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恋愛観と僕の過去を考えてみよう。
僕は性別をわかりたくない。
しおりを挟む僕は、自分がわからないけれど恋愛の話は書く。
それでも、自分の恋愛と小説の中の恋愛が違うのがわかる。
それは、当たり前のことなのかもしれない。けれど、僕はやっぱりどこか変なんだ。
恋人はきっと大事にしないといけない。そうだ、大切にしていい存在だ。
きっと、恋人の優先順位は高くないといけない。
信頼していないといけない。
そんな気がするんだ。
でも、僕は彼女が居なくても生きていける。
これから、いないといけなくなるのか?
それなら、ゆっくり、ゆっくりと進みたかった。
僕が壊れるのが怖い。
彼女の隣にいると、彼女が求める性別に心が揺れる。
入れ物と心を伴わせないといけない衝動に駆られる。
それは、きっとこれから生きるのには“良いこと”なんだろう。
でも、それでも…これまで生きてきた自分が壊れそうなんだ。それが、とても、泣きたくなるほどに悲しい。
僕は、本当はこの入れ物が嫌いだ。それでも、僕は僕として生きないといけない。
だから、彼女といるのはいいことなんだろう。
僕は、誰かの求める形に心を捻じ曲げるだけでいい。
君の、望む形でいればいい。
きっと、彼女にこのことを話したら、僕の心を優先してくれるんだろう。
僕の存在を許してしまうだろう。
それが、嫌だ。
君にとってマイナスでしかない僕の心の歪み。それを、君がなんでもないように許してくれる。それが、辛い。
彼女は優しい人だ。僕が嫌がることや、苦しむことをしたくないと言ってくれる。
でも、それは僕も同じだ。同じだけれど、困るんだ。
だって、僕は悲しくていい。苦しくていい。
僕の心に性別はない。でも、それは僕の中では良くないことだ。
“君の隣にいる僕“にとって、よくないことだ。
だから、君の隣にいる時は入れ物の性別に従うんだ。だって、君が望むのは彼氏という人だと思うから。
入れ物の中身が違うなんて、欠陥にも程がある。
でも、こんな考えは、「今の時代なら理解があるよ」「普通のことだよ」って言われるんだろうな。
でもさ、本当に?
本当は、男が女を好きになる方が都合がいいだろ?
それが普通って、思ってるだろ。
僕は、自分に関してはそう思ってるよ。
他人の恋愛は自由だ。はっきり言って僕には関係ないし、とやかく言うつもりはない。
他の人に欠陥だなんて思わない。
僕は、素直に素敵だと思う。
それは確かな事だ。
他人になら、そう思えるよ。
男同士でも、女同士でも、愛し合ってるならそれでいいじゃないかって。幸せならそれでいいじゃないか、外野がとやかく言うことじゃない。そう言えるよ。
じゃなきゃ、男同士の恋愛小説を書いていないよ。
でも、でもね、僕は心と体が伴わないんだ。半分は多分諦めてるからか、体と一致させようって本能みたいなのが働いてるのか、ちゃんと伴ってる。と、思う。けど、もう半分は抗っている。違う性別を望んでる。
もう、性別に関して僕の心はぐちゃぐちゃなんだ。考えたくもない。だって、考えたところで体の性別は変わってくれない。
でも、どうしてもこの世界で生きていくには性別が必要らしいから。恋をするにも、友達をつくるにも、仕事をするにも、勉強するにも、そんな事必要か?ってくらい、性別が邪魔する。
その度に、僕は考えて、落ち込んで、どんどん自分がおかしい奴だって思わされる。
おかしい奴には1番なりたくなかったのに。
些細な言葉や、些細な制度が僕を異常だって認識させてくれる。
これでどうやって、普通って思えるようになるんだ?
こんなの、欠陥だって思うしかないだろ。
きっと、この欠陥がなければ今よりはだいぶ半分くらいは、彼女がいることを初めから喜べたと思うんだ。
本当に、色々彼女にはぶちまけた。
けれど、これだけは聞かれても言わない。僕は、僕の心を彼女にだけは許されたくない。
君の隣では、ちゃんと普通の恋人をしたいから。君が自慢できるような恋人になりたいよ…。
だから、絶対、君には死んでも言わない。
僕は、この心が変わっていく恐怖に耐えられなくなっても、言わないよ。
僕は、君に告白された日から、僕の性別は君に決められていたから。
それに従いたいし、従うしかないんだ。
だって、きっと、その方が良いだろ?
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