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しおりを挟む※ 胸糞な話です。性犯罪未遂的な要素があります。
*************
私が他のパーティーと話す事を、勇者パーティーの面々は良しとしない。
まだ、回復役さんに伝えたい事もあったのに、「いい加減にしろ」と拳闘士や女魔法使いに怒鳴られた。
「そんな奴らに構ってる暇はねぇ」とか何だとか。
冒険者なら、魔王に繋がる情報持ってたりするんじゃないの?仲良くして情報もらった方が良いんじゃないの?って、小娘な私ですら思うのに、何で偉そうなの?
仕舞いには、勇者ぶった外面王子が、「君の聖魔法の技を広めることは、良い事とは言えない」と言い出した。
「君しか使えない技であれば、「自分も使える」と余計な期待をした分、ガッカリする度合いも大きくなるんだ。」とか、「君の為に忠告しているんだ」とか何だとか言ってるけど。
・・・つまりは、『聖女の聖魔法』として、独占したいんだろって。
いい加減、馬鹿でもわかるわ。
大体、私が教えてるのは、誰でも使える回復薬でも効果が上がる話だ。
それで苦しむ人が減るなら万々歳だ。
怒鳴られたり、斜め上な説得を受ける私を見て、他の冒険者さん達は居た堪れない顔をしていた。
庇おうと、彼らの発言を止めようとしてくれた冒険者さんもいたけど、拳闘士や女魔法使いに、酷い攻撃をされてしまった。
庇ってくれるのは嬉しかったけど、今は、他の皆さんに迷惑がかかるから。
だから、行く先々で大人しくするようにした。
それでも、奴らの思い通りになるのは尺に触るから、気遣ってくれる回復役さんに出会えたら、『回復』の効果を上げる方法をこっそり伝えていった。
*
私の結界魔法の精度が上がったのは、実の所、身の危険を感じたからだった。
拳闘士と女魔法使いは、時々って言うか・・・よく、そういう行為に及んでいた。
どうやら勇者サマもみたいだった。
剣士はシラネ。
ある野営をしていた晩、その日は勇者サマの番だったらしく。
暇を持て余したのだろう拳闘士が、私のテントに入ってきた。
「オレ様が具合を確かめてやる」だの「王子のを突っ込む前に、邪魔な膜をブチ破っといてやるよ」とか、巫山戯た事言い出して、私の身体に触ろうとした。
看護師だったお母さんは、産婦人科で外来をしていた事もあって、初潮が来た時、性についての話をこんこんと説明してくれたから。
それがどんなに大切な行為で、流されちゃいけない事だって分かっていて。
『相手が望まない、思いやれない行為は、ただの暴力だ。レイプだったりデートDVって犯罪行為なんだ。された方は悪くないんだ。でも、割りを食うのはされた方なんだ。こんな馬鹿な話あってたまるかっ!』て。
お母さんは、病院の外来で、そういう悲しい思いをした女の子を見てきたから、って、悲しそうな顔で凄く真剣に話してくれたから。
大事にしたかった。
もしハジメテなら、こんな蛮族じゃない・・・琥太郎くんが良かった。
だから、必死になって抵抗した。
組み敷かれそうになったその時。
お腹の底から力が溢れ出して、拳闘士を弾き飛ばした。
見ると、とても強固な結界が、私の周りに出来上がっていた。
拳闘士は怒り狂って、結界を破ろうとしていたけど。
どんなに奴に殴られようと蹴られようと、びくともしなかった。
騒ぎを聞きつけた剣士がやってきて、拳闘士を諫めてくれた。
このままだと、契約解除する必要があるとか何だとか。
拳闘士は《勇者パーティーの一員》という肩書きは捨てられないのだろう。渋々と、剣士の言う事に従ったようだった。
「魔王討伐が終わったら、覚えておけ。」と捨て台詞は吐かれたけど。
その日以来、気配察知にも敏感になった。それに寝る前に『結界』を張るようになった。
『結界』は便利で、私が寝ている間は常時発動出来る様になった。
勇者パーティーの面々は、私が寝ている時に近寄れなくなった。
結界だから、何でも弾くと思われていたようだけど、実際は、“周囲50cmの範囲で私に害を成すモノを弾く”という意図の『結界』になっていた。
同じパーティーのハズなのに、害を成す人間しかいない事に、心底笑えてしょうがなかった。
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