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第1章 アレク村からタタンタルク
弓使い
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俺は村の門をくぐり、何もない草原を歩く。
あたり一面に草原が広がり、殺風景でありどこか美しいと思った。
「(ん?あれって…)」
よく目をこらすと、少し離れたところに人が倒れている。
俺はその人に駆け寄った。
「ちょ、大丈夫ですか!?」
「う…ん…。」
その人は目をつむったままなにかを話し始めた。
「ぅ…お腹…」
「お腹がどうかしたんですか!?」
「お腹…減ったっス…。」
「…え?」
「すいません…なんか食いモン持ってねースか…?」
「…パンならありますよ?」
その男にパンを渡すと、男は勢いよく食べだした。
「ふぅ、ありがとうございます。アンタ、名前なんて言うんスか?」
「俺はカルロス。お前は?」
「俺はギラ。アーチャーっス。」
「アーチャー?」
「アーチャーも知らないなんて、あんた何の為にこんな草原ウロついてんすか?」
ギラは訝しむような目付きでこちらを見た。
「俺はシグリアスに向かってるんだ。」
「シグリアス…?って、は?あんたなに言ってんスか?あそこはただの廃国ですよ?」
「俺の父さんがあそこにいるんだ。俺は父さんに会いに行く途中。」
「ふーん…。一人で行くんスか?」
「まあ今のところは一人だな。」
「…お兄さん、シグリアスは身一つで入れる場所じゃねーっスよ。」
ギラは真剣な目でこちらを見た。
「それってどういうことだ?」
「そのまんまの意味っス。シグリアスの前には高い門がそびえ立ってるんス。その門を開けるには鍵が必要なんス。」
「鍵?」
ギラは説明を始めた。
あたり一面に草原が広がり、殺風景でありどこか美しいと思った。
「(ん?あれって…)」
よく目をこらすと、少し離れたところに人が倒れている。
俺はその人に駆け寄った。
「ちょ、大丈夫ですか!?」
「う…ん…。」
その人は目をつむったままなにかを話し始めた。
「ぅ…お腹…」
「お腹がどうかしたんですか!?」
「お腹…減ったっス…。」
「…え?」
「すいません…なんか食いモン持ってねースか…?」
「…パンならありますよ?」
その男にパンを渡すと、男は勢いよく食べだした。
「ふぅ、ありがとうございます。アンタ、名前なんて言うんスか?」
「俺はカルロス。お前は?」
「俺はギラ。アーチャーっス。」
「アーチャー?」
「アーチャーも知らないなんて、あんた何の為にこんな草原ウロついてんすか?」
ギラは訝しむような目付きでこちらを見た。
「俺はシグリアスに向かってるんだ。」
「シグリアス…?って、は?あんたなに言ってんスか?あそこはただの廃国ですよ?」
「俺の父さんがあそこにいるんだ。俺は父さんに会いに行く途中。」
「ふーん…。一人で行くんスか?」
「まあ今のところは一人だな。」
「…お兄さん、シグリアスは身一つで入れる場所じゃねーっスよ。」
ギラは真剣な目でこちらを見た。
「それってどういうことだ?」
「そのまんまの意味っス。シグリアスの前には高い門がそびえ立ってるんス。その門を開けるには鍵が必要なんス。」
「鍵?」
ギラは説明を始めた。
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