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僕から何かを失くしたら

例えば声を失くしたら

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例えば、声を失くしたら。

僕はきっと、初めは死にたくなって…。 

それでも多分、生きていて…。

他の楽しいものを見つけて…。



しばらくは、普通に生きるんだ。



でも、ふとした時



聞こえる音が


聞こえる歌が



とても…とても……



悲しくなって
苦しくなって
辛くなって

全ての音と全ての歌が嫌いになるんだ。
嫌いにならないと、涙が溢れて仕方がないから
心が痛くて仕方がないから
大好きなものを嫌いになるんだ。


それでも、好きなものを嫌いになるのは難しくて
見て見ないふりをしながら日常に溶け込むんだ。

だけど…ふとした時、僕は世界から仲間外れにされたように感じるんだ。

みんなは聞こえるのに
みんなはわかるのに…
どうして?
どうして僕だけ…?

それでも、僕から失くなった全てを嫌いになれなくて。

そして、きっと僕はまた…死にたくなるんだ。

今度は、心の奥底から…

闇の中から
明るい光を求めるように…。
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