67 / 155
第4章 女装男子とラブラブに
21 僕の運命と過去 side真琴 上
しおりを挟む
運命はある。だって、僕が冬也さんと両想いになるのは運命だったから。
だって、本当は再婚の話なんて出るはずなくて…いじめられてる僕を冬也さんがヒーローみたいに助けてくれて、それで…恋に落ちるんだらか。
これは…運命…なんだから…
…運命だったんだから…
ブチッ
何かが切れて景色が変わる。
ポツポツ
ポツポツ
雨が降る。
ポツポツ
ポツポツ
ハイヒールの音がする。雨の中走ってる音。
(足が、痛い。)
涙が、出そうだ。
(なんで…なんで…)
雨は、涙を隠しても心の傷は隠してくれない。痛いのを流してくれない。
(信じてたのに…)
運命が変わる。交差して、元に戻ろうとして…それでも、切れた糸は戻らないから。
頭の中で記憶が混乱する。
『父さんなんて、大っ嫌いだ!!』
あぁ、嫌だ。父さんが、僕を捨てた時だ。
『なんで、僕を置いていくの!!』
ドアに向かって、何回も叫んだ。父さんが出て行ったドアに…置いていかないでって…。
僕がいらないなら、僕だけ置いていけって…
僕だけを…置いていけって
『なんで、母さんを置いていくの!!』
大好きだった、父さんは…いつも母さんと笑っていた。楽しそうに、嬉しそうに…僕は、その仲間になりたくて…母さんを笑顔にできる父さんみたいになりたくて。カッコいい…父さんみたいにって…。
でも、その憧れの父さんは母さんを捨てた。
『真琴、泣かないで…お母さんがいるから。お母さん、お父さんの分まで真琴を大好きって言うから。ねぇ…真琴、今は許せなくても…いつか、許してあげて…。』
『なんで!!父さんは、僕達を置いて行っちゃったんだよ!!』
『それでも、真琴…それは、悲しいけど…運命なのよ。赤い糸は、ひとつだけ。お母さんの赤い糸…お父さんと繋がってなかっただけ、なんだよ。』
『でもっ!!…っ…』
涙を堪えるように眉を寄せながら、笑顔で言った母さんを見て何も言葉が出なかった。
それから、僕は…父さんに似てしまった自分の顔を嫌いになった。
それまで憧れていたカッコイイも…嫌いになった。
それで…可愛いに憧れるようになった。母さんみたいに、強くて優しい…可愛いが好きになった。
でも、僕は父さんに似てしまったから。どうやったって、可愛いにはなれないと思った。
それでも、男だから仕方ないとか思っていたのに…。
母さんの再婚相手は、父さんと真逆の人で花が咲くみたいに笑う人だった。その息子という人もカッコイイのに柔らかく笑う人で…僕だけだった。
僕だけが…
僕1人だけが違った。
だって、本当は再婚の話なんて出るはずなくて…いじめられてる僕を冬也さんがヒーローみたいに助けてくれて、それで…恋に落ちるんだらか。
これは…運命…なんだから…
…運命だったんだから…
ブチッ
何かが切れて景色が変わる。
ポツポツ
ポツポツ
雨が降る。
ポツポツ
ポツポツ
ハイヒールの音がする。雨の中走ってる音。
(足が、痛い。)
涙が、出そうだ。
(なんで…なんで…)
雨は、涙を隠しても心の傷は隠してくれない。痛いのを流してくれない。
(信じてたのに…)
運命が変わる。交差して、元に戻ろうとして…それでも、切れた糸は戻らないから。
頭の中で記憶が混乱する。
『父さんなんて、大っ嫌いだ!!』
あぁ、嫌だ。父さんが、僕を捨てた時だ。
『なんで、僕を置いていくの!!』
ドアに向かって、何回も叫んだ。父さんが出て行ったドアに…置いていかないでって…。
僕がいらないなら、僕だけ置いていけって…
僕だけを…置いていけって
『なんで、母さんを置いていくの!!』
大好きだった、父さんは…いつも母さんと笑っていた。楽しそうに、嬉しそうに…僕は、その仲間になりたくて…母さんを笑顔にできる父さんみたいになりたくて。カッコいい…父さんみたいにって…。
でも、その憧れの父さんは母さんを捨てた。
『真琴、泣かないで…お母さんがいるから。お母さん、お父さんの分まで真琴を大好きって言うから。ねぇ…真琴、今は許せなくても…いつか、許してあげて…。』
『なんで!!父さんは、僕達を置いて行っちゃったんだよ!!』
『それでも、真琴…それは、悲しいけど…運命なのよ。赤い糸は、ひとつだけ。お母さんの赤い糸…お父さんと繋がってなかっただけ、なんだよ。』
『でもっ!!…っ…』
涙を堪えるように眉を寄せながら、笑顔で言った母さんを見て何も言葉が出なかった。
それから、僕は…父さんに似てしまった自分の顔を嫌いになった。
それまで憧れていたカッコイイも…嫌いになった。
それで…可愛いに憧れるようになった。母さんみたいに、強くて優しい…可愛いが好きになった。
でも、僕は父さんに似てしまったから。どうやったって、可愛いにはなれないと思った。
それでも、男だから仕方ないとか思っていたのに…。
母さんの再婚相手は、父さんと真逆の人で花が咲くみたいに笑う人だった。その息子という人もカッコイイのに柔らかく笑う人で…僕だけだった。
僕だけが…
僕1人だけが違った。
0
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
聖也と千尋の深い事情
フロイライン
BL
中学二年の奥田聖也と一条千尋はクラス替えで同じ組になる。
取り柄もなく凡庸な聖也と、イケメンで勉強もスポーツも出来て女子にモテモテの千尋という、まさに対照的な二人だったが、何故か気が合い、あっという間に仲良しになるが…
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる