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第Y章
◆◆◆◆
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それから間もなくして賀野が誕生日を迎える。
例年通りプリマヴェーラ号でパーティーが開かれるので、どうしても家を離れなければいけなくなったのだが、結局鸞を連れていくことにした。
最初は二日くらい家を空けても平気かと思ったが、やはり鸞を一人にするのが不安だったのと久喜が彼に会いたがっていたからだ。
主役ゆえに初日は遅くまでパーティーに顔を出さねばならず、自室に戻る頃には鸞はとっくに就寝していた。賀野も酒をがんがん飲まされたので、すぐに泥のように眠りにつく。
ところがついいつもの癖で二日目は早起きしてしまい、賀野は宿酔を洗い流すようにシャワーを浴びた。
いくらかすっきりした気分で寝室に戻れば、鸞はまだくうくうと眠っていた。それがあまりにも幸せそうで、賀野は誘惑に負けてもう一度ベッドに潜り込んでしまう。仕事もないし、たまには二度寝もいいだろうと。
そして次に目覚めたのが昼過ぎで、二人は(主に賀野が一方的に)たっぷりとベッドの中で戯れた後、ようやく今晩の支度を始めた。
「…パパ、ごめんね。せっかくの誕生日なのに、またお風呂に入れてもらって」
鸞は湯船に浸かりながら、賀野に髪を洗われていた。骨折箇所はビニールで包んで濡れないようにしてある。
「鸞、私は言ったはずだよ、子供が気を遣うものじゃないとね。それに何かをしてもらったら謝るのではなく、お礼を言った方がいい。そうすれば、相手も嬉しくなる」
「…じゃあ、パパ、いつもありがとう」
そう言うと、彼は気持ちよさそうに目を閉じた。
賀野が優しい手つきで泡を流して、トリートメントを塗ってやる。十才の頃とは打って変わって、今では賀野の方が鸞にこれでもかと尽くしていた。
「…うう」
風呂上がりにバスローブを着た鸞が、横抱きにされる。自分で歩くことも叶わない彼は下してとも言えず、ただただ顔を賀野の胸に埋めるしかなかった。
公衆の場では必ず車椅子で移動するが、二人きりの時はいつも抱っこされるので、居た堪れないのである。
「恥ずかしいのか?…だったら早く治せ、でなければずっとこのままだぞ」
賀野が悪戯っぽい笑みを浮かべて言うと、
「…分かってるよ」
「私としては、ずっとこのままでも構わないが」
とどめに耳元で囁けば、彼は林檎のように赤くなった。それを見て賀野がまたくすくすと笑うものだから、鸞はますます膨れた。
化粧台の前に座らされ、鏡に二人が映る。
賀野は手際よく顔に化粧水、美容液、乳液、クリームと順番に塗布してやり、次に髪にオイルをつけてよく馴染ませた後、ドライヤーで乾かした。
「熱くないよね?」
「うん、大丈夫」
そして最後にネイルオイルも忘れずに、小さな爪二十枚全てに刷くと、三十分足らずで鸞は隅々までぴかぴかになった。
まるで宝石の曇りをとったかのように、鮮やかな輝きを放っている。全部赤根が懇切丁寧に手入れのやり方を伝授してくれたおかげだ。
鏡に映る鸞を見て、生きている宝石と称しても過言ではないと賀野が愛おしさのあまり後ろから抱き締める。親ばかかもしれないけれど、本当にそう思ったのだからしようがない。
「な、何?」
「ううん、なんでもない。さ、着替えようか」
彼はにこっと微笑んだ。
ベッドの端にちょこんと座った鸞は、ゆったりとした服を着せられた。
靴下を履かせる為に、しゃがんだ賀野が片足を持ち上げる。彼の白くて小さな足にのった爪が、きらきらとして鱗みたいに綺麗だったので、吸い寄せられるようにして唇を落とした。
「何するの…⁉︎」
びっくりした鸞がさっと足を引っ込めようとしたが、彼に細い足首を掴まれてしまう。
