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第16話
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※戦闘シーンがあります苦手な人は注意
月の初め、第三騎士団は新人の訓練を行うべく、西の森の浅瀬へと演習に来ていた。
第三騎士団は主に魔物を倒すのが仕事の為、野営の訓練も大切になっていく。
北の森の奥に討伐に行くとなると何日も野外で寝泊まりしなくてはいけない、これが結構過酷なのだ。
魔物がいつ現れるか分からない環境で野宿するのは危険と隣合わせだ、だから今回の訓練では野営での見張りのしかたなどを練習する。
野営は何度も訓練して慣れていかなければいけない、その為まず新人は殆ど魔物が出ない、出たとしても小型サイズの魔物しか出ない西の森の浅瀬で練習するのだ。
「今年の新人は15人か」
「団長」
「ロベルトか、どうだ新人の様子は」
今日は魔物と戦う事もない為、新人の演習の引率は団長と副団長、そしてもし何かあった時の為の治癒魔法師が一人着いてきている。
「皆テントを張り終えましたが、まだまだ慣れていない為手こずっていました」
「そうか、まだ初日だ。数をこなせば早く出来る様になるだろう」
「次に火を起こす訓練ですが」
「あぁ、必ず火魔法が使える奴がいるとは限らないし、MPもいざという時に取っておく方が良いからな」
「そうですね、近場で枝を拾い2、3人のグループを作り練習させます」
「火が起こせたら魔物避けの薬草を入れておけよ、浅瀬だから要らないとは思うが、これも訓練になるからな」
「はい、畏まりました」
ルイスの指揮の元ロベルトが動き新人達に指示を出していく、グループに分かれた新人達はすぐ近くに落ちている枝を拾いに行く。
「昼までには全員火を起こせよ」
慣れていない者が火を起こすのは時間がかかる為、新人達の枝には火がなかなか着かない。
ルイスとロベルトは新人達にコツを教えながら指導している、すると背後からガサガサと音がしたかと思うと獣の唸り声が聞こえてきた。
「皆、武器を取れ!何かが来るぞ!」
真っ先に気が付いたルイスが周りに指示をだした。
団長の声に反応したロベルトと新人達は慌てて剣を握りしめ、音のする方を警戒した。
「何か…来ますね」
そうロベルトが言うと、木の影から何体もの魔物が姿を表したのだ。
「何だと!グレートウルフだ!何ぜこんな所に」
普通グレートウルフなどの中型サイズの魔物は森の中腹までいかなければ出会わない。
「厄介ですね…1匹だけならまだしも、20体程いますよ。
新人にはキツイかもしれません、取り敢えず配列を組み防御に専念させましょう」
「そうだな、その間は俺が何とかする」
ロベルトが新人に指示をだしている間、ルイスは一人グレートウルフの群れに立ち向かった。
何体ものグレートウルフをルイスは剣で斬り伏せては倒していくが、数体はルイスを逸れて新人達を次から次へと襲っていく。
まだ魔物と殆ど戦ったことの無い新人達は、襲ってくるグレートウルフに何とか応戦しようとするが、なかなか倒す事が出来ない。
ロベルトも必死に倒していくが数が多い為、少しづつ怪我をする新人達が増えていく。
「ウォーターカッター」
ロベルトが水魔法でグレートウルフの首を落としては倒し、襲ってくる個体には剣で斬り伏せる。
少しづつ数を減らし、ようやくグレートウルフの群れを殲滅した。
「はぁ…何とかなりましたね」
「あぁ…新人達は大丈夫か」
ルイスも無事に全て切り伏せロベルトと新人達と合流した。
「殆ど軽傷の者達ですね、治癒魔法師に今治して貰ってます」
「そうか、それが終わり次第、今回の演習は中止とする……何か嫌な予感がする」
「そうですね、こんな所でグレートウルフが現れるなど前代未聞ですので、帰って直ぐに王城へ連絡し森の調査隊を編成しなくては成りません」
「あぁ、もしかしたら森の奥で何か問題が……」
グオオオォォォォ!!!
