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向けられた悪意と狂戦士
39.不本意なセクハラ返し
しおりを挟む※ 結構下ネタ回です。嫌な方回避で。
**************
えーと。状況整理しようか。
3馬鹿と対峙した後、宿の食堂で飲み会。
3馬鹿を1人で相手にした事での、私へのお説教だったんだけど。
触らせたとか、なんだとかの話になり。
魔力操作の話になり。
【乾燥】をかけたら、悶え倒れた大人が2人。
私ナニしたの?
***
で。
残ったイズマさんとベネリさんに話を聞くことに。
でも、イズマさんは、終始無言。
主にベネリさんと話し合いと検証になったんだけど。
分かった事は以下の通り。
1.【洗浄】などの生活魔法を人に向けて使用すると、人によっては、肌に触れる感触がある。
2.つまり、師匠とカン君、ついでにイズマさんは、異性であるにもかかわらず、私の肌に触れていたコトになる。
3.しかし、私には、肌に触れられている感触ではなく、表層を魔力が流れるといった感覚しかない。
4.逆に私が【乾燥】をかけた所、男性陣の肌に触れる感触ではなく、その人の持つ魔力そのものに触れていた、らしい。
5.魔力に触れる、というのは、体内の根幹に触れるようなモノ。快楽とかに直結しやすい。
そのため、魔力自体に触れる感覚は、よっぽどな事がない限り起こり得ない状態。
・・・それこそ、相性の良い相手との情事の最中とか。
6.因みに、この世界では、魔力量の多い者に、少ない者が、惹かれやすい傾向にある。
・・・と、言うワケで。
知らんうちに、カン君と師匠の魔力に、私の手加減なしの膨大な魔力で触れたが為に、すんごい刺激がイっちゃったようです。
相性とか関係ない、力付く状態?
言うなれば。
無意識的、触手プレイ?
・・・不本意だ。
私に旨味は何もない。
見て喜ぶS属性も無い、と思う。
・・・なんかゴメン。
マジでごめんなさい。
同意のないのは、イクナイ。
とりあえず、最後まではイッてないようだけど。
それはそれで、寸止めは辛そうね。
トイレは、あっちですよ?
手伝わないよ?
「いいんだよ。特にこのオジサン、【洗浄】で楽しんでたんだから。良い薬でしょ。
あ、リンちゃん、イズマにも食らわせていいよ。」
「やめろ。」
ベネリさん、師匠にもイズマさんにも、容赦無いな。
「とりあえず、受け取る感覚の違いは発生していたワケですね。
ししょー達、皆さんは肉感的な触覚で、私は魔力の流れというか空気感といった感覚探知に特化、といったトコでしょうか。」
だから、鈍いって話じゃ無いのさ。
受け取り方が違うんだから。
気持ち悪い気配とかは、感じてたし。
全く。自分が不感症かと思ったじゃないのさ。
「肉感的って・・・もうちょっと表現考えて。女の子なんだから。」
「ベネリさん、今更ですよー。
まぁ、大した身体でもないし。胸デカイ訳でもないから、触りごたえ無かったでしょーに。
寧ろ、無理矢理触らせてスンマセン的な?
ぶっちゃけ、私痴女じゃん。私自身の快楽ないけど。」
「ぶっちゃけすぎだって・・・どーして、君はこう、自虐に走るのかなぁ。ちったぁ、恥じらいなさいよ、女の子。」
「個人スキルなんで。気にしないで下さい。」
え?中身アラサー・・・いや、もうそろそろアラフォーだから。
アルコール入った時は、下ネタ積極的にぶっ込んだほうが、オッサン達のセクハラ牽制になることは、スキルとして習得済みなんで。
「この世界では、魔力量が多い者に惹かれてしまう、って話したでしょ?
リンちゃんの魔力って日頃からダダ漏れしてんだけど、そばにいるとね、気持ち良いんだよ?
カンも同じだけどね。
だから、色々寄って来ちゃうと思う。」
それって、マイナスイオン発生器とか、アロマディフューザーとか的な何かですか。
それとも、誘蛾灯ですか?