「放して、足にキスするなんて変態じゃん…!」
変態呼ばわりされても賀野はしれっと、
「何をいまさら、男はみんな変態だぞ。知らなかったのか」
これには赤面している鸞が堪らず反論した。
「オレは変態じゃないし!」
「いや、男である以上君も変態だ。間違いない」
互いにやいのやいのと言い合っていると、扉を叩く音が聞こえた。
「お食事をお持ち致しました」
「入れ」
賀野が急いで鸞に靴下を履かせた。
篠宮が執事のようにワゴンを押しながら、部屋に入る。
彼が出来立ての御馳走をテーブルの上に完璧に配置し終える頃には、賀野も正装に着替え終わっていた。
とてもさっきまでふざけていた人間には見えないほど、きりりとした表情だ。
「ありがとう、篠宮」
「とんでもございません、それでは失礼致します」
彼は恭しく頭を下げて退出した。
テーブルに並べられていたのは賀野の誕生日であるにもかかわらず、鸞の好物ばかりだった。テーマなどもなく、和洋中の料理が揃っている。
賀野が鸞をテーブルに着かせて自身も隣に座ろうかとした時、
「パパ、トランクから白い紙袋を取ってくれる?」
「分かった」
鸞の私物を詰めたトランクからそれを取って戻って来る。
「パパ、お誕生日おめでとう。オレからのプレゼントだよ」
「鸞、わざわざ用意してくれたのか」
「勿論だよ、みんな用意しているのにオレだけ何もなしなわけないでしょ」
部屋の隅には文字通り山のように未開封のプレゼントが積まれていた。
とてもではないが、一人では開封するだけでも数時間はかかる為、持ち帰ってから子分総出で開封することが賀野組の毎年恒例行事の一つになっていた。
だが、鸞からのプレゼントだけは今すぐ開けてみたい。
「ありがとう、開けてもいいかな?」
「うん!」
紙袋から現れたのはベルベットのアクセサリーケースで、逸る気持ちを抑えながらぱかっと開けると、ラスラ・ポーンのペンダントが鎮座していた。
「…!」
賀野が驚くのも無理はない。
こんな高級品を買うお金を鸞が持っていたとは信じられなかった。
「鸞、お金はどうしたんだ…?」
「パパにプレゼントを買うのは前から決めていたことだから、ずっとそのお金だけは動かさなかったの」
その代わりチェーンは売られたが。
「そうなのか、凄く嬉しい」
「お守りだからね、いついかなる時も肌身離さず着けていてね」
「勿論だ、早速着けてみるよ」
賀野の胸で円柱のチャームが揺れた。それを満足そうに掌に載せて眺めると、そっとシャツの下に隠す。
「最高のプレゼントをありがとう」
頭のてっぺんにキスされて、鸞は照れくさそうに見上げた。
「冷めないうちに食べようか」
「唐揚げが食べたい!」
鸞はいつものように食べさせてもらった。時間に余裕があるので、賀野もゆっくりと味わう。
その後、賀野は予定通り車椅子を押しながら、貴賓室に向かった。
「ご無沙汰しております、会長」
「くっきーおじいちゃん、こんばんは!」
「凌くん、鸞くんこんばんは。さあさあ、こちらに来なさい」
挨拶もそこそこに、久喜のソファの隣に車椅子をつけると嬉々として世話を焼き始めた。やれ食べさせてやろう、飲ませてやろうと、まるで孫と祖父のようだ。
「君の為に長野から取り寄せた苺だよ、いっぱいお食べ」
「おじいちゃんありがとう、オレ、苺大好き!」
久喜が真っ赤な苺を同じくらい赤い唇に寄せると、彼はぱくりと咥えた。
しかも二人は楽しそうに、恵那の前座と格闘試合をああでもないこうでもないと言い合う。
その様子を眺めながら、賀野は少し寂しくなった。
てっきり鸞の世話を焼けるのは自分だけの特権だと思っていたからだ。
だが、爺さんと張り合うのはみっともないし、接待の一環だと考えればどうということはない。それに性的な目で見られるよりも、今のように孫のように可愛がられる方がずっといい。
