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第3章 また…最初から、始めよう。
何事もなかったように
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俺は、秋桐とのことを何も無かった事のように…初めから出会っていなかったかのように日常を始めた。
「……真琴?」
(……ただの……日常…)
「ぉーい、真琴?」「朔弥さん?真琴さんがどうかしたんですか??」「ぁあ、絽紀くん…真琴がさ…最近上の空で…」「…真琴さんが?…。」
ただの、日常に戻ったはずだ。なのに、どうして…
「真琴さーん?」
(どうして…秋桐のことが頭から離れない…)
何をしていても、どこにいても…頭の片隅にいるのは君だけで…。どうしたって、君から心が抜け出せない。
「…な?何にも反応したいだろ?」
「…真琴!」
「ぇ?!」
絽紀が、俺の肩を掴んで大きな声で俺を呼んだ。
「ぁ、真琴やっと戻ってきたか。」
そう言って朔弥が苦笑しながら俺の前の椅子にまたがるようにして座った。
「なぁ、なにかあったのか。」
心配そうに朔弥が言った。
「何もないよ。」
「んなわけねぇだろ。」
俺がなんともないようにかえすと朔弥が即答した。絽紀を見ると心配そうに俺の事を見ていた。
観念した俺は、放課後2人を俺の家に呼んだ。
「ここが、真琴の家?」「俺は2回目くらいだなぁ」
絽紀と真琴が話しながら家の前にいる。
俺の家は至って平凡な二階建ての一軒家だ。外観はシンプルに白と黒。ビニールプールと洗濯干しが置けるくらいの中くらいの庭。ガレージには赤の車がある。
「さぁ、上がって。」
玄関を開けて2人を招く。「おじゃまします。」と2人は言って部屋に入る。洗面台で手を洗うよう促してから二階にあるベランダ付きの自分の部屋を目指した。
「少し汚いけど入って。」
そう言って2人を招き入れた部屋には少し本が散乱していた。
「まぁまぁ、綺麗だな。」「普通に綺麗だね。」
朔弥と絽紀がそういいながら部屋をきょろきょろしている。適当に座ってと言って一階から麦茶と適当なお菓子を皿にあけお盆に乗せて部屋に戻った。
「麦茶とお菓子、どうぞ」「あ、ありがとう。」「わるいな。サンキュ」
絽紀と朔弥がお菓子を食べ始めた。
俺は、話をはじめた。
「……秋桐と別れた。」
「ぇ…?」「は…?」
俺が静かに言うと2人は目を点にしながら俺を見た。
「正確に別れようとか言ってないけど…俺は、俺たちは終わった。」
心の中で思っていても声に出すのは辛かった。
「…はぁ?なんだよ、それ…!」
怒りを含んだ朔弥の声が部屋に響いた。
それから、少し考えたような絽紀が口を開いた。
「もしかして…この間の…キス、の話?」
俺は、それに頷いて朔弥と絽紀に俺の気持ちと遊園地からの話をした。
話し終わると、絽紀は申し訳なさそうにして、朔弥は、俺の話を聞いてキレていた。
「ごめん、真琴…俺が遊園地なんか誘わなかったらよかったね…。」
「そんな事ないよ。誘ってくれてむしろよかったよ。ありがとうな、絽紀。」
「…あいつ、なんで!真琴はそれでいいのかよ!あんなに、あんなに好きって悩んで!終わらせていいのかよ!」
「…仕方ないんだよ。」
「そんな事…そんな事言うなよ…。諦めんなよ…。もしかしたら、なんかの間違いかもしれないだろ、片岡は…お前が好きって言ってたんだろ?!」
「ぅん…でも、梓暮さんとキスしてたのは本当なんだよ?」
そう言うと朔弥は黙ってしまった。
その日、2人は重い空気のまま俺の自宅を去って行った。
(何事もなかったようになんて…できないのかな…。)
俺は1人ベランダから夕陽を見ながら考えた。
しばらくして、部屋に戻りクローゼットの中を見る。
