか……」
「そんなに衰えてないでしょ」
とんとん、と指先でテーブルを叩いている。昼休みで気が緩んでいるのか、拗ねた子どものようにも見えた。
「ちなみになんでダメなんですか? 土曜日」
伊織は視線を泳がせる。おずおずと口を開いた。
「……今週公開の映画がありまして」
「映画か」
大雅が苦いものを口に含んだような顔をする。伊織が慌てて手を横に振った。
「いや、それは日向くんが予定があるかって聞くから。初めからそう言ってくれれば……」
「そうやって聞かれたら、なんか誘われるなって思わないんですか?」
「それもそうだけど」
的確に詰められて、伊織には反論する余地もない。
大雅は呆れたようにため息を吐いたが、ふと思いついたように視線を上げ、じいっと真っ直ぐに伊織を見つめた。
「ていうことは、誘ったら来てくれるんですか?」
公開を心待ちにしていた作品ではある。別に誰と行く訳でもない、一人の予定だ。その予定は伊織の意思次第で簡単に書き換えることができる。伊織は普通だったら、一人よりも友人との予定を優先する男だ。
ただし、今の状況が伊織に二の足を踏ませていた。
声を潜め、遠慮がちに伊織が言う。
「俺、まだ返事、できてない」
結局、そういうことだった。大雅から告白をされて、伊織はそれに答えていない。その曖昧な関係で良いのか。
大雅は面食らったような顔をしてから少し身を乗り出した。意思の強い瞳が上目遣いで伊織を捉える。
「なら、その前のお試しってことでいいじゃないですか。……伊織さん、お願い」
年下の特権であるようなまろい声で強請られると、伊織はノーとは断れない。
「わ、分かった。行こうか、土曜日」
「ありがとうございます」
大雅が目を細めて笑う。喜びの感情を惜しげもなく晒す後輩に、伊織の心が揺れた。
伊織はそっと目を伏せて、今度こそ蕎麦の残りに口をつけた。
午後は取引先へ出向き、そのまま直帰する。マンションのエントランスに足を踏み入れると、見慣れた後ろ姿がエレベーターを待っていた。
「早月」
「お疲れ。今帰り?」
「うん。早月も?」
環も同様に頷く。二人でエレベーターに乗り込んだ。
「早月って毎日出社してるの?」
「あー、在宅と半々。フルもできるけど、引きこもってばっかだとキツいから」
「在宅いいなあ」
「ないの?」
「ないわけじゃないけど、やっぱり出社しないとできないって雰囲気はあるかな」
「へえ。業種だけじゃなくて、会社にもよるか、そういうのは」
「そうだね。ほら、今日も午後から取引先に行ってたし」
「マジ? 営業職って、夏も冬も関係なく動き回るよな。体力つきそう」
「デスクワークばっかりよりは良いよ。早月は在宅ある割に……」
伊織の視線がするっと上下に滑っていく。元々早月は着痩せするタイプだったが、服の上から見ても、学生時代よりも一層体つきはがっしりしたように思う。
伊織は中途半端に口を噤んだ。昔の記憶からそのスーツの下の生々しいイメージを作り上げてしまって、ほんのりと耳が熱くなる。思春期みたいだと自虐した。
そんな伊織の心情を知ってか知らずか、環は話を続ける。
「まあ、ジムは行ってるからな」
「そうなんだ。この近く?」
「そう。パスタ屋の近く」
「え、そんなところにあるの? 俺も行こうかな」
丁度、エレベーターが到着した。そこそこの音を立てて扉が左右に視界を開いていく。
部屋の前に着いた。伊織が隣を見ると、環もまた伊織を見つめている。
「じゃあ、また」
「うん、またね」
短く挨拶を交わしてから、それぞれの扉の内側へと入った。近所迷惑にならないように静かに閉めた扉に背中を預け、伊織はひっそりと柔らかい息を吐く。普段なら早く冷房を効かせるために機敏に動いていくのだが、今日は肌に張り付くような暑さも気にならなかった。
目を見て、何気ない会話をして、帰り際には普通に別れを告げられる。春に再会した頃とは大違いだ。
伊織は昔のように、環の友人としていられることが純粋に嬉しかった。
