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俺は君のヒーローだ。
5 自己紹介
しおりを挟む入学式を終えて、教室へ戻ってきた。
「よし、全員着席してるな。これから自己紹介を始める。これから1年間、もしくはそれ以上一緒にいるかも知れない仲間だ。話はちゃんと聞くように。」
先生はそう言ったあと、「よしっ!」と言って先生の自己紹介を始めた。
「まずは、先生からだな。名前はさっきも言った通り田中太狼だ。学生の頃はロウとか、テンプレートな名前と言うことでテンテンと呼ばれていた。お前達は、田中大先生様と呼ぶがいい。」
「ふはっ」「大先生様ーw」
「ははは」「大先生様ってw」
先生が真面目な顔で言うので、クラス内でポツポツと笑いが起きた。
「はい、静かにー。次、大事なとこな、先生の担当教科は何でしょうかっ。はい、さっき一番笑ってた出席番号33番松山幸太。先生の担当教科はなんだ!」
急に指されて幸太が「うぇぇ?!」と言いながら答える。
「た、体育とかっすか?」
そう言った瞬間、先生がガクンと肩を落とした。
「あー、やっぱりそう思うよなぁ…みんな、そう言うよなぁ…。はい、ハズレ。じゃぁ、その前の32番真木優翔。先生の担当教科はなんだ」
当てられると思っていなかったので、驚いたが先生の持っていた教材入れの様な物の中に文学小説がある事に気付いた。
「…国語科、です、か?」
俺がそう言うとクラス中に溢れる「それは違うでしょ~」と言う空気と、幸太の「それはないでしょぉ~」と言う声。
(……失敗したか…?)
そう思って先生を見ると満面の笑みでこちらを見ていた。
「あぁ!そうだぞ!先生は国語科だぁ!いやぁ、真木は良い生徒だなぁ~!よし、じゃあ真木から自己紹介はじめるかぁ!」
(んなっ…ま、まぁ、最初の方がこう言うのは楽だしな…。)
クラスに先生が国語科だと言う意外な情報が残る中、俺は先生に手招きされて教卓の前へ立った。
「真木 優翔、です。中学は桜4中で、部活は陸上。と、以上…です。」
「おぉ、簡潔でいいなぁ。よし、次は…松山は先生の教科を外したからな、前に行って蛇行しよう。原、次自己紹介だ。」
虎が教卓の前へ行く。
「えっと、原 虎之助です。中学は桜2中で、部活は家庭科部でした。さっき自己紹介してた真木ちゃんとは幼馴染です。これから1年間よろしくお願いします!」
ニコッと笑って虎がお辞儀をする。
(かっわいぃぃ)
そう思ってからチラリと周りを見ると、同じ思いなのだろう。口に手を当てた女子が結構いた。
(やっぱり、虎は誰が見ても可愛いんだなぁ…)
少し得意げになりながら次の自己紹介を聞いた。
最後に幸太の番になった。
「うっす!松山幸太です!中学はそこに座ってる優翔と同じ桜4中で部活も陸上っした!楽しい事大好きなんで、遊びとかガンガン誘ってください!これからよろしくお願いします!」
「よし、自己紹介終わったな。諸連絡の時間だ。すぐ終わるから、帰るのは待ってくれよなー。明日は、委員会・係り決めをして、教科書配布をする。教科書は重いからそれなりの袋なり鞄なりを持ってくる事をお勧めする。明日も、これくらいの時間に終わるので、昼は用意しなくていいぞ。はい、という事でこれから1年よろしく頼むぞ。よし、起立。礼ー、さよーなら!」
「「「「さよーなら!」」」」
こうして、無事に入学式が終わったのだった。
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