「「!!!?」」
直ぐに森を出る段取りを話していると、大きな咆哮が鳴り響いた。
「な、なんだ……と」
「どうして…こんな所に」
ぞろぞろと現れたのは50体はいるであろうオークの群れだった。
大きな二足歩行の豚の魔物であるオーク、ボロボロの腰布を巻き、手にはこん棒を握っている。
オークにはメスが居らず、他の種族のメスを見つけては巣に連れ帰り子供を産ませる性質がある、特に力の弱い人間の女性を襲う事が多くとても忌避されている魔物であるが、王都の近くは西の森の奥より先にしか現れない為、特に問題にはなっていなかった。
なのに、こんな森の浅い所に現れるとなると問題が多く発生する。
「何故、森の奥にいる筈の魔物がこんな浅瀬にいるのですか」
「ロベルト!お前は新人を守れ、なるべく俺が倒す」
「ですが団長!貴方の得意魔法は…」
「分かっている…火魔法は最終手段だ」
ルイスの得意魔法は火である為、森で使うのはなるべく避けるか、水魔法の得意なロベルトと共に戦うのが良いのだが
50体もの大群に二人で挑むしか無い今、火の消火の事を気にしている余裕は無い。
「クソッ!流石にこの数だと」
オークは1体ではCランクと大した脅威ではない、だが魔物は群れになるとランクが2ランク上がる為、今ルイスとロベルトは二人でAランクの魔物と戦っている事になる。
しかも、先程のグレートウルフで疲弊してる新人達を守りながらである。
「誰か!新人の中で足の早い者はいるか!?」
「はいっ!私は比較的足の早さに自信があります」
「よし、ではお前は今から第三騎士団まで走り援軍を呼んでくるように」
「畏まりました!」
本当は今すぐ全ての新人を連れて森を出たいが、ここでオークの群れを見逃してしまえば、森の近くにいる人々を襲う可能性がある…特に女性が捕まってしまえば悲惨な事になってしまう。
王都付近ではここ数年女性がオークに攫われた事件は起きては居ないが、地方に行けば行くほど悲惨な話があるとルイスは聞いている。
そんな状況が起きるなど、騎士として許せないルイスはオークの群れへと立ち向かった。
「俺がオークを引き付けている間に行け!」
「はい!」
そうしてルイスはオークの群れを自分に引き付ける様に派手に攻撃を繰り出した。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「はぁ…はぁ…はっ!」
一体、また一体と斬り掛かってくるオークを避けては攻撃を繰り返し、どうにか20体以上は倒す事が出来たが流石に限界に近づいてきた。
主にルイスとロベルトの限界では無く新人達がである。ルイスとロベルトが新人達を背で守りながら戦うが、流石にオークとの数の差に押され新人達が襲われ始めている。
「ぐわっ!!」
「また一人やられたぞ!治癒魔法を早く!」
「無理です、もうMPが底をつきました」
治癒魔法師の限界が遂にきてしまった。
オークのこん棒で叩きつけられ倒れていく新人達を見たルイスはセーブしていた魔法を使う事を決心した。
「森の消火は後で行う!ロベルト!」
「分かりました!取り敢えずオークを早く倒さないと死者が出てしまいます」
「クソッ!ファイアーアロー!」
ルイスはなるべく木に火が着かない様に気を使いながら的確にオークだけをを燃やしつくしていく。
火の魔法を放ってはオークのHPを減らし、剣でトドメをさす。
オークを倒すスピードは上がっていくが、それ以上に新人達が怪我を負っていくスピードの方が早い。
「このままでは不味いが」
「撤退するにも負傷した者を置いていくのは…」
「クソッ!まだ援軍はこないか!?」
まだ20体以上はいるオークの群れを前に、早く援軍がきてくれなければ我々は生きて帰れる保証はないと、絶望が頭の中に過る。
いっその事、森の事を気にせずに魔法を放てれば良いのだが、余りにもここは王都に近すぎる為、火災が広かれば王都に住む住人にまで被害が及んでいまう。
「クッ……ここまでか」
新人達が殆ど地にひれ伏せ動かない。
もう、駄目だと思った、その時だった。
「はっ……!?」
スッと自分の横を通る影…見慣れた横顔、流れるピンクゴールドの髪、その後ろには四体の妖精が姿が。
「何が、起きているんだ」
急に現れたのは、いつも行く【まんぷく亭】の妹レティシアだった。
颯爽とオークとの距離を詰めて、両手に持った双剣で次々にオークの頭を的確に刎ねていく。