手を洗いながら、ふと視線を上げた伊織は驚く。鏡に映る伊織の頬は緩みきっていて、惚けたような、ひどくだらしない表情をしていた。
この顔で環と話していたと思うと恥ずかしい。伊織は目元や口元に力を込めて厳しい顔をつくる。しかし我ながら全く怖くない。隠し切れない上機嫌な心が滲み出ているようであった。
「長居してごめんな」
「いいよ。そもそも、引き止めたのは俺だからね」
「そのお陰でいいもの見れたし」
いいもの、という言葉にドキリとする。もちろん花火のことだろうが、伊織にとっては違うので、思い違えそうになった。
昔のようなあどけない微笑み、光に照らされる美しい横顔。これを特等席で見ることができていた過去の自分が羨ましい。変に意地を張らずに、友人として隣にいるだけで満足していれば良かったのに。今となってはそんな考えが過ってしまった。
「おやすみ」
「うん。おやすみ」
環が扉の向こうへと去っていく。ガチャリと微かな音を立てて閉まった扉を暫くの間眺めていたが、やがて伊織は深く息を吐いた。
ようやく美しく整えられた思い出は思い出のまま、閉じ込めてしまいたい。
「昨日の花火見ました?」
先に食事を終えた大雅の問い掛けに、伊織は視線だけを大雅に向ける。蕎麦を啜って、綺麗さっぱり飲み込んでしまってから伊織は頷いた。
「家から遠目でだけどね。結構見えたよ」
「いいな。俺のアパートからはビルが邪魔で。全然見えなかったんですよ」
「それは残念だったね」
ザルに盛られた蕎麦の残りを汁に入れてしまう。少しだけ付ける食べ方が美味しいと何となく知ってはいるけれど、食べ進めるうちに面倒になって、結局こう大雑把になる。
「人混みに埋もれてまで見に行きたいとは思わないんですけど、見れたらラッキーって思うんですよね、ああいうの」
「祭りとか実際に行くと学生ばっかりだからなあ。生気、吸い取られる感じ」
「ああー……それは俺も分かるかもしれない」
社会に摩耗した大人のネガティブな発想である。二人の上司が聞いていたら若いのに何をと怒ることだろう。
「遠目に花火を眺めつつ、一杯やるくらいが丁度いいんですよ」
「あ、それいい」
所謂花より団子というやつになりかねないが、それはそれで趣があって良いように思う。
そこで伊織はちらりと腕時計を見遣った。
二人は社外の蕎麦屋に来ている。時間はまだ少し余裕があるが、オフィスに戻ることを考えて、さっさと食べ終えてしまわなければならない。
蕎麦に手をつけようとすると、大雅がスマホを片手に尋ねた。
「次の土曜日って空いてますか?」
「土曜?」
思考を巡らせる。少しして、伊織の眉が八の字に歪んだ。それだけで大雅は察したようで、いやに落胆した顔つきをする。
「あー……そうですか。分かりました」
「ごめんね。でもなんで?」
「いや、ここに誘おうかと」
緩慢な動きでスマホを操作して、現れた画面を伊織に見せる。近くにビアガーデンがオープンしたらしい。開けたビルの屋上で、夜景と酒を楽しめるという売りらしい。正直、興味はある。
すい、とスマホが離れていく。伊織が汁だくにした蕎麦を啜っていると、大雅がひっそりとぼやいた。
「一応、デートの誘いだったんですけど」
ゲホッ。大雅の声はしっかりと伊織に届いていて、伊織は盛大に噎せてしまった。蕎麦か汁かどちらかが、入ってはいけないところに侵入しているようである。
「大丈夫ですか?」
「だっ………大丈夫、ありがと……」
向かい側から大雅が水を伊織の方へと差し出した。悲鳴をあげている気管を落ち着かせるようにそれを口に含む。
苦しそうに真っ赤にした顔と涙で潤んだ瞳を大雅に向けた。
「い、今なんて?」
「デート」
「き、き間違いじゃ、ないか……」
「そんなに衰えてないでしょ」
とんとん、と指先でテーブルを叩いている。昼休みで気が緩んでいるのか、拗ねた子どものようにも見えた。
「ちなみになんでダメなんですか? 土曜日」
伊織は視線を泳がせる。おずおずと口を開いた。
「……今週公開の映画がありまして」
「映画か」
大雅が苦いものを口に含んだような顔をする。伊織が慌てて手を横に振った。
