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10話 月に抱かれる(3)改(2/3)

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「……んっ、ふ……っ」
「鼻で息をしろ、あとはもう何も考えるな」
 低い声色でそう告げると、リュカは私にキスをしたまま体をベッドへと押し倒した。数時間前までアンリと抱き合っていた同じベッドで、今度はリュカと……。
(こんなの心がついてこない……無理だよ)
「嫌……っ」
 首を横に向けるが、リュカは手首を頭上で押さえ込み、構わず下着を脱がせていく。
「抵抗された方が俺は燃えるタイプだからな。どんどん喚くがいい。代わりに極上のセックスをプレゼントしてやる」
「……っ、リュカ……っ」
 敏感になっている胸の先端を舌先で弾かれ、背中が小さく反り返る。そのまま脇の下からお腹にかけてツーっと鈍るぬるい感触が這い回り、下腹部に強く唇が押し当てられた途端声が漏れた。
「あ……っ」
(アンリと違う……声もなく、こんな風にただ刺激だけが送られてくるなんて)
 リュカの大きな手が私の胸を遠慮なく鷲掴みにし、痛いくらいの力で揉んでくる。
「痛い……痛いよ」
「今は痛くても、いずれ良くなって、最終的には『もっと』って気持ちになる」
 首筋に歯を立てながらキスをし、私の手首を抑えている方の手にはさらなる力が加わる。
「……っ」
 こんな乱暴な行為なのに、私の体は変な疼きでぞくりとしていた。
(何……この感覚)
「アンリの抱き方は言葉で攻めるだろ?俺はそういうのはうっとおしいからな……その代わり、絶頂は確実に迎えさせてやる」
 にやりと笑みを浮かべると、リュカは私の片足を大きく上げて自分の肩にかけた。
「……やぁっ」
 こんな体勢になるのは初めてで、恥ずかしさで体をよじらせる。それでもリュカは強引に私の体を正面に向けさせ、自分を見るよう言った。
「俺を見ていろ、目を逸らすな」
「……でも、こんな」
「心配するな、中はもうとろけてるだろ?」
 指を軽く秘部へ入れると、そこは驚くほど濡れていていやらしい音が部屋に響いた。
「や……っ」
 リュカは何も言わず、そのまま自身の熱く硬いものを押し当てる。恐怖とも違う、妙な不安が胸によぎった。
(リュカはアンリと全然違う……どうしてこんな強引なの)
「俺を満足させられたら……この世界からあんたを確実に守ってやる」
「え……あっ」
 私の答えを待たず、リュカは私の中に強引に押し入った。
「や……ぁ」
 一気に貫かれる感覚に、体は痙攣しそうなほどの震えを感じる。そのまま休むことなく中を突き上げられ、私は人形のように揺さぶられ続けた。
「い…や……」
(痛い……優しさもなくて……辛い)
 涙が滲み、私はリュカの語らない瞳を見つめる。
(こんな行為じゃ……後には虚しさが残るだけだよ)
 私はリュカの腕をぎゅっと掴み、強引に動きを止めさせた。
「止めてっ!」
「……っ、何をする」
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