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大学生編
秋の落陽
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学生寮の玄関から外に出ると、体に纏わりついていた眠気も飛んでいってしまう。紅葉シーズンと世間は盛り上がっているが、日中との寒暖差が辛い季節でもある。
このままで大学まで一直線。などと思っていたのだが、視界に捉えた光景に伊織は眉を顰めた。
「……うわ、ひどいな」
開け放たれたゴミ捨て場のボックスの中やその周りに、ゴミが散乱している。見て見ぬふりもできない。
カラスが一羽、傍に止まっていたので手で追い払おうとする。カラスはボタンのように真っ黒な目で伊織を見た後、悠々と飛び去って行った。
「ああ、もう!!」
伊織はびくりと肩を揺らして、後ろを振り返った。
年齢不詳と噂されている寮母が、怒りと呆れが混じり合った表情で立っていた。その手には新しい袋とトングが握られている。
「そんな気がしてたのよね。もう、毎回こうやって余計な荷物を持って来なければいけないだなんて……ああ、こうなっていても、なっていなくても腹が立つ……!」
「……あの、俺も手伝いましょうか」
「そうしてもらえる!?」
伊織は苦笑した。言い出さざるを得ない空気に負けてしまったのである。
「まったく……何回も何回も繰り返して……ここまでくると怒る気力も湧かない……」
伊織は散らばったゴミを掻き集めながら、寮母がぶつぶつと呟いているのを耳にしていた。怒る気力も湧かないと言うがその表情は般若にも似ている。
いつぞやの直樹のように八つ当たりをされてもかなわない。伊織は作業をする手は止めず、やんわりと寮母に尋ねてみる。
「最近も酷いんですか?」
「ええ、そうね。一時期は週一だったけど今は週二くらい……ああ、皆さんがしっかりしてくれればこんなことにはならないのに……!!」
夏過ぎから学生寮の問題になっているゴミ荒らしは未だに解決されていないらしい。
学生が管理を怠るのであればいっそゴミ捨て場を撤去してはどうか、という声もあるという。
それは困るな、などと思いつつゴミを集めていて、ふと伊織は気が付いた。
このパッケージの走り書きには見覚えがある。バイト先で貰ったロスの食品。他の同僚のものと区別できるように自分の名前を書いておいた。伊織の字だ。
カラスに荒らされているゴミ袋の一つは伊織のものだ。今日は朝が早いから、昨日の夜のうちに出しておいた。
背筋を冷えた何かでぬるりと舐め上げられたような、不快感を覚える。
どれも不要なものだが、その人間のプライバシーが詰まっているものでもある。
自分のゴミ袋が被害に遭っていると分かると、途端に他人事とは思えなくなった。それが例え、人ではなくカラス相手だとしても。
「……そもそも、これってカラスの仕業なんですかね」
「さあ、どうでしょうね……でも学生さんの誰かがうっかりしてるから、こうなるんですよ。まったく、何度言ったら分かるの……!」
寮母はどちらでも良いと言いたげに作業を続けている。伊織は気味の悪さを感じながらもそれ以上は何も言わず、寮母の手伝いを続けた。
思わぬところで時間を取られ、大学に到着したのは講義が始まる十分前だった。
基本的に時間に余裕をもって行動する伊織は、少々焦りながら講義室に入る。そこにはもう既に環と直樹の姿があった。
「おはよう」
自由席だがほとんど固定席になっている。
伊織が近寄って声をかけると、弾かれたように環と直樹が顔を上げた。二人で仲良く環のスマホを覗いていたようだ。
「えっ、どうしたの?」
「あ、いやっ……」
直樹が焦ったような声を上げた。伊織は明らかに怪しい態度を訝しむように、眉間に皺を寄せる。
まるで助けを求めるように直樹が環を見た。環はさりげなく手元のスマホを伏せながら、口角を吊り上げた。
「河内の彼氏の誕生日プレゼントを迷ってるって言うから、相談にのってやってんの」
「そうなの?」
「アッ、そうそう~! 今年こそはぎゃふんと言わせてやりたくて聞いて回ってんの!」
「プレゼントだよね……?」
環が荷物を退ける。伊織は通路側の席に腰を掛けた。
「浅葱は何がいいと思う?」
「ええ、どうだろう……アクセサリーとか?」
伊織は幾度か見かけたことがある青年の姿を思い浮かべた。
直樹と恋人は珍しく、縒りを戻して数ヶ月経った現在も別れていない。直樹がまだ恋人の束縛に耐えられている時期なのだろう。
「それもいいな」
「ピアスとか沢山開いてるイメージだからね。早月は何を提案したの?」
「プレゼントは俺、ってやつ」
「なあ~、それほんとサムいんだって!」
「いやあ、彼には効果的なんじゃない?」
「それが困るんだよ~……」
直樹が力なく肩を落とす。
直樹の恋人の直樹に向ける愛情は情熱的である。普段の外で見る態度と、直樹が零す愚痴で聞いた行動はあまり結び付かないほどで、同情してしまうほどだった。
しかしながら直樹の移り気にも問題はあると思われるので、どっちもどっちである。
「っていうかさ~! 浅葱ぃ、お前のせいで大変だったんだからね~!」
「え、なんだっけ?」
「樺地さんのこと! あいつに告げ口したの、浅葱でしょ!」
「……そうだったかなあ」
そう言われてみれば、玲子と食事に行くことを揶揄う直樹に腹が立った勢いで言いつけた記憶が薄らと甦る。
その後のことは詳しくは知らないが、休み明けの直樹はそれはもう可哀想な有様だったのでほんの少しだけ罪悪感を覚えた。懲りずに玲子との食事について根掘り葉掘り聞いてきたので、その罪悪感もすぐに失せたが。
「お陰で酷い目に遭うし! そのくせ浅葱は俺の推しと仲良くなってるし!」
「ああ、そうだ。最近樺地と連絡取り合ってるんだろ?」
「うん、昨日の夜も………」
そこまで言いかけて口を閉じる。二人が首を傾げる。
「……電話で、色々話してたかも」
「なんだよ~、その含みのある感じはあ!」
直樹がにわかに色めき立つが、その頭に思い描いているような甘酸っぱさはない。
玲子は恋敵でもあるが、同時に伊織の秘めた恋心を知る貴重な友人でもある。それもあって、時々お互いの持っている早月のエピソードなどを共有していた。
環は所属するサークルでの活動に力を入れているが、伊織はその姿をあまりよく知らないので、玲子の話は新鮮だった。
まさか本当のことを言うわけにもいかず、それとなく濁すと、環がじっと伊織の顔を見つめてきた。真っ直ぐな視線に、心の内まで見透かされるようでドキリとした。
「な、なに?」
「……浅葱って樺地みたいな子がタイプ?」
やけに真面目な顔で何を問われるかと思えば。
伊織は思わず半目になって、頭を抱えた。
「早月まで……河内みたいなこと言って。樺地さんとはそういうんじゃないの」
「へえー?」
「信じてないな?」
伊織と玲子が想いを寄せている相手が自分であるとは思っていないのだろう。それが少々癪に障り、環を睨め付けた。
しかし環は怯むことなく、わざとらしく首を傾げる。
「そんな怒るなよ。なあー、ごめんって。」
「それで許されると思ってるの?」
「思ってるよ。けど、どうしてもって言うなら、昼食にプリンでどうだ?」
「プリン」
「あの生クリームたっぷりの、とろっとろのプリンな」
「…………仕方ないなあ」
伊織は学内のカフェテリアのプリンと引き換えに、呆気なく降参する。
子供扱いをされているという自覚はありつつも、どうせ環には勝てないという諦めもあった。
「まあ、何にせよ樺地は良い人だから安心だな」
