2 / 64
第2話
しおりを挟む
王都の西門を出て道を少し外れた所に広大な森が現れる、王都を西から北に架けて囲うようにあるその深い森には多くの魔物が存在する。
西の森の浅瀬ではほとんど魔物は出てこない、もし出たとしても低級の魔物だけである。
森は奥へと行けば行くほど大型の魔物が生息しており、西の森の奥は北の森で、北の森の更にその奥には人が迷い込めば生きて帰ってこれないと言われているほどに恐ろしい魔物が生息する魔の森が存在する。
そんな西の森の中腹の辺りに一人と4体の妖精たちはいた。
「ファングボアはどこかなー?」
「キュゥー」
「なぁに?リン?…あ!」
黄色く可憐な羽を羽ばたかせレティシアの周りを飛んでいた地の妖精であるリンが指差す方角に目をやるとそこには何も居なかったが、探査魔法を展開すると十数m先に魔物がいる事が分かった。
「ありがとうリン!皆行ってみよ」
「「「「キュ!」」」」
身軽な身体で颯爽と木の枝の上を走り駆けるレティシアとそれに着いていく妖精たち
いくつかの木を駆けると、目と鼻の先に大型の魔物の姿が現れた。
「あれって……ロックバードだー!ファングボアじゃないけどあれの唐揚げって美味しいんだよね!よし、サクッと狩っちゃお!」
姉が待っているから早くファングボアを見つけて狩って帰らなくてはいけないと分かっているが、ロックバードのあのジューシーで柔らかな肉の唐揚げの事を考えると狩らないという選択はレティシアには無かった。
「キューイー!!」
「あ!」
サックと狩ってしまおうと腰に装着している双剣に手をかけたが剣を抜くよりも先に4体の妖精たちが素早くロックバードへと飛んで行きご自慢の魔法を繰り出した。
地の妖精であるリンが土を盛り上げ壁を作りロックバードが逃げれなくなる様に囲い、緑の妖精であるエメが蔦で拘束する様にロックバードの巨体を押さえ込む。
そして炎の妖精のルビーが火炎でロックバードのHPを削り、留めに水の妖精であるサフィの水刃で首を落としたのであった。
「わぁ…出る幕無かった!流石だねルビー、サフィ、エメ、リン!見事な連携プレイだったよ」
「「「「キュイ!」」」」
「よし!とりあえず血抜きは後でいっぺんにするとして、インベントリの中に閉まっちゃお」
無限収納の中に首の落ちたロックバードを詰め込む、中に入れた物の時間が止まるので食べ物などが腐らなくてとても重宝している魔法だが、時空魔法は使える事が希少な為町中ではなるべく使わないようにしている。
「さてと、ファングボアを探しに行こ」
気を取り直して頼まれているファングボアを探しにレティシア達はまた木の枝の上を颯爽と走っていった。
西の森の浅瀬ではほとんど魔物は出てこない、もし出たとしても低級の魔物だけである。
森は奥へと行けば行くほど大型の魔物が生息しており、西の森の奥は北の森で、北の森の更にその奥には人が迷い込めば生きて帰ってこれないと言われているほどに恐ろしい魔物が生息する魔の森が存在する。
そんな西の森の中腹の辺りに一人と4体の妖精たちはいた。
「ファングボアはどこかなー?」
「キュゥー」
「なぁに?リン?…あ!」
黄色く可憐な羽を羽ばたかせレティシアの周りを飛んでいた地の妖精であるリンが指差す方角に目をやるとそこには何も居なかったが、探査魔法を展開すると十数m先に魔物がいる事が分かった。
「ありがとうリン!皆行ってみよ」
「「「「キュ!」」」」
身軽な身体で颯爽と木の枝の上を走り駆けるレティシアとそれに着いていく妖精たち
いくつかの木を駆けると、目と鼻の先に大型の魔物の姿が現れた。
「あれって……ロックバードだー!ファングボアじゃないけどあれの唐揚げって美味しいんだよね!よし、サクッと狩っちゃお!」
姉が待っているから早くファングボアを見つけて狩って帰らなくてはいけないと分かっているが、ロックバードのあのジューシーで柔らかな肉の唐揚げの事を考えると狩らないという選択はレティシアには無かった。
「キューイー!!」
「あ!」
サックと狩ってしまおうと腰に装着している双剣に手をかけたが剣を抜くよりも先に4体の妖精たちが素早くロックバードへと飛んで行きご自慢の魔法を繰り出した。
地の妖精であるリンが土を盛り上げ壁を作りロックバードが逃げれなくなる様に囲い、緑の妖精であるエメが蔦で拘束する様にロックバードの巨体を押さえ込む。
そして炎の妖精のルビーが火炎でロックバードのHPを削り、留めに水の妖精であるサフィの水刃で首を落としたのであった。
「わぁ…出る幕無かった!流石だねルビー、サフィ、エメ、リン!見事な連携プレイだったよ」
「「「「キュイ!」」」」
「よし!とりあえず血抜きは後でいっぺんにするとして、インベントリの中に閉まっちゃお」
無限収納の中に首の落ちたロックバードを詰め込む、中に入れた物の時間が止まるので食べ物などが腐らなくてとても重宝している魔法だが、時空魔法は使える事が希少な為町中ではなるべく使わないようにしている。
「さてと、ファングボアを探しに行こ」
気を取り直して頼まれているファングボアを探しにレティシア達はまた木の枝の上を颯爽と走っていった。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。

貴方誰ですか?〜婚約者が10年ぶりに帰ってきました〜
なーさ
恋愛
侯爵令嬢のアーニャ。だが彼女ももう23歳。結婚適齢期も過ぎた彼女だが婚約者がいた。その名も伯爵令息のナトリ。彼が16歳、アーニャが13歳のあの日。戦争に行ってから10年。戦争に行ったまま帰ってこない。毎月送ると言っていた手紙も旅立ってから送られてくることはないし相手の家からも、もう忘れていいと言われている。もう潮時だろうと婚約破棄し、各家族円満の婚約解消。そして王宮で働き出したアーニャ。一年後ナトリは英雄となり帰ってくる。しかしアーニャはナトリのことを忘れてしまっている…!

愛人をつくればと夫に言われたので。
まめまめ
恋愛
"氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。
初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。
仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。
傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。
「君も愛人をつくればいい。」
…ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!
あなたのことなんてちっとも愛しておりません!
横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。
※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

王太子様、丁寧にお断りします!
abang
恋愛
「……美しいご令嬢、名前を聞いても?」
王太子であり、容姿にも恵まれた。
国中の女性にはモテたし、勿論男にも好かれている。
そんな王太子が出会った絶世の美女は少し変……?
「申し訳ありません、先程落としてしまって」
((んな訳あるかぁーーー!!!))
「あはは、面白い冗談だね。俺の事を知ってる?」
「はい、多分王太子殿下ではないかと……」
「……うん、あたりだね」
「じゃあ、落とし物を探して参りますので……さようなら」
「え"っ!?無礼とか、王太子殿下だ、とか考えない?」
「ワーオウタイシサマダ、ステキ……では失礼致します」
「……決めた、俺は彼女を妻にする」
「お断りします」
ちょっと天然なナルシ王太子×塩対応公爵令嬢
「私は平和で落ち着いた愛を育みたいので」
「俺は、キミと愛を育みたいよ」
「却下!」
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる