【R18】スキル:チンポ作成

あんぱん じろう

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2話 飼い殺しを回避しろ

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 神託スキルを授かったと嘘をつく俺。群衆の中の1人、敵意を隠さない男は、すぐさま神技スキルを証明せねば牢屋にぶち込むと脅してきた。

 全くもって納得のいかない話。こんなのパワハラも良いところだ。右も左も分からない状況で追い込まれる俺。

 しかしよろしい、売られた喧嘩は買ってやる。





「アクラン卿、お前の股には、魔の証、陰茎チンポが2本付いている」


 そう言い放ち、「スキル:チンポ作成」を男の股間めがけて発動する。最大の気がかりであった、光や音、目に見える波動などは生じなかった。ならば俺の勝ち。お前の股にはチンポが2本あるはずだ。


「おひょっ?!」


 股間を抑えるアクラン卿という名の壮年の男。



「ま、まさか....本当に?」

「陰茎が2本だと....?」

「卿が股間を抑えておる...これは真なのでは?」



 ざわざわとする大広間。アクラン卿の態度を見た者が次々に推測を述べているのか、その喧騒は次第に大きくなっていく。



「ち、違うのだ!!これは今さっき

「あるんだな?やはり陰茎が2本ついているんだな?神の目は欺けない。魔の使徒よ、観念しろ。神託の力は絶対だ」



 俺はフィナーレを迎えた指揮者のように、手を広げて天井を仰ぎみる。かなりクサイ演技だが、演出は必要だ。いつの時代も、漲る自信に人は吸い寄せられる。そんな俺を見てか、どよめきと歓声が沸き起こる。


「違う!!この陰茎は今2つになったのだ!!信じてくれ!!」

「神官兵、アクラン卿を牢に入れよ!見張りは倍に、いや3倍に増やせ!何が起こるかわからん!!」

「「「ははっ!!」」」


 連行されていくアクラン卿。ぎゃあぎゃあと騒いでいるが、聞く耳を持つ者は誰もいなかった。逆に罵詈雑言を浴びせかける始末だ。これで奴は終わりだろう、想像したくもないが物証があることだしな。



「これで証明できたということで良いな?」

「おお、おお、当たり前だとも。素晴らしき神託の者よ。まさに神の遣いと呼んでも過分ではない。こんなにも早く魔の手先を暴くなど、未だかつてなかったことだ...」

「いや問題ない。しかし俺も急に異世界に召喚されて要領が得ない。少し休みながら情報を貰いたいのだが」

「もちろんだとも。フランソワ、彼を案内せよ」

「はい、お任せください」


「皆の者!此度の召喚は既に成った!もはやこの儀の成功を疑う者はおるまい!この者は私マドガルフが預かる故、解散とする!」


 俺にずっと問いかけていた爺さんはマドガルフというらしい。召喚の儀を任されていたのだろうか。恐らくお偉いさんだろう。その横の女性はフランソワは、目を伏せて俺にお辞儀をした。







 フランソワを先頭に、だだっ広い大神殿の中を歩いた。そして豪華な一室に通される。素材は違うのだろうが、三つ星ホテルのスイートみたいな部屋だ。まあそんなもの写真でしか見たことがないけどな。


「フランソワさんは暫く居てくれるのか?さっきも言ったように、この世界のことを色々教えて貰いたいのだが」

「私に答えられる内容であれば問題ありません」

「そうだな...じゃあ」


 俺が吸い上げた情報はこんな感じ。


 ・ここは大神殿。魔神に対する人神を信仰している。
 ・魔神を信仰する魔人、それに魔物が、只人の仇敵である。
 ・大神殿は魔を討つ国々や冒険者を支援している。
 ・大神殿は神技を持つ異世界の民をしばしば召喚する。


 まあ良くある話だ。特に違和感なくスッと頭に入ってくる。じゃあチンポ作成って神技はなんなんだよ。俺だけ異常すぎるわ。勘弁してくれ。


「なるほど....それで?あそこに居た連中の中には、悪意を持っていそうな奴もいたようだが、人間も一枚岩ではないのか?」

「それは.....」


 フランソワが言いあぐねている間に、最初のジジイ、マドガルフが入ってきた。


「それはワシが話そうか」

「マドガルフ様....儀式でお疲れでしょう。お休みになられては?」

「よいよ、アクランめが消えるとは思わなんだ。気分が高揚して眠れんよ」


 俺たちが座っているソファーの向かいに腰を掛けるマドガルフ。


「政敵なのか?」

「いやはや、神託の者に誤魔化しは効かんか。政敵....というほどではないが、人が集まれば色んな考えがあるからな。足を引っ張りもする」

「なるほど、派閥争いか。そんなことやってて魔神とやらに勝てるのか?」

「皆それを願っている、と信じたいところだ」


 溜め息を吐くマドガルフ。めんどくさそうだな。これは巻き込まれないようにさっさと逃げたほうが良いだろう。条件次第ではあるが。


「それで、召喚された異世界の民はどう扱われるんだ?」

「神技による。冒険者として大神殿を出る者もいるし、特定の国に赴いて後方支援する者もいるし、大神殿を補佐した者も過去には居たそうだ」


 なるほど、無碍には扱わないか。ただし俺の場合、神託ということになっているから冒険者にはなれないだろうな。

 ずっと監視をつけられて建物に缶詰め。毎日毎日、出来もしない神託を捻り出せと言われる訳だ。俺の神技(スキル)がチンポ作成であることも知らずに。

 ゲロ吐きそうな職場環境だ。まだ元の世界のブラック企業勤めの方がマシかもしれん。



「神託の者であれば、大神殿で

「いや待て!神託が降りてきた」



 俺がマドガルフの言葉を遮ると、おお...と呟く目の前の2人。



「大神殿をすぐに発て。1人で旅に出て、冒険者となり魔を討つのだ、らしいぞ」


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