転移は猟銃と共に〜狩りガールの異世界散歩

柴田 沙夢

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ひと狩り行こうぜ!リターンズ

366.ひと狩り行こうぜ!リターンズ 其のニ

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私を弾き飛ばした『氷戦神アイス・アテーナー』の奴らは、速攻逃げ出した。

私の近くを掠めた青髪の魔法が、轟竜ロア・ドラグの近くに刺さった事、そこに林から飛び出した私が、完全に此方を敵視した轟竜ロア・ドラグの囮になる。

・・・随分と手慣れてるなぁ。

しかしまぁ、取り巻きの嫌がらせ、討伐部位横取りに、上位魔獣討伐から離脱する為に囮にする・・・



「はは・・・まぁ、コレで証拠はまるっと揃ったって事で、先ずは、生き残りますか。」



まだ、さっきの魔石の付与エンチャント効果は、残ってる。
それにカン君の特製魔石もまだある。



「【付与・解放エンチャント・リリース】」


自分の身体強化をしながら、魔石の【 障壁バリア 】と【 攻撃倍加ダブルアタック 】を重ねがけして。
轟竜ロア・ドラグからは、目を逸らさずに様子を伺う。


「アル!マッハでカン君に連絡!村から北東方向5キロ先で『轟竜ロア・ドラグ』と思しき竜種と交戦!兎に角手練れを連れて、救援ヨロ!」

「ピィ!!」



ぱ、と姿を現したアルは、全速力で、キューケン村の方角へと飛んで行った。



「ヴェル、悪ぃけど付き合ってね。頼りにしてる。」



ぎゅぅ、と銃剣相棒を握りしめると、まかせて、という気持ちが流れ込んできた。


「うん、諦めねぇよ・・・諦めてたまるか!」



気合いを入れた私に向かって、グワリ、と大きな口をあけて、猛スピードで突進してきた轟竜ロア・ドラグを、紙一重で横に躱す。
通り過ぎた轟竜ロア・ドラグは、即座にUターンして、再度突進してくる。

重力弾を魔力増し増しで放ち、突進の勢いを殺しつつ、顔面に向かって氷属性弾を放った。
ばきり、と顔が凍りつくも、咆哮により一瞬にして氷が弾ける。


ーーー 氷属性、水も含めて、弱点じゃなさそう。


即座に移動しながら、氷属性弾を風属性弾へ入れ替える。
一発顔面を狙い、もう一発は右前足付近を狙った。

顔面は避けられたが、かまいたちの様な風が右前足を掠めていく。
グォウ!という、ダメージが当たったのだろう声を上げた。
氷よりは、ダメージが通りそう。

そうして、重力弾を使い、距離を計りながら、その他の属性弾も試す。

火属性・・・変化なし、通常ダメージ
地属性・・・変化なし、むしろ通りにくい?
光属性・・・少しダメージ上乗せ?
闇属性・・・変化なし


火蜥蜴サラマンダー退治だったのと、偵察だけと思っていたのとで、腰に巻く弾帯には無属性と氷属性の弾がほとんど。
その他は空間収納に入れているから、取り出すのにどうしてもタイムラグが出る。

これまで、こんなに弾替えして戦うことなんてなかった。
その上1人な分、これまで以上に余裕がない。
劣竜種レッサードラゴンの時のこーくんやカン君、ファーマスさんに、イズマさん、ベネリさんとの共闘が、とても戦い易かったのだと改めて思う。

重力弾を挟みながら、即座に弾を入れ替える。

ーーー 次は雷属性。


・・・あのゲームの轟竜ティ●レックスは、雷属性が弱点だったけな。



そんな事をふと考えたのが不味かった。

一瞬の隙を見逃さず、此方が放った重力弾を、轟竜ロア・ドラグは、突進の方向を変えて避けた。



「しまっーー!!」

ーーー GYAAAAAAA!!


鞭のようにしなった尾が、左脇腹にヒットして。
私は為す術なく吹っ飛ばされた。


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