「え、何目線なの? 保護者?」
「そうそう」
「ああ~、それはそう」
その頷きには環たちにしか分からない何かが込められている気がしたが、伊織には心当たりがなく、ただ不思議そうに二人の顔を交互に見ていた。
このままで大学まで一直線。などと思っていたのだが、視界に捉えた光景に伊織は眉を顰めた。
「……うわ、ひどいな」
開け放たれたゴミ捨て場のボックスの中やその周りに、ゴミが散乱している。見て見ぬふりもできない。
カラスが一羽、傍に止まっていたので手で追い払おうとする。カラスはボタンのように真っ黒な目で伊織を見た後、悠々と飛び去って行った。
「ああ、もう!!」
伊織はびくりと肩を揺らして、後ろを振り返った。
年齢不詳と噂されている寮母が、怒りと呆れが混じり合った表情で立っていた。その手には新しい袋とトングが握られている。
「そんな気がしてたのよね。もう、毎回こうやって余計な荷物を持って来なければいけないだなんて……ああ、こうなっていても、なっていなくても腹が立つ……!」
「……あの、俺も手伝いましょうか」
「そうしてもらえる!?」
伊織は苦笑した。言い出さざるを得ない空気に負けてしまったのである。
「まったく……何回も何回も繰り返して……ここまでくると怒る気力も湧かない……」
伊織は散らばったゴミを掻き集めながら、寮母がぶつぶつと呟いているのを耳にしていた。怒る気力も湧かないと言うがその表情は般若にも似ている。
いつぞやの直樹のように八つ当たりをされてもかなわない。伊織は作業をする手は止めず、やんわりと寮母に尋ねてみる。
「最近も酷いんですか?」
「ええ、そうね。一時期は週一だったけど今は週二くらい……ああ、皆さんがしっかりしてくれればこんなことにはならないのに……!!」
夏過ぎから学生寮の問題になっているゴミ荒らしは未だに解決されていないらしい。
学生が管理を怠るのであればいっそゴミ捨て場を撤去してはどうか、という声もあるという。
それは困るな、などと思いつつゴミを集めていて、ふと伊織は気が付いた。
このパッケージの走り書きには見覚えがある。バイト先で貰ったロスの食品。他の同僚のものと区別できるように自分の名前を書いておいた。伊織の字だ。
カラスに荒らされているゴミ袋の一つは伊織のものだ。今日は朝が早いから、昨日の夜のうちに出しておいた。
背筋を冷えた何かでぬるりと舐め上げられたような、不快感を覚える。
どれも不要なものだが、その人間のプライバシーが詰まっているものでもある。
自分のゴミ袋が被害に遭っていると分かると、途端に他人事とは思えなくなった。それが例え、人ではなくカラス相手だとしても。
「……そもそも、これってカラスの仕業なんですかね」
「さあ、どうでしょうね……でも学生さんの誰かがうっかりしてるから、こうなるんですよ。まったく、何度言ったら分かるの……!」
寮母はどちらでも良いと言いたげに作業を続けている。伊織は気味の悪さを感じながらもそれ以上は何も言わず、寮母の手伝いを続けた。
思わぬところで時間を取られ、大学に到着したのは講義が始まる十分前だった。
基本的に時間に余裕をもって行動する伊織は、少々焦りながら講義室に入る。そこにはもう既に環と直樹の姿があった。
「おはよう」
自由席だがほとんど固定席になっている。
伊織が近寄って声をかけると、弾かれたように環と直樹が顔を上げた。二人で仲良く環のスマホを覗いていたようだ。
「えっ、どうしたの?」
「あ、いやっ……」
直樹が焦ったような声を上げた。伊織は明らかに怪しい態度を訝しむように、眉間に皺を寄せる。
まるで助けを求めるように直樹が環を見た。環はさりげなく手元のスマホを伏せながら、口角を吊り上げた。
「河内の彼氏の誕生日プレゼントを迷ってるって言うから、相談にのってやってんの」