その日もまた百万円のお小遣いをもらって、鸞は大変嬉しそうにしていた。
例年通りプリマヴェーラ号でパーティーが開かれるので、どうしても家を離れなければいけなくなったのだが、結局鸞を連れていくことにした。
最初は二日くらい家を空けても平気かと思ったが、やはり鸞を一人にするのが不安だったのと久喜が彼に会いたがっていたからだ。
主役ゆえに初日は遅くまでパーティーに顔を出さねばならず、自室に戻る頃には鸞はとっくに就寝していた。賀野も酒をがんがん飲まされたので、すぐに泥のように眠りにつく。
ところがついいつもの癖で二日目は早起きしてしまい、賀野は宿酔を洗い流すようにシャワーを浴びた。
いくらかすっきりした気分で寝室に戻れば、鸞はまだくうくうと眠っていた。それがあまりにも幸せそうで、賀野は誘惑に負けてもう一度ベッドに潜り込んでしまう。仕事もないし、たまには二度寝もいいだろうと。
そして次に目覚めたのが昼過ぎで、二人は(主に賀野が一方的に)たっぷりとベッドの中で戯れた後、ようやく今晩の支度を始めた。
「…パパ、ごめんね。せっかくの誕生日なのに、またお風呂に入れてもらって」
鸞は湯船に浸かりながら、賀野に髪を洗われていた。骨折箇所はビニールで包んで濡れないようにしてある。
「鸞、私は言ったはずだよ、子供が気を遣うものじゃないとね。それに何かをしてもらったら謝るのではなく、お礼を言った方がいい。そうすれば、相手も嬉しくなる」
「…じゃあ、パパ、いつもありがとう」
そう言うと、彼は気持ちよさそうに目を閉じた。
賀野が優しい手つきで泡を流して、トリートメントを塗ってやる。十才の頃とは打って変わって、今では賀野の方が鸞にこれでもかと尽くしていた。
「…うう」
風呂上がりにバスローブを着た鸞が、横抱きにされる。自分で歩くことも叶わない彼は下してとも言えず、ただただ顔を賀野の胸に埋めるしかなかった。
公衆の場では必ず車椅子で移動するが、二人きりの時はいつも抱っこされるので、居た堪れないのである。
「恥ずかしいのか?…だったら早く治せ、でなければずっとこのままだぞ」
賀野が悪戯っぽい笑みを浮かべて言うと、
「…分かってるよ」
「私としては、ずっとこのままでも構わないが」
とどめに耳元で囁けば、彼は林檎のように赤くなった。それを見て賀野がまたくすくすと笑うものだから、鸞はますます膨れた。
化粧台の前に座らされ、鏡に二人が映る。
賀野は手際よく顔に化粧水、美容液、乳液、クリームと順番に塗布してやり、次に髪にオイルをつけてよく馴染ませた後、ドライヤーで乾かした。
「熱くないよね?」
「うん、大丈夫」
そして最後にネイルオイルも忘れずに、小さな爪二十枚全てに刷くと、三十分足らずで鸞は隅々までぴかぴかになった。
まるで宝石の曇りをとったかのように、鮮やかな輝きを放っている。全部赤根が懇切丁寧に手入れのやり方を伝授してくれたおかげだ。
鏡に映る鸞を見て、生きている宝石と称しても過言ではないと賀野が愛おしさのあまり後ろから抱き締める。親ばかかもしれないけれど、本当にそう思ったのだからしようがない。
「な、何?」
「ううん、なんでもない。さ、着替えようか」
彼はにこっと微笑んだ。
ベッドの端にちょこんと座った鸞は、ゆったりとした服を着せられた。
靴下を履かせる為に、しゃがんだ賀野が片足を持ち上げる。彼の白くて小さな足にのった爪が、きらきらとして鱗みたいに綺麗だったので、吸い寄せられるようにして唇を落とした。
「何するの…⁉︎」
びっくりした鸞がさっと足を引っ込めようとしたが、彼に細い足首を掴まれてしまう。
「放して、足にキスするなんて変態じゃん…!」
変態呼ばわりされても賀野はしれっと、
「何をいまさら、男はみんな変態だぞ。知らなかったのか」