「いや、それは日向くんが予定があるかって聞くから。初めからそう言ってくれれば……」
「そうやって聞かれたら、なんか誘われるなって思わないんですか?」
「それもそうだけど」
的確に詰められて、伊織には反論する余地もない。
大雅は呆れたようにため息を吐いたが、ふと思いついたように視線を上げ、じいっと真っ直ぐに伊織を見つめた。
「ていうことは、誘ったら来てくれるんですか?」
公開を心待ちにしていた作品ではある。別に誰と行く訳でもない、一人の予定だ。その予定は伊織の意思次第で簡単に書き換えることができる。伊織は普通だったら、一人よりも友人との予定を優先する男だ。
ただし、今の状況が伊織に二の足を踏ませていた。
声を潜め、遠慮がちに伊織が言う。
「俺、まだ返事、できてない」
結局、そういうことだった。大雅から告白をされて、伊織はそれに答えていない。その曖昧な関係で良いのか。
大雅は面食らったような顔をしてから少し身を乗り出した。意思の強い瞳が上目遣いで伊織を捉える。
「なら、その前のお試しってことでいいじゃないですか。……伊織さん、お願い」
年下の特権であるようなまろい声で強請られると、伊織はノーとは断れない。
「わ、分かった。行こうか、土曜日」
「ありがとうございます」
大雅が目を細めて笑う。喜びの感情を惜しげもなく晒す後輩に、伊織の心が揺れた。
伊織はそっと目を伏せて、今度こそ蕎麦の残りに口をつけた。
午後は取引先へ出向き、そのまま直帰する。マンションのエントランスに足を踏み入れると、見慣れた後ろ姿がエレベーターを待っていた。
「早月」
「お疲れ。今帰り?」
「うん。早月も?」
環も同様に頷く。二人でエレベーターに乗り込んだ。
「早月って毎日出社してるの?」
「あー、在宅と半々。フルもできるけど、引きこもってばっかだとキツいから」
「在宅いいなあ」
「ないの?」
「ないわけじゃないけど、やっぱり出社しないとできないって雰囲気はあるかな」
「へえ。業種だけじゃなくて、会社にもよるか、そういうのは」
「そうだね。ほら、今日も午後から取引先に行ってたし」
「マジ? 営業職って、夏も冬も関係なく動き回るよな。体力つきそう」
「デスクワークばっかりよりは良いよ。早月は在宅ある割に……」
伊織の視線がするっと上下に滑っていく。元々早月は着痩せするタイプだったが、服の上から見ても、学生時代よりも一層体つきはがっしりしたように思う。
伊織は中途半端に口を噤んだ。昔の記憶からそのスーツの下の生々しいイメージを作り上げてしまって、ほんのりと耳が熱くなる。思春期みたいだと自虐した。
そんな伊織の心情を知ってか知らずか、環は話を続ける。
「まあ、ジムは行ってるからな」
「そうなんだ。この近く?」
「そう。パスタ屋の近く」
「え、そんなところにあるの? 俺も行こうかな」
丁度、エレベーターが到着した。そこそこの音を立てて扉が左右に視界を開いていく。
部屋の前に着いた。伊織が隣を見ると、環もまた伊織を見つめている。
「じゃあ、また」
「うん、またね」
短く挨拶を交わしてから、それぞれの扉の内側へと入った。近所迷惑にならないように静かに閉めた扉に背中を預け、伊織はひっそりと柔らかい息を吐く。普段なら早く冷房を効かせるために機敏に動いていくのだが、今日は肌に張り付くような暑さも気にならなかった。
目を見て、何気ない会話をして、帰り際には普通に別れを告げられる。春に再会した頃とは大違いだ。
伊織は昔のように、環の友人としていられることが純粋に嬉しかった。
手を洗いながら、ふと視線を上げた伊織は驚く。鏡に映る伊織の頬は緩みきっていて、惚けたような、ひどくだらしない表情をしていた。
この顔で環と話していたと思うと恥ずかしい。伊織は目元や口元に力を込めて厳しい顔をつくる。しかし我ながら全く怖くない。隠し切れない上機嫌な心が滲み出ているようであった。
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