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歪んだように廻り出した歯車は、
歪んだように廻り出した歯車は、#06
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あれから、ふた月。真澄の暮らしは一変した。
残っていた元々の使用人も、少しでも変な行動を取れば即座に殺され、その代わりに来た新しい使用人達は愛想もなく、まるで創の操り人形のようだった。
真澄も今までの部屋を追われ、屋敷の一番奥の部屋へと軟禁される事になった。
ずっと使われていなかった部屋だったが、何代か前の当主が妾を囲うために作らせた部屋、という事もあってか縁台から見る坪庭と、天気のいい日に見上げる空はとても綺麗だった。
その部屋から他の部屋へと続く廊下には、元々二部屋あったが、そのうちの部屋の一つを改築し厠と風呂場が作られ、その先には新たに鍵付きの扉が付いた。その鍵は、特定の人間しか持つ事すら許されなかった。
そして、もう一つ大きく変わった事――。
「はっ……ああっ……んっ、ぐっ」
「ははっ! こりゃぁ、いい。男を抱くなんざぁ、まっぴら御免だと思っていたが、こいつぁ別格だ」
「そうだなぁ。しかも……こいつ、そんじょそこらの女より濡れるし、感度もいいときたもんだ」
真澄が、部屋に軟禁されて数日後の夜。
創が数人の男を連れて、部屋に現れた。暗がりで男達の顔はよく見えないけれど、うっすらと血の臭いがしたから、少なくとも善良な人間ではないだろう。腰には刀を差している。
あの日の恐怖が全身を支配して、真澄の身体はかたかたと震えだす。
「へへっ……、本当にヤっちまっていいんですかい? こいつぁ、あんたの〝兄様〟なんだろ?」
「……ふん。我が周防家に不幸を招く、忌み子さ。それは、女より濡れるし孔の具合もいいが、大事な商品だ。間違っても、壊してくれるなよ」
そう言って創は、こちらを見向きもせず部屋を出て行ってしまった。
それからというもの夜になると毎日の様に、見知らぬ男達が真澄を抱きにやってくるようになった。腕っぷしの男達に、真澄が敵うはずもなかった。
『首筋を噛まれると、感度が落ちるらしい』という、風の噂を聞いた創に言われ、首輪を付け、代わり映えしない庭を見て、夜は抵抗する事も諦め、毎夜違う男達に大人しく抱かれる日々。
それに自分が創に逆らわなければ、周防家元々の使用人達がこれ以上殺される事もきっとない。
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