クローゼットの中は大好きな可愛い服が半分を占めていて残りは男用の俺用の服があった。
一着服を取った。
(…秋桐に会った時の服…。)
俺はそれをクローゼットの奥にしまった。
「……真琴?」
(……ただの……日常…)
「ぉーい、真琴?」「朔弥さん?真琴さんがどうかしたんですか??」「ぁあ、絽紀くん…真琴がさ…最近上の空で…」「…真琴さんが?…。」
ただの、日常に戻ったはずだ。なのに、どうして…
「真琴さーん?」
(どうして…秋桐のことが頭から離れない…)
何をしていても、どこにいても…頭の片隅にいるのは君だけで…。どうしたって、君から心が抜け出せない。
「…な?何にも反応したいだろ?」
「…真琴!」
「ぇ?!」
絽紀が、俺の肩を掴んで大きな声で俺を呼んだ。
「ぁ、真琴やっと戻ってきたか。」
そう言って朔弥が苦笑しながら俺の前の椅子にまたがるようにして座った。
「なぁ、なにかあったのか。」
心配そうに朔弥が言った。
「何もないよ。」
「んなわけねぇだろ。」
俺がなんともないようにかえすと朔弥が即答した。絽紀を見ると心配そうに俺の事を見ていた。
観念した俺は、放課後2人を俺の家に呼んだ。
「ここが、真琴の家?」「俺は2回目くらいだなぁ」
絽紀と真琴が話しながら家の前にいる。
俺の家は至って平凡な二階建ての一軒家だ。外観はシンプルに白と黒。ビニールプールと洗濯干しが置けるくらいの中くらいの庭。ガレージには赤の車がある。
「さぁ、上がって。」
玄関を開けて2人を招く。「おじゃまします。」と2人は言って部屋に入る。洗面台で手を洗うよう促してから二階にあるベランダ付きの自分の部屋を目指した。
「少し汚いけど入って。」
そう言って2人を招き入れた部屋には少し本が散乱していた。
「まぁまぁ、綺麗だな。」「普通に綺麗だね。」
朔弥と絽紀がそういいながら部屋をきょろきょろしている。適当に座ってと言って一階から麦茶と適当なお菓子を皿にあけお盆に乗せて部屋に戻った。
「麦茶とお菓子、どうぞ」「あ、ありがとう。」「わるいな。サンキュ」
絽紀と朔弥がお菓子を食べ始めた。
俺は、話をはじめた。
「……秋桐と別れた。」
「ぇ…?」「は…?」
俺が静かに言うと2人は目を点にしながら俺を見た。
「正確に別れようとか言ってないけど…俺は、俺たちは終わった。」
心の中で思っていても声に出すのは辛かった。
「…はぁ?なんだよ、それ…!」
怒りを含んだ朔弥の声が部屋に響いた。
それから、少し考えたような絽紀が口を開いた。
「もしかして…この間の…キス、の話?」
俺は、それに頷いて朔弥と絽紀に俺の気持ちと遊園地からの話をした。
話し終わると、絽紀は申し訳なさそうにして、朔弥は、俺の話を聞いてキレていた。
「ごめん、真琴…俺が遊園地なんか誘わなかったらよかったね…。」
「そんな事ないよ。誘ってくれてむしろよかったよ。ありがとうな、絽紀。」
「…あいつ、なんで!真琴はそれでいいのかよ!あんなに、あんなに好きって悩んで!終わらせていいのかよ!」
「…仕方ないんだよ。」
「そんな事…そんな事言うなよ…。諦めんなよ…。もしかしたら、なんかの間違いかもしれないだろ、片岡は…お前が好きって言ってたんだろ?!」
「ぅん…でも、梓暮さんとキスしてたのは本当なんだよ?」
そう言うと朔弥は黙ってしまった。
その日、2人は重い空気のまま俺の自宅を去って行った。
(何事もなかったようになんて…できないのかな…。)
俺は1人ベランダから夕陽を見ながら考えた。
しばらくして、部屋に戻りクローゼットの中を見る。
クローゼットの中は大好きな可愛い服が半分を占めていて残りは男用の俺用の服があった。
一着服を取った。
(…秋桐に会った時の服…。)
俺はそれをクローゼットの奥にしまった。
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