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第36話
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馬車に揺られ王城へと向かっていると、ルイスがソフィアに箱を手渡した。
「ソフィア、これを」
「これは?」
ソフィアはルイスから受け取った箱を開けると中にはネックレスとピアスが入っていた。
セットで作られたネックレスとピアスは、大粒のルビーが映える様に金細工が施されており、今回のソフィアが着ているドレスと良く合うだろう。
「ドレスと合うようにアイツに助言を貰って選んだんだ、是非着けてもらいたいんだが」
ルイスは女性が身に着ける装飾品には疎いのでルナ・ルースに助言を貰いつつ、ソフィアに似合いそうな物を選んだのだが、気に入ってもらえるかドキドキしながらソフィアの様子を伺った。
「ありがとうございます、ルイスさん!早速着けますね」
「あぁ!俺がネックレスを着けても良いだろうか?」
「はい、お願いします」
ソフィアはルイスがネックレスを着けやすいように髪を束ねて後ろを向く。
ルイスは白いうなじに、胸がドキッと高鳴りながらも、ネックレスをソフィアの首へと着けた。
「ありがとうございます」
オフショルダーの為、ルイスが贈ったルビーのネックレスはソフィアのデコルテに、とても良く映えた。
「ソフィア、良く似合っている」
ピアスも着けたソフィアの姿にルイスは感激した。
好きな人に自分の色を身に着けて貰う喜びを初めて知ったルイスはこれからも、もっと自分の色に染まって欲しいとさえ思ってしまった。
そうこうしているうちに王城に着いてしまった。
ルイスは先に馬車から降り、ソフィアに手を差し伸べた。
「さぁ、ソフィア」
「はい、ルイスさん」
ソフィアはルイスの手をとり、優雅に馬車を降りた。
すると、ソフィアの姿を見た周りの貴族達がざわめきだした。
「なんて綺麗な女性なんだ」
「見た事がない女性だな」
「いったいどこのご令嬢なんだ」
「何故、グラシア伯爵と…」
と、ヒソヒソと周りで話している。
だが、ルイスとソフィアは馬車から降りたあたりからお互いの事しか目に入っていない為、周りの声は全く耳に入っていない。
ソフィアはルイスの逞しい腕に、そっと手をまわした。
(今日のルイスさんのロングジャケット姿素敵だわ。騎士服も格好いいけど今日はまた違って良いわ……それにしても、なんて素敵な上腕二頭筋と三頭筋)
エスコートで堂々とルイスの筋肉を堪能しているソフィアであった。
一方ルイスはチラチラと隣のソフィアの姿を見ていた。
(あぁ、ソフィア綺麗だ…。自分の色を身に着けてくれるだけで、ここまで胸が高鳴るとは。
このまま連れ去って、誰にもソフィアの姿を見せたくない)
会場へ入るのは順番があり、下級貴族から順番に入場していく。
ルイスは伯爵なので入場するのは真ん中辺りである。
待っている間、ルイスはソフィアに気になっていた事を聞いた。
「ソフィア、今日はご両親はこのパーティーに参加されるのだろうか…確か毎年いらっしゃっていた筈だが」
「はい、毎年リオおじ様に招待されていますので今年も来ている筈ですよ」
「そうなのか……その、ソフィアが良ければご両親に挨拶させて頂きたいのだが」
しどろもどろに言うルイスのその言葉を聞いたソフィアは、自分との交際を真剣に考えてくれている彼にとても嬉しく思った。
「はい!ありがとうございます、是非会って下さい」
「あぁ!」
ルイスはソフィアのご両親に挨拶したいと思っていたが、もし重たいと思われたらどうしようと直前まで聞けなかったのだが、ソフィアの嬉しそうな顔を見て、聞いて良かったとホッとした。
「ソフィア、これを」
「これは?」
ソフィアはルイスから受け取った箱を開けると中にはネックレスとピアスが入っていた。
セットで作られたネックレスとピアスは、大粒のルビーが映える様に金細工が施されており、今回のソフィアが着ているドレスと良く合うだろう。
「ドレスと合うようにアイツに助言を貰って選んだんだ、是非着けてもらいたいんだが」
ルイスは女性が身に着ける装飾品には疎いのでルナ・ルースに助言を貰いつつ、ソフィアに似合いそうな物を選んだのだが、気に入ってもらえるかドキドキしながらソフィアの様子を伺った。
「ありがとうございます、ルイスさん!早速着けますね」
「あぁ!俺がネックレスを着けても良いだろうか?」
「はい、お願いします」
ソフィアはルイスがネックレスを着けやすいように髪を束ねて後ろを向く。
ルイスは白いうなじに、胸がドキッと高鳴りながらも、ネックレスをソフィアの首へと着けた。
「ありがとうございます」
オフショルダーの為、ルイスが贈ったルビーのネックレスはソフィアのデコルテに、とても良く映えた。
「ソフィア、良く似合っている」
ピアスも着けたソフィアの姿にルイスは感激した。
好きな人に自分の色を身に着けて貰う喜びを初めて知ったルイスはこれからも、もっと自分の色に染まって欲しいとさえ思ってしまった。
そうこうしているうちに王城に着いてしまった。
ルイスは先に馬車から降り、ソフィアに手を差し伸べた。
「さぁ、ソフィア」
「はい、ルイスさん」
ソフィアはルイスの手をとり、優雅に馬車を降りた。
すると、ソフィアの姿を見た周りの貴族達がざわめきだした。
「なんて綺麗な女性なんだ」
「見た事がない女性だな」
「いったいどこのご令嬢なんだ」
「何故、グラシア伯爵と…」
と、ヒソヒソと周りで話している。
だが、ルイスとソフィアは馬車から降りたあたりからお互いの事しか目に入っていない為、周りの声は全く耳に入っていない。
ソフィアはルイスの逞しい腕に、そっと手をまわした。
(今日のルイスさんのロングジャケット姿素敵だわ。騎士服も格好いいけど今日はまた違って良いわ……それにしても、なんて素敵な上腕二頭筋と三頭筋)
エスコートで堂々とルイスの筋肉を堪能しているソフィアであった。
一方ルイスはチラチラと隣のソフィアの姿を見ていた。
(あぁ、ソフィア綺麗だ…。自分の色を身に着けてくれるだけで、ここまで胸が高鳴るとは。
このまま連れ去って、誰にもソフィアの姿を見せたくない)
会場へ入るのは順番があり、下級貴族から順番に入場していく。
ルイスは伯爵なので入場するのは真ん中辺りである。
待っている間、ルイスはソフィアに気になっていた事を聞いた。
「ソフィア、今日はご両親はこのパーティーに参加されるのだろうか…確か毎年いらっしゃっていた筈だが」
「はい、毎年リオおじ様に招待されていますので今年も来ている筈ですよ」
「そうなのか……その、ソフィアが良ければご両親に挨拶させて頂きたいのだが」
しどろもどろに言うルイスのその言葉を聞いたソフィアは、自分との交際を真剣に考えてくれている彼にとても嬉しく思った。
「はい!ありがとうございます、是非会って下さい」
「あぁ!」
ルイスはソフィアのご両親に挨拶したいと思っていたが、もし重たいと思われたらどうしようと直前まで聞けなかったのだが、ソフィアの嬉しそうな顔を見て、聞いて良かったとホッとした。
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