これには赤面している鸞が堪らず反論した。
「オレは変態じゃないし!」
「いや、男である以上君も変態だ。間違いない」
互いにやいのやいのと言い合っていると、扉を叩く音が聞こえた。
「お食事をお持ち致しました」
「入れ」
賀野が急いで鸞に靴下を履かせた。
篠宮が執事のようにワゴンを押しながら、部屋に入る。
彼が出来立ての御馳走をテーブルの上に完璧に配置し終える頃には、賀野も正装に着替え終わっていた。
とてもさっきまでふざけていた人間には見えないほど、きりりとした表情だ。
「ありがとう、篠宮」
「とんでもございません、それでは失礼致します」
彼は恭しく頭を下げて退出した。
テーブルに並べられていたのは賀野の誕生日であるにもかかわらず、鸞の好物ばかりだった。テーマなどもなく、和洋中の料理が揃っている。
賀野が鸞をテーブルに着かせて自身も隣に座ろうかとした時、
「パパ、トランクから白い紙袋を取ってくれる?」
「分かった」
鸞の私物を詰めたトランクからそれを取って戻って来る。
「パパ、お誕生日おめでとう。オレからのプレゼントだよ」
「鸞、わざわざ用意してくれたのか」
「勿論だよ、みんな用意しているのにオレだけ何もなしなわけないでしょ」
部屋の隅には文字通り山のように未開封のプレゼントが積まれていた。
とてもではないが、一人では開封するだけでも数時間はかかる為、持ち帰ってから子分総出で開封することが賀野組の毎年恒例行事の一つになっていた。
だが、鸞からのプレゼントだけは今すぐ開けてみたい。
「ありがとう、開けてもいいかな?」
「うん!」
紙袋から現れたのはベルベットのアクセサリーケースで、逸る気持ちを抑えながらぱかっと開けると、ラスラ・ポーンのペンダントが鎮座していた。
「…!」
賀野が驚くのも無理はない。
こんな高級品を買うお金を鸞が持っていたとは信じられなかった。
「鸞、お金はどうしたんだ…?」
「パパにプレゼントを買うのは前から決めていたことだから、ずっとそのお金だけは動かさなかったの」
その代わりチェーンは売られたが。
「そうなのか、凄く嬉しい」
「お守りだからね、いついかなる時も肌身離さず着けていてね」
「勿論だ、早速着けてみるよ」
賀野の胸で円柱のチャームが揺れた。それを満足そうに掌に載せて眺めると、そっとシャツの下に隠す。
「最高のプレゼントをありがとう」
頭のてっぺんにキスされて、鸞は照れくさそうに見上げた。
「冷めないうちに食べようか」
「唐揚げが食べたい!」
鸞はいつものように食べさせてもらった。時間に余裕があるので、賀野もゆっくりと味わう。
その後、賀野は予定通り車椅子を押しながら、貴賓室に向かった。
「ご無沙汰しております、会長」
「くっきーおじいちゃん、こんばんは!」
「凌くん、鸞くんこんばんは。さあさあ、こちらに来なさい」
挨拶もそこそこに、久喜のソファの隣に車椅子をつけると嬉々として世話を焼き始めた。やれ食べさせてやろう、飲ませてやろうと、まるで孫と祖父のようだ。
「君の為に長野から取り寄せた苺だよ、いっぱいお食べ」
「おじいちゃんありがとう、オレ、苺大好き!」
久喜が真っ赤な苺を同じくらい赤い唇に寄せると、彼はぱくりと咥えた。
しかも二人は楽しそうに、恵那の前座と格闘試合をああでもないこうでもないと言い合う。
その様子を眺めながら、賀野は少し寂しくなった。
てっきり鸞の世話を焼けるのは自分だけの特権だと思っていたからだ。
だが、爺さんと張り合うのはみっともないし、接待の一環だと考えればどうということはない。それに性的な目で見られるよりも、今のように孫のように可愛がられる方がずっといい。
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