二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

文字の大きさ
上 下
21 / 64

第19話

しおりを挟む


ソフィアがルイスの事を見守っている最中レティシアはロベルト達と共にオークの死骸の処理を行っていた。



「ロベルトさん、オーク貰っちゃって本当に良いんですか?」



「はい、魔石はこちらで頂いたのでお肉の方はどうぞ活用して下さい」



「わーい!じゃあ遠慮なく頂きます」



マジックバックに入れる様に見せかけインベントリの中へしまっていくレティシアの顔は嬉しそうである。

50体程のオークを入れ終わるとレティシアは、バラバラになったオークキングの死骸の元まで行く



「あ…ちょっとやり過ぎちゃったかな?食材になるかな……取り敢えず持って帰ってギルドの解体してくれるおじ様に相談しよ」



またオーバーキルしたろと呆れられるんだろうなとレティシアは思ったがしかたない。

昔は今より力の制御が下手で良く魔物を細切れにしてたなとレティシアは思い出した。



「それにしても凄いですね…レティシアさんは」



「いえいえ、私なんてまだまだですよ!」



共にオークキングの死骸を見たロベルトは関心するがレティシアはまだまだ修行が足り無いと思い、また森で訓練しなくてはと心に誓った。



オークキングからも魔石を採取すると、結構な大きさの魔石が身体の中から出てきた。





「これ程の魔石持ちとは…」





魔物の魔石は強さによって大きさが変わってくる、今回の魔石は拳程の大きさだったのでAランク程の強さであった事が分かった。





魔石は3つの種類に分けられている。





一つ目は今回の様に魔物から取れる魔石である、この魔石は魔物強さによって大きさが変わるので、大きな魔石が欲しければAランク以上の魔物を退治しなければ手に入らないので骨が折れる。



二つ目はアンティークの魔石である、たまに鉱山などの山で採取する事が可能だが滅多に出る事はない。

アンティーク魔石は純度が高く小さくても性能が良いので大型魔導具を作る時に良く用いられる、とても高値で取引されている。



三つ目は高位魔法師が手の中で魔力を凝縮させて作る、人口魔石である。魔力が高ければ高いほど大きな魔石を作る事が出来るが、作れる人間も限られ作るのに時間と労力がかかる為滅多に出回らない。







ガルシア王国がフェニーチェ帝国に輸出しているのは、魔物から取れた魔石を魔法師が加工して純度を上げたものである。





「流石キングって言うだけはありますね!」





今回取れた魔石も国の魔法師が加工し、活用されるだろう。これ程の大きさならば結構良い魔導具が作れそうである。





その後オークの処理も終わったレティシアとロベルトは、ルイスとソフィアのいるテントまで戻った。





「お姉ちゃん、団長さんはどう?」





「あら、レティお疲れ様。ルイスさんなら一度目を覚ましたけど、また眠ってしまったわ」





「そっか、大丈夫そうで良かった!」





そう話していると、時間がいつの間にか過ぎていたのか徐々に外が夕焼けに染まっていく。



「ソフィアさん、レティシアさん、そろそろ日が暮れて危ないので貴女方は先にお帰りください」





「え、でも…」





「後は我々だけで大丈夫です、救護班も来てくださるので団長の事も運べますので」



そう言われたソフィアとレティシアは団長の事が気になるも後ろ髪を引かれつつロベルトに言われた通り帰路につく事にした。



「副団長さん、オークのお肉ありがとうございました」



「いえいえ、こちらこそ本当にありがとうございました」



「休み明けに、このオーク肉を使った料理を沢山の作るので良かったら皆さんいらして下さいね、騎士の皆様にはサービス致しますので」



「ありがとうございます、是非伺わせて頂きます」



「「「「ありがとうございます!!」」」」





ソフィアの言葉に嬉しそうにガッツポーズしたり、バンザイして喜ぶ新人騎士達に二人は手を降ってその場を後にした。







「今日は凄い1日だったね」





「そうね…でも、皆を助ける事が出来て良かったわ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】都合のいい女ではありませんので

風見ゆうみ
恋愛
アルミラ・レイドック侯爵令嬢には伯爵家の次男のオズック・エルモードという婚約者がいた。 わたしと彼は、現在、遠距離恋愛中だった。 サプライズでオズック様に会いに出かけたわたしは彼がわたしの親友と寄り添っているところを見てしまう。 「アルミラはオレにとっては都合のいい女でしかない」 レイドック侯爵家にはわたししか子供がいない。 オズック様は侯爵という爵位が目的で婿養子になり、彼がレイドック侯爵になれば、わたしを捨てるつもりなのだという。 親友と恋人の会話を聞いたわたしは彼らに制裁を加えることにした。 ※独特の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

貴方誰ですか?〜婚約者が10年ぶりに帰ってきました〜

なーさ
恋愛
侯爵令嬢のアーニャ。だが彼女ももう23歳。結婚適齢期も過ぎた彼女だが婚約者がいた。その名も伯爵令息のナトリ。彼が16歳、アーニャが13歳のあの日。戦争に行ってから10年。戦争に行ったまま帰ってこない。毎月送ると言っていた手紙も旅立ってから送られてくることはないし相手の家からも、もう忘れていいと言われている。もう潮時だろうと婚約破棄し、各家族円満の婚約解消。そして王宮で働き出したアーニャ。一年後ナトリは英雄となり帰ってくる。しかしアーニャはナトリのことを忘れてしまっている…!

愛人をつくればと夫に言われたので。

まめまめ
恋愛
 "氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。  初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。  仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。  傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。 「君も愛人をつくればいい。」  …ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!  あなたのことなんてちっとも愛しておりません!  横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。 ※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました

しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。 そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。 そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。 全身包帯で覆われ、顔も見えない。 所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。 「なぜこのようなことに…」 愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。 同名キャラで複数の話を書いています。 作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。 この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。 皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。 短めの話なのですが、重めな愛です。 お楽しみいただければと思います。 小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

処理中です...