「で・・・まぁ、本題なんだけど。って、『何だっけ?』って顔しない。」
何でしたっけ?
何か、後のインパクトが強すぎて、始めの話忘れたよ。
「『ケルベロス』の話だよ。」
「あ、そうでした。」
駄犬の話ね。
「とりあえず、奴らにはタゲられたと見るべき、だと思うよ。」
ベネリさんは、静かに話し始める。
「タルマンは、人と対峙する時に、魔力量に任せた圧力と、精神干渉系の魔法を乗せてくる。耐性のない人間は、それで屈してしまう。
でも、リンちゃん、君は全く相手にしなかった。」
コクリ、と頷く。
圧も何も感じない。只々ねっとりとした気持ち悪い気配だけ、まとわりついていた、と思う。
「A級になってから、あの男にとって、思い通りにならない女性なんていなかったようなもの。
まぁ、商業ギルドのレインさんのような、本当に強い女性には寄っていってないこともあるけど。
『黒持ち』で、魔力量が多いだけで、どうとでもなると、思ってたと思う。」
思い上がりの、勘違い野郎だったしねぇ。
「で、君に実際に触れてみて、溢れ出てる魔力にも惹かれた可能性が高い。
だから、年下とタカを括っていたら、全く相手にされなかった、というのは、かなりプライドを抉られた、と思う。」
「そうなると、自分の嗜虐心のままに組み敷こうとする。そして、組み敷くまで、酷い執着を見せる。手段は・・・選ばない。」
ギリ、と唇を噛むイズマさん。
軽く頷き、ベネリさんは話を続ける。
「そして、君がここ『グレイハウンド』に属しているのも、面白くない。
あいつら、ファーマスさんを目の敵にしてるから。
多分、だけど。
俺らも含めて、君を取り囲む人間を、排除しようとすると思う。
一人にして、君の心を折って、自分達から逃れられないようにするために。」
三下の考える、あるある展開ですね。
・・・そんなんで折れないけどねぇ。
「俺らはそんな簡単にはやられないし、君も強い。
でも、何があるかは分からないんだ。
だから、兎に角気をつけること。
今日みたいに、一人で打っ込むのはやめてね。」
真剣な顔で見つめてくるベネリさん。
にこ、と笑顔で答えてみる。
「わかりました。迎え撃つのは、ギルマス達とも要相談、という事で。」
「ホントは、相手もしないで隠れていて欲しいけど。君は、そういうタイプじゃないもんね。」
諦め顔で、ため息を吐くベネリさん。
当たり前じゃないですか。
ここまできて、当の本人蚊帳の外は、ナシですよ?
「さて、話はこんなところかな?」
「そう、ですねー。
・・・で、この机に突っ伏してる2人は、どうしましょう。」
未だ復活しきれてない、大人2人を見やる。
「とりあえず、治るまでほっといていいよー。俺らも居るし。リンちゃんは寝ちゃいなー。」
「じゃ、そうしますー。おやすみなさい~」
ほっとくのは悪い気もするけど、男同士の話もあるだろうし。
お言葉に甘えて、寝ることにする。
席を立つと二階の寝室に向かった。
・・・あんな話を聞いた後だし、【洗浄】は頼めないよね。
空間収納にタライあったかなー
お湯作って、身体拭くかぁ。。。
こうなると、お風呂作ったほうが良い気がしてきたよー
・・・でも、なんで私だけ、魔力の感じ方も、感じさせ方も違うんだろかなぁ。
カン君は、そんな事ない訳だから、《迷い人》の特性ではないよねぇ。謎。
教訓:私は人に向けて魔力操作はしないこと。
**************
師匠達のセクハラより、結果酷いことした主人公。
主人公側に一切快楽がないので、男性陣、公開自慰状態
訴えられたら負けるよね。
ヒドすぎる・・・
しかも、この話で引っ張るつもり無かったのに。
そして、この後シリアスパート作れるんだろうか(ノД`)
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