それをサポートする様に四体の妖精達も攻撃を繰り出し、1体、また1体とオークが倒れていく。
突然現れた新たな敵にオーク達は、ルイス達の事を気にする事も出来ずにレティシアと四体の妖精だけに向けられる。
「何故、あの子がここにいるのだ?…それにしても強すぎるだろう」
「あらあら、ルイスさん。私もいますよ」
「はっ!!?何故貴女がここにいる!!?」
ルイスは背後から聞こえた、聞き慣れた声に驚き振り向いた。
するとそこに見えたのは、怪我をして転がっている新人達に治癒魔法をかけているソフィアの姿だった。
月の初め、第三騎士団は新人の訓練を行うべく、西の森の浅瀬へと演習に来ていた。
第三騎士団は主に魔物を倒すのが仕事の為、野営の訓練も大切になっていく。
北の森の奥に討伐に行くとなると何日も野外で寝泊まりしなくてはいけない、これが結構過酷なのだ。
魔物がいつ現れるか分からない環境で野宿するのは危険と隣合わせだ、だから今回の訓練では野営での見張りのしかたなどを練習する。
野営は何度も訓練して慣れていかなければいけない、その為まず新人は殆ど魔物が出ない、出たとしても小型サイズの魔物しか出ない西の森の浅瀬で練習するのだ。
「今年の新人は15人か」
「団長」
「ロベルトか、どうだ新人の様子は」
今日は魔物と戦う事もない為、新人の演習の引率は団長と副団長、そしてもし何かあった時の為の治癒魔法師が一人着いてきている。
「皆テントを張り終えましたが、まだまだ慣れていない為手こずっていました」
「そうか、まだ初日だ。数をこなせば早く出来る様になるだろう」
「次に火を起こす訓練ですが」
「あぁ、必ず火魔法が使える奴がいるとは限らないし、MPもいざという時に取っておく方が良いからな」
「そうですね、近場で枝を拾い2、3人のグループを作り練習させます」
「火が起こせたら魔物避けの薬草を入れておけよ、浅瀬だから要らないとは思うが、これも訓練になるからな」
「はい、畏まりました」
ルイスの指揮の元ロベルトが動き新人達に指示を出していく、グループに分かれた新人達はすぐ近くに落ちている枝を拾いに行く。
「昼までには全員火を起こせよ」
慣れていない者が火を起こすのは時間がかかる為、新人達の枝には火がなかなか着かない。
ルイスとロベルトは新人達にコツを教えながら指導している、すると背後からガサガサと音がしたかと思うと獣の唸り声が聞こえてきた。
「皆、武器を取れ!何かが来るぞ!」
真っ先に気が付いたルイスが周りに指示をだした。
団長の声に反応したロベルトと新人達は慌てて剣を握りしめ、音のする方を警戒した。
「何か…来ますね」
そうロベルトが言うと、木の影から何体もの魔物が姿を表したのだ。
「何だと!グレートウルフだ!何ぜこんな所に」
普通グレートウルフなどの中型サイズの魔物は森の中腹までいかなければ出会わない。
「厄介ですね…1匹だけならまだしも、20体程いますよ。
新人にはキツイかもしれません、取り敢えず配列を組み防御に専念させましょう」
「そうだな、その間は俺が何とかする」
ロベルトが新人に指示をだしている間、ルイスは一人グレートウルフの群れに立ち向かった。
何体ものグレートウルフをルイスは剣で斬り伏せては倒していくが、数体はルイスを逸れて新人達を次から次へと襲っていく。
まだ魔物と殆ど戦ったことの無い新人達は、襲ってくるグレートウルフに何とか応戦しようとするが、なかなか倒す事が出来ない。
ロベルトも必死に倒していくが数が多い為、少しづつ怪我をする新人達が増えていく。
「ウォーターカッター」
ロベルトが水魔法でグレートウルフの首を落としては倒し、襲ってくる個体には剣で斬り伏せる。
少しづつ数を減らし、ようやくグレートウルフの群れを殲滅した。
「はぁ…何とかなりましたね」
「あぁ…新人達は大丈夫か」
ルイスも無事に全て切り伏せロベルトと新人達と合流した。
「殆ど軽傷の者達ですね、治癒魔法師に今治して貰ってます」
「そうか、それが終わり次第、今回の演習は中止とする……何か嫌な予感がする」
「そうですね、こんな所でグレートウルフが現れるなど前代未聞ですので、帰って直ぐに王城へ連絡し森の調査隊を編成しなくては成りません」
「あぁ、もしかしたら森の奥で何か問題が……」
グオオオォォォォ!!!
