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届かない恋

殺し屋が恋をした相手は標的でした。

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気が付いたら、僕は君に刺されていた。

心臓に一突き。痛みは後から来るんだなって、その時知った。
綺麗な青い空と、風に揺れる君の金色の髪が怖いくらい綺麗だなって思った。

相変わらず、血は地味に流れてる。痛みは激しい。けど、まだ刺さってる。だから、きっとまだ死ねない。と言っても、もうすぐ僕は死ぬんだろう。

(あー、血が逆流して、吐血とかしちゃうのかな。)

ポタポタと、頬に落ちた。

(あ?泣いてるのか……?)

仕方のないやつだなと、思いながら腕に力を込めた。

触れた頬は熱かった。
(きっと僕の手が冷たいんだな)

朧げな視界の中で、翡翠色の瞳が僕を見た。

(やっぱり、綺麗だな。)

キラキラ涙に揺れる瞳は、宝石みたいだった。


warum?なんで……Du bist schrecklich.君は酷い


掠れた声で君は言葉を落とした。

Warum sind Sie so nett?なんでそんなに優しいの

君の言葉を全部聞きたいのに、段々と意識が離れて行く。

Du bist ein Idiot.君は 馬鹿だ……Idioten馬鹿……」

(もっと、君と居たい。もっと……まだ、死にたくないな……)

Wollte nicht töten殺したくなかった……Ich will nur noch mit dir zusammen sein君と一緒にいたい……Ich bin ein Idiot馬鹿は私だ……」

意識を手放す直前。君の口が動いた。
だけど、僕の耳はもう聞こえなくなっていた。

(君がくれた最期の言葉……知りたかったな。)

『Ich liebte』

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