転移は猟銃と共に〜狩りガールの異世界散歩

柴田 沙夢

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異世界ネイチャーライフ(?)満喫中

25.今日は冒険者ギルドへ

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ザンギ事件の解決後、レシピ詳細を伝えていると、醤油モドキや、片栗粉モドキもこの世界には無かった事が判明。

ソグの実は、そこらで採取可能らしいし、馬鈴薯は栽培してるので問題なしと。これらについては、薬効はないので、新しい食材としての取り扱いで、商業ギルド取り扱いレシピとしてもらう事に。

個人利益では無いようにするなら、領内特産扱いに出来ないか、今後領主様に掛け合ってみると。 

ミルガの実からできる味噌モドキのこともあるけど、もう色々お腹いっぱいなので、今度ヒマな時にすることに。
レインさんからも、小出しで良い、と笑顔で言ってもらえたし。

色々終わったのは、19時も近いころ。
ウチらもお疲れだけど。レインさんをはじめとした、レシピ取り扱い部署の皆様、残業お疲れ様です。なんかスンマセン。
皆んなニコニコしながら居てくれてたけど。
いや、楽しくて残ってんならいいんだけどさ。社畜にならないでね。

そんな訳で、偉いオッサン達にあげなかったザンギを置いてきた。
薬効の違いを実感してもらうには良いでしょう。


「疲れましたねー」

「だねー」


カン君と私はげんなりしながら、商業ギルド会館を出た。


「頑張ったな、おつかれ。さっ飯に行くぞ。」


師匠は私たちの頭を乱暴にかき回すと、背中を叩き、先導するように歩き始めた。
どちらともなくお腹が鳴り、顔を見合わせて笑うと、私たちは師匠の後ろを付いていった。




****



あたーらしい、朝がきた。

昨日は、あの後イズマさん達と合流。
ガッツリ系な肉を肴にお酒飲んで、速攻で宿帰って寝ましたよ。

色っぽい話?
あると思うか?
日本酒大好き、アラサー呑んだくれ女子に期待するのは間違いなので、違うお話へ行ってくだされ。

・・・自分で言ってて、泣けてくるわ。

それはさておき。

本日は、冒険者ギルドに行きますよ。
予定は、
① 冒険者登録
② 採取依頼等確認して一気に納品、からのライセンス上げ
③ 師匠達と、街近くの森探険

うん。
テンプレなら、②あたりでトラブルになるよね。


「いや、昨日の件があるから、①で既にトラブル発生じゃないっスか?」


おぃぃぃ、カン君。
そこで、フラグ立てない。


「トラブル前提かよ。お前らどんなけ荒んでるんだ。」


イズマさんがため息混じりに見てくる。


「えー?だってーそうじゃないですかー。
そもそも、ギルド登録トラブルはお約束として。

有名B級ライセンス冒険者ファーマス師匠率いる、因縁つけられまくりのパーティー『グレイハウンド』に所属する新人ですよ?

しかも、昨日のザンギの一件もあって。
何も無い方がオカシイでしょ?」


師匠の顔を見ると、苦笑い。
イズマさんは、片手を顔に当てて、大きなため息。
その様子を見ながら、ベネリさんが笑う。


「そうだねー。気持ちの準備出来てればいーんじゃ無い?」

「ですよねー?」

「だからって、そんなヤる気満々な顔しなくて良いと思うっス。」


カン君がジト目でこちらを見る。


「カン君だって、色々属性発動するかもよ??異世界なんだし、『さくらちゃん』みたいな子に会えるかもしんないじゃん?」

「・・・っっ!?リンさんっ!」


・・・わ、カン君すんごい顔。
え?折角の異世界、俺の嫁探さないの?


「ダレ?それー?何。彼女??」


ベネリさんがニヤニヤしながら、カン君を突く。


「・・・っナンでもないっスっ!!」

「俺の嫁、じゃん。」

「リンさんっ!!」

「何?よめー??嫁なのー??」


しれっとネタぶっ込んでみた。
ベネリさん食いつきいいねー
イズマさんは、何か哀れむような視線をカン君に向けている。


「不憫だな・・・」

「?何がですか?」

「いや・・・何でもねぇ。」


ガシガシと頭を掻きながら、イズマさんが呟く。


「ほら、お前ら。じゃれてないで行くぞ。」

「「はーい」」


私とベネリさんが返事して、師匠の後ろを付いていく。
その後ろを、カン君とイズマさんが付いてくるが、イズマさんがため息ついて、項垂れるカン君の肩を叩いていた。

ん?
そんなに落ち込む要素あったかぃ??







**************


スンマセン。短いです。

主人公、後輩くんの好みは、フワッと系一生懸命キャラだと信じて疑いません。
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