「「!!!?」」
直ぐに森を出る段取りを話していると、大きな咆哮が鳴り響いた。
「な、なんだ……と」
「どうして…こんな所に」
ぞろぞろと現れたのは50体はいるであろうオークの群れだった。
大きな二足歩行の豚の魔物であるオーク、ボロボロの腰布を巻き、手にはこん棒を握っている。
オークにはメスが居らず、他の種族のメスを見つけては巣に連れ帰り子供を産ませる性質がある、特に力の弱い人間の女性を襲う事が多くとても忌避されている魔物であるが、王都の近くは西の森の奥より先にしか現れない為、特に問題にはなっていなかった。
なのに、こんな森の浅い所に現れるとなると問題が多く発生する。
「何故、森の奥にいる筈の魔物がこんな浅瀬にいるのですか」
「ロベルト!お前は新人を守れ、なるべく俺が倒す」
「ですが団長!貴方の得意魔法は…」
「分かっている…火魔法は最終手段だ」
ルイスの得意魔法は火である為、森で使うのはなるべく避けるか、水魔法の得意なロベルトと共に戦うのが良いのだが
50体もの大群に二人で挑むしか無い今、火の消火の事を気にしている余裕は無い。
「クソッ!流石にこの数だと」
オークは1体ではCランクと大した脅威ではない、だが魔物は群れになるとランクが2ランク上がる為、今ルイスとロベルトは二人でAランクの魔物と戦っている事になる。
しかも、先程のグレートウルフで疲弊してる新人達を守りながらである。
「誰か!新人の中で足の早い者はいるか!?」
「はいっ!私は比較的足の早さに自信があります」
「よし、ではお前は今から第三騎士団まで走り援軍を呼んでくるように」
「畏まりました!」
本当は今すぐ全ての新人を連れて森を出たいが、ここでオークの群れを見逃してしまえば、森の近くにいる人々を襲う可能性がある…特に女性が捕まってしまえば悲惨な事になってしまう。
王都付近ではここ数年女性がオークに攫われた事件は起きては居ないが、地方に行けば行くほど悲惨な話があるとルイスは聞いている。
そんな状況が起きるなど、騎士として許せないルイスはオークの群れへと立ち向かった。
「俺がオークを引き付けている間に行け!」
「はい!」
そうしてルイスはオークの群れを自分に引き付ける様に派手に攻撃を繰り出した。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「はぁ…はぁ…はっ!」
一体、また一体と斬り掛かってくるオークを避けては攻撃を繰り返し、どうにか20体以上は倒す事が出来たが流石に限界に近づいてきた。
主にルイスとロベルトの限界では無く新人達がである。ルイスとロベルトが新人達を背で守りながら戦うが、流石にオークとの数の差に押され新人達が襲われ始めている。
「ぐわっ!!」
「また一人やられたぞ!治癒魔法を早く!」
「無理です、もうMPが底をつきました」
治癒魔法師の限界が遂にきてしまった。
オークのこん棒で叩きつけられ倒れていく新人達を見たルイスはセーブしていた魔法を使う事を決心した。
「森の消火は後で行う!ロベルト!」
「分かりました!取り敢えずオークを早く倒さないと死者が出てしまいます」
「クソッ!ファイアーアロー!」
ルイスはなるべく木に火が着かない様に気を使いながら的確にオークだけをを燃やしつくしていく。
火の魔法を放ってはオークのHPを減らし、剣でトドメをさす。
オークを倒すスピードは上がっていくが、それ以上に新人達が怪我を負っていくスピードの方が早い。
「このままでは不味いが」
「撤退するにも負傷した者を置いていくのは…」
「クソッ!まだ援軍はこないか!?」
まだ20体以上はいるオークの群れを前に、早く援軍がきてくれなければ我々は生きて帰れる保証はないと、絶望が頭の中に過る。
いっその事、森の事を気にせずに魔法を放てれば良いのだが、余りにもここは王都に近すぎる為、火災が広かれば王都に住む住人にまで被害が及んでいまう。
「クッ……ここまでか」
新人達が殆ど地にひれ伏せ動かない。
もう、駄目だと思った、その時だった。
「はっ……!?」
スッと自分の横を通る影…見慣れた横顔、流れるピンクゴールドの髪、その後ろには四体の妖精が姿が。
「何が、起きているんだ」
急に現れたのは、いつも行く【まんぷく亭】の妹レティシアだった。
颯爽とオークとの距離を詰めて、両手に持った双剣で次々にオークの頭を的確に刎ねていく。
それをサポートする様に四体の妖精達も攻撃を繰り出し、1体、また1体とオークが倒れていく。
突然現れた新たな敵にオーク達は、ルイス達の事を気にする事も出来ずにレティシアと四体の妖精だけに向けられる。
「何故、あの子がここにいるのだ?…それにしても強すぎるだろう」
「あらあら、ルイスさん。私もいますよ」
「はっ!!?何故貴女がここにいる!!?」
ルイスは背後から聞こえた、聞き慣れた声に驚き振り向いた。
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