「そうなの?」
「アッ、そうそう~! 今年こそはぎゃふんと言わせてやりたくて聞いて回ってんの!」
「プレゼントだよね……?」
環が荷物を退ける。伊織は通路側の席に腰を掛けた。
「浅葱は何がいいと思う?」
「ええ、どうだろう……アクセサリーとか?」
伊織は幾度か見かけたことがある青年の姿を思い浮かべた。
直樹と恋人は珍しく、縒りを戻して数ヶ月経った現在も別れていない。直樹がまだ恋人の束縛に耐えられている時期なのだろう。
「それもいいな」
「ピアスとか沢山開いてるイメージだからね。早月は何を提案したの?」
「プレゼントは俺、ってやつ」
「なあ~、それほんとサムいんだって!」
「いやあ、彼には効果的なんじゃない?」
「それが困るんだよ~……」
直樹が力なく肩を落とす。
直樹の恋人の直樹に向ける愛情は情熱的である。普段の外で見る態度と、直樹が零す愚痴で聞いた行動はあまり結び付かないほどで、同情してしまうほどだった。
しかしながら直樹の移り気にも問題はあると思われるので、どっちもどっちである。
「っていうかさ~! 浅葱ぃ、お前のせいで大変だったんだからね~!」
「え、なんだっけ?」
「樺地さんのこと! あいつに告げ口したの、浅葱でしょ!」
「……そうだったかなあ」
そう言われてみれば、玲子と食事に行くことを揶揄う直樹に腹が立った勢いで言いつけた記憶が薄らと甦る。
その後のことは詳しくは知らないが、休み明けの直樹はそれはもう可哀想な有様だったのでほんの少しだけ罪悪感を覚えた。懲りずに玲子との食事について根掘り葉掘り聞いてきたので、その罪悪感もすぐに失せたが。
「お陰で酷い目に遭うし! そのくせ浅葱は俺の推しと仲良くなってるし!」
「ああ、そうだ。最近樺地と連絡取り合ってるんだろ?」
「うん、昨日の夜も………」
そこまで言いかけて口を閉じる。二人が首を傾げる。
「……電話で、色々話してたかも」
「なんだよ~、その含みのある感じはあ!」
直樹がにわかに色めき立つが、その頭に思い描いているような甘酸っぱさはない。
玲子は恋敵でもあるが、同時に伊織の秘めた恋心を知る貴重な友人でもある。それもあって、時々お互いの持っている早月のエピソードなどを共有していた。
環は所属するサークルでの活動に力を入れているが、伊織はその姿をあまりよく知らないので、玲子の話は新鮮だった。
まさか本当のことを言うわけにもいかず、それとなく濁すと、環がじっと伊織の顔を見つめてきた。真っ直ぐな視線に、心の内まで見透かされるようでドキリとした。
「な、なに?」
「……浅葱って樺地みたいな子がタイプ?」
やけに真面目な顔で何を問われるかと思えば。
伊織は思わず半目になって、頭を抱えた。
「早月まで……河内みたいなこと言って。樺地さんとはそういうんじゃないの」
「へえー?」
「信じてないな?」
伊織と玲子が想いを寄せている相手が自分であるとは思っていないのだろう。それが少々癪に障り、環を睨め付けた。
しかし環は怯むことなく、わざとらしく首を傾げる。
「そんな怒るなよ。なあー、ごめんって。」
「それで許されると思ってるの?」
「思ってるよ。けど、どうしてもって言うなら、昼食にプリンでどうだ?」
「プリン」
「あの生クリームたっぷりの、とろっとろのプリンな」
「…………仕方ないなあ」
伊織は学内のカフェテリアのプリンと引き換えに、呆気なく降参する。
子供扱いをされているという自覚はありつつも、どうせ環には勝てないという諦めもあった。
「まあ、何にせよ樺地は良い人だから安心だな」
「え、何目線なの? 保護者?」
「そうそう」
「ああ~、それはそう」
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