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彼女が恋人になってからの話。

好きだと伝えたら、何か変わると思ったんだ。

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彼女にプレゼントを渡す機会があった。

そこで、彼女に手紙を書こうと思った。

でも、渡した今でも迷っている。

本当に、あの言葉を渡してよかったのか・・・。


僕は、人を好きになるという感情の区別ができない。

推しは好きだから眺めていたい。
友達は好きだから幸せでいてほしい。

僕の“好き”に“僕”はいない。

“好きだから一緒にいたい。”

それが恋の始まりだとしたら、僕は友達全員に恋をしていることになる。

恋がわからないんだ。

だから、君が好きというなら、それを受け入れる。受け入れるけど、僕はどうすればいい?なにをすればいい?

どうやって、これを恋にしたらいい?

君は言った。

「もっと知りたいと思ったら恋だよ」

僕は、本当に呆れるくらい、人に対して受け身だった。

聞かれたら答える。
聞かれないなら言わない。

これが、僕の普段のスタンスだった。
(アルバイトや、授業に関しては別なんだよ?人に対してだけだから。)

まぁ、たまに日常で起きたことを話すくらいで、基本的に特質して誰かのことを知りたいと思ったことがなかった。
(教えてくれるなら聞くんだけどね。)

だから、君の基準だと、僕は恋をしていない。

けれど、君は本当に、気にし過ぎだと思うくらい気をつかうから、

「でも、人それぞれで違うと思うよ」

そう言って、また、僕を悩ませるんだ。

だから、僕は悩んだよ。
1ヶ月も悩んで、(今も悩んでるけど)それで、手紙を書いた。

書いたときは、それでいいと思ったんだ。

でも、書き終わって、本当に渡すのか悩んだ。冒頭にも述べた通り、渡した今も悩んでいる。

手紙を読んだ彼女は喜んでいた。
渡した僕は、少し後悔しているのかもしれない。

・・・。

好きだ と、書いてしまったんだ。

書いてから渡すまで、それはもう悩んだ。

話を逸らすと、僕は悩んでいた1ヶ月の間に焼きもちを焼いた。そして、あぁ、やっぱり彼女のことが好きなんだと安心した。(焼きもちだと気付くのに3日かかっているのは秘密だ。)
そこから、彼女が好きなんだ。と過ごしたのにも関わらず、僕は彼女の目の前で知り合い程度の女性(彼女の友達)と成り行きで遊びに行ってしまった。(いや、クズ。本当にクズ。)
全面的に僕が悪い。それは認める。家に帰ってから罪悪感で押しつぶされた。
説明というか、言い訳を順を追ってさせて頂きたい。
本当は1人で買い物に行こうと思っていた僕。少し寂しくて彼女を誘った。そこに彼女の友達もいた。彼女、行きたいけど家の用事があると断られる。それでも、帰り道がいつもより長く一緒。嬉しい僕。(彼女の友達も一緒。)彼女、本当に1人で行くの?と少し心配気味。(後日なら一緒に行くよ?と言ってくれた女神。)僕、元々1人の予定だったので行くとゴリ押し。彼女の友達、それを聞いている。
(ちなみに、僕と彼女が付き合っていることは、大学の人には言っていない。僕は。)
どこ行くの?聞かれる僕。場所を教える。友達、へー、いいなー。僕、え?一緒にいきます?(断られると思っている。)いいよ。丁度近くに用事あるし。
僕、めちゃくちゃ焦るが態度に出ない。
もう一度、彼女に来ないのか聞く。断られる。(君の友達は行くって言ってるけど?来てくれないの?え、本当に来ないの?の意味も込めたけど、きっとそこまで伝わってない)
こうして、僕は罪を犯しましたとさ。

それはもう、ものすごい罪悪感ですよね。罪悪感強すぎて、彼女にさりげなく次は君といきたいな、みたいな、フォローのメッセージ入れましたもん。しかも、さも1人になりましたみたいなメッセージしましたよ。彼女の目の前で繰り広げられてたのにね!阿呆なのかな僕は!

こういった感じで、焼きもち焼いて好きなんだーと思った矢先に自分がやらかすって言う。加えて、家に帰ってから段々焦るっていう・・・。

僕、恋人なのに自覚が足りないよ!本当に!

と、なりまして・・・。

反省して、もう彼女以外の女性を断られる前提でも誘うのはやめようと心に誓いました。

それから、また色々あったんですけど今は省略しますね。

こうして、手紙を書く日になりまして、僕は君がちゃんと好きですよ。と書いてしまったんですね。

だって、やきもち焼いたし、罪悪感半端なかったし。という理由でですよ。まぁ、他にもあるんですけど。

なんというか、僕は彼女を安心させたかったんですね。

でも、書いた本人がその言葉が正しいのかわからなくなったんですね。(表現的に正しいって言葉を使うのは個人的に嫌だなと思ったけれど、それしかしっくり来なかった。)

本心で好きだと伝えてしまったら、僕はそれに縛られてしまう。それでいいと思うのに、それだと良くない気がしてしまう。

そして、いつも行き着く。

友達じゃ、駄目だったのかな…。

君が見てる僕が 君に“見せてる”僕に変わってしまう。

心と願いが噛み合ってくれない。

彼女を心から好きになりたい。

だけど、想像する未来は彼女とどうやって別れることになるのかって、悲しい想像。でも、僕はそれを悲しいと思わないで、いつか来る未来と受け入れてしまってる。

悲しいはずなのに、どうして僕の心は悲しくなってくれないんだろう。
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