二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

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第2話

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王都の西門を出て道を少し外れた所に広大な森が現れる、王都を西から北に架けて囲うようにあるその深い森には多くの魔物が存在する。



西の森の浅瀬ではほとんど魔物は出てこない、もし出たとしても低級の魔物だけである。

森は奥へと行けば行くほど大型の魔物が生息しており、西の森の奥は北の森で、北の森の更にその奥には人が迷い込めば生きて帰ってこれないと言われているほどに恐ろしい魔物が生息する魔の森が存在する。



そんな西の森の中腹の辺りに一人と4体の妖精たちはいた。



「ファングボアはどこかなー?」



「キュゥー」



「なぁに?リン?…あ!」



黄色く可憐な羽を羽ばたかせレティシアの周りを飛んでいた地の妖精であるリンが指差す方角に目をやるとそこには何も居なかったが、探査魔法を展開すると十数m先に魔物がいる事が分かった。



「ありがとうリン!皆行ってみよ」



「「「「キュ!」」」」



身軽な身体で颯爽と木の枝の上を走り駆けるレティシアとそれに着いていく妖精たち

いくつかの木を駆けると、目と鼻の先に大型の魔物の姿が現れた。



「あれって……ロックバードだー!ファングボアじゃないけどあれの唐揚げって美味しいんだよね!よし、サクッと狩っちゃお!」



姉が待っているから早くファングボアを見つけて狩って帰らなくてはいけないと分かっているが、ロックバードのあのジューシーで柔らかな肉の唐揚げの事を考えると狩らないという選択はレティシアには無かった。



「キューイー!!」



「あ!」



サックと狩ってしまおうと腰に装着している双剣に手をかけたが剣を抜くよりも先に4体の妖精たちが素早くロックバードへと飛んで行きご自慢の魔法を繰り出した。



地の妖精であるリンが土を盛り上げ壁を作りロックバードが逃げれなくなる様に囲い、緑の妖精であるエメが蔦で拘束する様にロックバードの巨体を押さえ込む。

そして炎の妖精のルビーが火炎でロックバードのHPを削り、留めに水の妖精であるサフィの水刃で首を落としたのであった。



「わぁ…出る幕無かった!流石だねルビー、サフィ、エメ、リン!見事な連携プレイだったよ」



「「「「キュイ!」」」」 



「よし!とりあえず血抜きは後でいっぺんにするとして、インベントリの中に閉まっちゃお」



無限収納の中に首の落ちたロックバードを詰め込む、中に入れた物の時間が止まるので食べ物などが腐らなくてとても重宝している魔法だが、時空魔法は使える事が希少な為町中ではなるべく使わないようにしている。



「さてと、ファングボアを探しに行こ」



気を取り直して頼まれているファングボアを探しにレティシア達はまた木の枝の上を颯爽と走っていった。





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